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2002年12月12日発行(毎週木曜日配信)
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          女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』第56号

  ***   ***   今年の「暖冬予想」はいったいどうなってるの?…と、
 *****v***** 気象庁にクレームをつけたくなるくらい、このところ
  *********  寒い日が続いています。まだ12月だというのに、東京
   *******   でも雪が積もったのには驚きました。風邪をひいている
     ***    人も多いようですが、みなさまは大丈夫ですか?
      *     ヴィーナス議員たちは今日も元気に活動しています。

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  目次
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■ 「なぜ、母子家庭への児童扶養手当を削るのか」
   井上美代(参議院議員・共産党・東京)

■ 「民主党代表選挙とどぶろく特区」
   岡崎トミ子(参議院議員・民主党・宮城)

■ 読者からの質問に回答
   川田悦子(衆議院議員・無所属・東京)

■ 編集後記

■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

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 「なぜ、母子家庭への児童扶養手当を削るのか」
              井上美代(参議院議員・日本共産党・東京)
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 母子寡婦福祉法、児童扶養手当法などの改正法案が11月22日、参議院
本会議で成立しました。母子家庭の「自立」を促す支援策とともに、児童扶
養手当を受給開始後5年たったら自動的に最大で半額まで減額するしくみが
新たに導入されました。

 手当を受給している母子世帯は全国で約71万世帯です(2000年度
末)。児童扶養手当は、1998年、小泉総理が橋本内閣の厚生大臣だった
ときに、大幅に削減されました。

 このときに所得制限を大幅に引き下げて、あまりに被害が大きすぎたため、
今年の8月に、所得制限を引き上げる一方、やはり受給額を所得に応じて小
刻みにするという名目で、33万世帯の母子家庭で手当を削減しました。

 11月21日、参議院の厚生労働委員会で、参考人質疑が行われ、一人息
子を育てている母子家庭の若いお母さんが招かれ、発言しました。

 「毎日3、4時間の睡眠で必死に働いてきました。8月の削減で半分以下
になり、1万2千円になりました。これをまた減らすと言うことですが、減
らすような額でしょうか。5年後息子はちょうど高校生になりますが、ちゃ
んと進学させることができるでしょうか。母子家庭の友達は子どもを修学旅
行に参加させることができませんでした。私たちは、子どもを他の子どもと
同じように育てることはできないのでしょうか」

 委員会室は静まりかえり、目にハンカチを当てていた人もいました。この、
痛切な訴えに胸を締め付けられない人はいなかったのではないでしょうか。

 自立支援策は、確かに今までよりは多少よくなるでしょうが、母子家庭の
母親をパートから常用雇用に転換した場合に、事業主に助成金をだす制度が
新設されましたが、その予算は、たったの千人分で、これらの施策が実効性
を持つかどうかについて、坂口大臣は「やってみないとわからない」という、
全く当てにならない答弁でした。まさに、荒れ狂う海の中に、小舟を突き放
すようなものではないでしょうか。

 私はここに、今政府がすすめている小泉内閣による「聖域なき構造改革」
の本性をみた気がいたします。不良債権処理加速策のもとで、たくさんのサ
ラリーマン、労働者がリストラされ、失業者は増える一方、貸し渋りと貸し
はがしで中小企業の倒産は激増しています。一方、アメリカの金融大企業が、
不良債権を安値で買いあさっていく・・・。「強気を助け、弱気をくじく」
小泉改革の実態です。国民の生活、特に所得の低い方、様々な障害を抱えた
方に、お金の使い道を変えていく必要があるのではないでしょうか。

 また、私は、改正法成立までの、厚生労働省の情報開示のあり方について
も、重大な問題があったと思います。厚生労働省は、昨年末より「削減まで
の5年」の根拠を手当の「平均受給期間が5年だから」と説明してきました。

 「平成11年度児童扶養手当受給状況調査」という「行政が事務的に把握
した統計」(統計法に基づく承認統計とは異なる)の調査結果が5.01年
だから、ということでした。しかし、11月半ばの衆院可決後の参院段階で、
これが全くの出鱈目であることが判明したのです。

 この「5.01年」は、実は受給している最中の母子の調査時点までの受
給期間の平均であって、何らかの理由で「支給停止(資格喪失を含む)にな
るまでの全体的な平均受給期間」とは、全く異なる数字だったのです。

 支給停止になる理由は、子どもが18歳になる、母親が結婚する、所得制
限を超える、などが多いのが現状です。厚労省は質疑の中で、所得制限を越
えたという理由で支給停止になった人の平均受給期間「5.56年」という、
全く新しい数字を、私の質問への答弁の中で突然持ち出し、実はこれが「5
年」の根拠だったと答弁を大幅に修正しました。

 その数字のもとになった「平成12年調査」(これも事務的な統計)の存
在も、そこで初めて明らかになりました。厚労省は、「5.01年と
5.56年の二つの数字が混線する」から、「5年程度ということでマルメ
た」と弁解しました。

 自分たちが数字を明らかにしてこなかったことは棚に上げて、「混戦する」
から等と、国民を馬鹿にするにもほどがある、と怒りがこみ上げました。お
役人以外はみんな、たった2つの数字も区別できないということでしょうか。

 子どもが18歳になったということで、支給停止になる母子家庭が非常に
多いのが実情で、当初厚労省が根拠としていた、停止理由を問わない「全体
的な平均受給期間」は、五年より長くなることは間違いありません。

 所得制限を越えた人の平均受給期間を根拠とするにしても、「5.56年」
がもっと早くから明らかにされていたら、多少きりは悪くても5.5年だ、
6年の方にむしろ近いから6年だとか、減額までの期間をより長くする判断
もありえたと思います。

 母子家庭の半年、一年の生活の重さに心を寄せるなら、重要な数字をこれ
ほどぞんざいに扱うことはできないでしょう。何か「女、子どものこと」と、
軽く扱われたような気がします。
 5年後にどれだけ減額になるかは、まさにこれからの運動にかかっていま
す。母子家庭のみならず、広く女性のみなさん、国民のみなさんに事態を知っ
ていただきたいと思います。


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 「民主党代表選挙とどぶろく特区」
                岡崎トミ子(参議院議員・民主党・宮城)
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 今週の火曜日、民主党の代表選挙が行われ、菅直人が代表に選ばれました。
私は9月23日に行われた前回の代表選挙でも、菅直人を推薦して全国を駆け回
りましたが、今回も立候補を促し、応援しました。

 新代表になった菅直人は「『市民が主役』の政治に立ち返り、今、苦しみ、
痛みを受けている人たちに応えるため、全力を尽くす」と約束しました。日
本の再生のための新たなスタートに心をひとつにがんばっていきます。

 「小泉総理! 農家の民宿で自家製のどぶろくを飲む。楽しいじゃないで
すか。どぶろく特区を認めるべきです!」内閣委員会で総理に迫りました。
「構造改革特別区域法案」の質疑を行ったのです。

 この法案は、全国一律に行おうとするとどうしても遅れるので規制改革の
突破口として、様々な特区をつくり、そのなかでそれぞれに色々な規制改革
を先行実施しようという法案です。

 特徴的なのは自治体などに、どのような特区をつくりたいか提案を求め、
その提案をもとに、それぞれの特区で実施する規制緩和を決めていくところ
にあります。地方に「知恵と工夫」を競ってもらい、今までの発想では出て
こないような特区構想が出てくることが肝心ですが、実際、全国249の自
治体などが出した426件の提案の中には楽しいものもありました。

 今回私が注目したのは、岩手県が遠野市で実現したいと提案した、「どぶ
ろく特区」構想です。グリーンツーリズムの目玉として、農家の民宿などで
自分でどぶろくを造って宿泊客に出せるようにしようというものです。

 現在、お酒をつくろうとすると免許が必要で、その免許を取得するために
は、1年間でこれだけの量の酒は造りますという「最低製造量」を満たさなく
てはならないのです。どぶろくの場合、酒税法上「雑酒」にあたるので、年
間6キロリットル製造しないと、免許をもらうことができません。

 そのため、ある程度の規模を備えた工場でなければ、合法的にどぶろくを
造って売ることができません。それに対して岩手県の提案は、この最低製造
量規制を緩和して、農家などで自分のところで売る分だけつくれるようにし
ようというものです。

 この「どぶろく特区」構想に対して酒税法を所管する財務省の抵抗はなか
なか強く、今回の法案にはこの構想を可能にする規制の特例措置は盛り込ま
れませんでした。でも、私の委員会での質問に対しても鴻池大臣は「おもし
ろい」と言って積極的です。

 「どぶろく特区」が実現できるかどうか、来年の1月15日に自治体からの提
案の第2次募集が締め切られてから、再び攻防が始まります。楽しみに注目し
ていきます。

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 読者からの質問に回答     川田悦子(衆議院議員・無所属・東京)
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Q: 雪印食品の牛肉偽装事件を告発した「西宮冷蔵」が廃業に追い込まれま
 した。水谷社長は内部告発者保護の制度化を訴えていました。
 この問題に取り組んでいる議員にお聞きしますが、この制度の行方、法案
 成立の目途は如何でしょうか。(神奈川県 K)

A: おたずねの内部告発者保護制度の件ですが、現状は、民主党、社民党か
ら公務員に限った内部告発者保護法案が提案されているのに対して、私は、
民間も含めた内部告発者保護法が必要であると考えて、4月に法律の要綱案を
発表した後、シンポジウムなどを通じて法律の必要性を訴えているところで
す。(詳しくはHPをご覧下さい) http://www.etsuko.jp/

 今後の動きについてですが、私は、民間も含めた内部告発者保護法の制定
に向けて具体的に活動を進めていく予定です。

 現在、内部での勉強会を重ねて、みなさんに内部告発者保護法についてよ
りよく知っていただくためのガイドブックのようなものを作りたいと考えて
います。

 そして、来年中には具体的な法律になるように積極的に取り組みたいと考
えています。


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  編集後記              ロゼッタストーン・弘中百合子
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 私の知人で、ひとりで子どもを育てている女性も、やはり「児童扶養手当
の削減は辛い」と言っていました。いまの不況下で、女性がひとりで子ども
を育てるのは、本当に大変だと思います。

 景気がよくてお金がありあまっている時代ならともかく、こんな不況では
、 「限られた予算をどう使うか」ということはとても重要です。この予算配分
を決めるのが、まさに政治。日本の政治家には、弱い人の立場を思いやって
くれる人がまだまだ少ないのかもしれません。

 岡崎議員おすすめの「どぶろく特区」は、なかなか楽しい案ですね。いろ
んな「特区」をもうけなきゃいけないくらい、日本は規制だらけなんだな
あ…ということも、改めて感じました。

 ご意見、ご質問はvheart@rosetta.jpまでお願いします。

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  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の15名(敬称略)の
方々です。

 ◇衆議院
  川田悦子 (無所属・東京)  瀬古由起子(共産党・東海)
  武山百合子(自由党・北関東)  水島広子 (民主党・栃木)
  山内惠子 (社民党・北海道)  山口わか子(社民党・北陸信越)

 ◇参議院
  有村治子 (自民党・比例)  井上美代 (共産党・東京)
  岡崎トミ子(民主党・宮城)  小宮山洋子(民主党・比例)
  千葉景子 (民主党・神奈川)  八田ひろ子(共産党・愛知)
  広中和歌子(民主党・千葉)  福島瑞穂 (社民党・比例)
  吉川春子 (共産党・比例)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のWebページにもリンクしています。

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■次号予告
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 次回は、井上美代議員(共産党) 山口わか子議員(社民党)、
 岡崎トミ子議員(民主党)が登場します。

 ※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。

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〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人・編集人:弘中百合子
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