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2002年5月2日発行(毎週木曜日配信)
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          女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』 第24号

  ***   ***  みなさま、ゴールデンウィークはいかがお過ごしですか?
 *****v*****  早いもので「ヴィーナスはぁと」の創刊から、約半年が
 ***********  過ぎました。まだまだ試行錯誤のメルマガですが、みな
  *********  さまからの反応が一番の励みです。これからも、どうぞ
   *******  よろしくお願いいたします。
     ***  さて、明日5月3日は憲法記念日です。今回は「憲法」や
      *  「有事法制」など、「法」がらみの話題を取り上げました。

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  目次
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■ 憲法改正について

■ 有事法制について

■ 女性の天皇について

■ いわゆるメディア規制法について

※いずれも回答は、千葉景子議員(民主党)と瀬古由起子議員(共産党)

■「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

■ 編集後記


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 有事法制について
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 日本が他国から攻撃される、あるいは攻撃されそうになった場合に備えて
の「有事法案」。一時的な土地の提供、食料・燃料の保管といった個人の義
務や、命令に従わなかった場合の刑罰なども規定されています。

 こうした有事法制については、「万一に備えての法整備は必要」という賛
成派と、「冷戦終結で他国が攻めてくる確率は低いのに、なぜいま有事法制
を急ぐのか」という反対派に分かれているようです。

 いったいなにが問題なのでしょうか。

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「テロや大規模災害など、現実的な問題への備えが先送りされている」
 千葉景子(参議院議員・民主党・神奈川)
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 有事立法論議が「備えあれば憂いなし」との言葉に象徴されるように抽象
的であり、この際軍事力の行使に途を開こうとの思惑に動かされているよう
に思う。

 そもそも有事とはいかなる事態なのか。テロ、大規模災害等の方が、より
現実味があり、真っ先に備えが必要であるのに、これらへの対応は先送りさ
れている。これでは、“憂いあり”になってしまう。

 そもそも緊急事態に備えるというのは、国民の生命等の安全を確保するた
めであって、そのために他の人権との衝突が起こった場合どう調整するか等、
人権保護の理念が基礎におかれなければならない。

 ところが政府案は、軍事力の円滑な行使だけが先行し、人権保障は後まわ
しになっており、この点でも危惧を感ずる。
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「国民が戦争協力を拒めば、懲役刑に処せられることもあります」
 瀬古由起子(衆議院議員・共産党・東海)
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 この有事法案は「戦争国家法案」というべきもので、アメリカがアジアに
介入戦争をおこない、自衛隊を従えた共同作戦を遂行しようとするとき、こ
の作戦を全面的に支える国家総動員体制をつくろうとするところにねらいが
あります。

 この法案は戦争をするために国民の自由や権利を「制限」することをうたっ
ています。戦争協力を拒めば懲役刑にも処せられるという法律です。

 例えば自衛隊が戦争に必要だとして、民間人に対して燃料や食料などの保
管を命令した場合、車を動かせなくなっている住民をみるにみかねてスタン
ド経営者がガソリンをこっそり売った場合は保管命令違反となり、6ヶ月以
下の懲役か、30万円以下の罰金になります。
 お米屋さんやコンビニの店主なども対象になってしまいます。

 首相の指揮権が自治体や指定公共機関とよばれるNTTや電力会社など民
間企業にもおよび戦争動員される仕組みです。NHKも事実上首相の統制下
に入ります。もちろんこれは戦争放棄している日本国憲法にも反します。

 日本国民は今までなんども自民党政府が執拗に出してきた有事法制策動を
許さず、この50年間、「戦争する国」を拒みつづけてきました。2度と戦
争をおこさせてはならないというのがかつての悲惨な戦争を体験してきた日
本国民のねがいです。

 平和の21世紀をつくるためにはこの法案をなんとしても廃案にしたいと
決意しています。

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  憲法改正について
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 ロゼッタストーンのホームページ上で、「憲法改正」についての意見を聞
いたところ、改正賛成派が約6割でした。→http://www.rosetta.jp/
 憲法論議がタブー視されていた頃とくらべると、驚くべき変化です。
 こうした傾向をどう思うか、聞いてみました。

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「改正の是非を問うまでには、論議が熟していない」
 千葉景子(参議院議員・民主党・神奈川)
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 憲法は絶対に改正してはならないと考えているものではない。しかし、憲
法は国のあり様を示す根幹をなすべきものであるから、憲法を論ずるという
ことは、私たちがいかなる社会をめざすのかという論議が前提になるはず。

 現在はその論議が各所で、多様な形で行われているものと思う。まだ、改
正の是非を問うまでには論議が熟しているとは思えない。

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 「憲法改正への機運をつくるねらいは、9条を変えることです」
 瀬古由起子(衆議院議員・共産党・東海)
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「憲法改正」の中身で政府やマスコミなどが「環境問題」をいれるとか「首
相公選制」をいれるなどの問題を持ち出して憲法に問題があるかのようなキャ
ンペーンをしているので、その影響もあるかと思います。

 しかし、その中でも圧倒的多数の国民は「憲法9条を変えるべきでない」
と判断しています。いろんな問題を持ち出して(環境問題なども憲法をかえ
なくても、25条が明確にしているのですが)憲法を変える機運をつくり、
「改正」しようとする政府のねらいは9条を変えることです。絶対許すわけ
にはいきません。

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 女性の天皇について
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 このところ、皇室でうまれる赤ちゃんは女の子ばかり。そうなると「女性
の天皇」というのも、ずいぶん現実的な問題になってきましたが……。

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 「女性が天皇になれる方向で課題を整理し、法整備を進めるべき」
 千葉景子(参議院議員・民主党・神奈川)
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 女性が天皇になることを否定すべき理由はなく、女性が天皇になれる方向
で課題を整理し、法整備を進めるべき。

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 「女性天皇もありえるが、ハンセン病の歴史を思うと複雑」
 瀬古由起子(衆議院議員・共産党・東海)
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 私はあり得ることだと思います。私自身は将来民主主義が花開く日本で国
民が「天皇制」問題について本格的な議論をする日がくるだろうと期待して
いますが、当面でも「男子にのみ皇位継承」を限定する皇室典範は陳腐です。

 世界・日本で到達した「男女平等」の視点からも疑問を呈されています。
女性天皇が誕生すればその夫の処遇はどうするのか、など課題が生まれてき
ます。

 私がライフワークとして取り組んできたハンセン病問題の深刻な被害をも
たらした最大の責任は「天皇の軍隊に汚れた血を入れてはならない」などと
いう誤った思想でした。

 天皇の命令で軍事優先のもとで強制隔離がすすめられたハンセン病の歴史
を思うとき、例え女性天皇であっても複雑な心境です。

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 いわゆるメディア規制法について
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 テレビや新聞などで、いまさかんに報道されているのが「個人情報保護法
案」「人権擁護法案」などのいわゆる「メディア規制法」と呼ばれているも
の。

「言論の自由を脅かすもの」として、マスコミはいっせいに猛反発していま
す。一方で、国民の側には、マスコミの過剰報道を規制することは必要、と
いう意見もあるようです。
 おふたりの意見を聞いてみましょう。

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 「公権力からの独立性、報道機関への過剰な規制が問題」
 千葉景子(参議院議員・民主党・神奈川)
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 法務委員会委員として「人権擁護法案」に関して問題点を指摘させていた
だきます。

 21世紀は「人権の世紀」と呼ばれており、我が国も人権が尊重され、人
権侵害の起こらない社会を築いていくことが必要です。そのために、人権侵
害に対して実効性のある救済を行う人権救済制度の確立が要請されています。
 しかし、政府が提案する人権擁護法案はこの要請に必ずしも応えられるも
のではないと考えます。

 第1点は、救済機関が公権力からの独立性という最も基本となることを満
たしていないことです。

 第2点は、報道機関に対する過剰な規制となり、民主主義の基盤となる国
民の知る権利の保障を大きくゆがめることになりかねないことです。

 その他の問題点も含め、抜本的な見直しがなされない限り賛成し得ない内
容です。

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 「疑惑を追及されている政治家が大喜びする法律です」
 瀬古由起子(衆議院議員・共産党・東海)
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「戦争国家法」と一体のものです。基本原則として「個人情報は、適正な方
法で取得」し、取り扱いには「本人が適切に関与し得るよう配慮」しなけれ
ばならないという規定が報道機関にも適用されます。

 同原則を盾に、疑惑が追及されている政治家が本人の情報の開示や訂正、
取材源の明示を求めることが可能になるなど不正や腐敗の内部告発、暴露に
大きな障害をもたらし、報道や表現の自由を脅かす危険があります。ムネオ
氏や加藤元幹事長などは大喜びでしょう。


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  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の16名の方々です。
詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
ホームページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/

 ◇衆議院
  川田悦子 (無所属・東京)  瀬古由起子(共産党・東海)
  武山百合子(自由党・北関東)  松島みどり(自民党・東京)
  水島広子 (民主党・栃木)  山内惠子 (社民党・北海道)
  山口わか子(社民党・北陸信越)

 ◇参議院
  有村治子 (自民党・比例)  井上美代 (共産党・東京)
  岡崎トミ子(民主党・宮城)  小宮山洋子(民主党・比例)
  千葉景子 (民主党・神奈川)  八田ひろ子(共産党・愛知)
  広中和歌子(民主党・千葉)  福島瑞穂 (社民党・比例)
  吉川春子 (共産党・比例)

                         計16名(敬称略)


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  編集後記
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 現在、ロゼッタストーンのホームページ(http://www.rosetta.jp)では、
「ミニ世論」というコーナーで、「憲法改正」について取り上げています。
昨年秋にとったアンケートでは、なんと「憲法改正派」が約6割。「時代に
合わせて憲法を変えていくべき」という声が多かったのです。一方で、「戦
争放棄している憲法を変えないで」という声も根強いようです。

 「憲法改正」に対する賛成の割合は、「選択的夫婦別姓制度」に賛成する
人の割合とほぼ同じでした。この6割という数字を、みなさんは、どう考え
ますか?

 憲法記念日も近づいてきました。有事法制についての法案も閣議決定され
ました。というわけで、「ヴィーナスはぁと」でも、次回は「憲法」と「有
事法制」を中心に女性議員の声をお届けしようと思います。

 日本の未来にかかわる重要な問題です。みなさんの意見もどうぞお聞かせ
ください。

                  (ロゼッタストーン・弘中百合子)

ご意見、ご質問はvheart@rosetta.jpまでお願いします。


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■次号予告
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次回は「憲法」「有事法制」など、法がらみの話題を取り上げます。ご意見、
ご質問、お待ちしております。

  ◆千葉景子 (民主党)
  ◆瀬古由起子(共産党)
  ◆吉川春子 (共産党) ほか


※回答議員は変更になる場合もあります。

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女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』
 編集長:ロゼッタストーン 弘中百合子
 発行 :株式会社ロゼッタストーン
     (〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101)
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