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2003年2月6日発行(毎週木曜日配信)
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          女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』第63号

  ***   ***    アメリカのイラク攻撃が、いよいよ時間の問題と
 *****v*****  言われています。なぜ、戦争という最悪のシナリオを
  *********  安易に選んでしまうのか…日本人の多くが、納得でき
   *******    ない思いでいるようです。日本の政府は、いまのところ
     ***    慎重に今後のなりゆきを見守っているようす。この先、
      *     私達の国は、どんな選択をすべきなのでしょうか。

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  目次
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■ 「障害者『支援費制度』について」
   瀬古由起子(衆議院議員・共産党・東海)

■ 「アメリカのイラク戦争に反対」
   川田悦子(衆議院議員・無所属・東京)
■ 編集後記
■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

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 「障害者『支援費制度』について」
             瀬古由起子(衆議院議員・日本共産党・東海)
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 4月から始まる障害者「支援費制度」で厚生労働省が、ホームヘルプサービ
スに対する国庫補助金に上限を打ち出したため障害者団体や自治体から強い
抗議の声があがりました。

 障害者にとってホームヘルパー制度は地域で自立生活をすすめる命綱です。
今でさえ、ホームヘルパーの派遣時間が少なく、ベッドから転げ落ちたまま
何時間もヘルパーさんの助けを待っていたり、トイレの便座に座ったまま動
けず一晩を過ごしたといった人権問題も生まれているのです。

 厚生労働省の前は、車イスの障害者などで騒然とした空気になりました。
みぞれまじりの日に雨がっぱで体を覆った障害者が訴え続け、もよりの地下
鉄霞ヶ関駅は、「お客様が無事に乗り降りできるように」と応援の駅員もか
けつけましたが、厚労省は正面の門を閉め、トイレ利用も制限するなど全く
冷たい態度でした。

 しかし、とうとう去る1月27日、厚労省は「国庫補助基準は、市町村に対す
る補助金の交付基準であり、個々人の支給量の上限をさだめない」との見解
を示したのです。草の根のたたかいが、厚労省を動かしたのです。

 国が補助金制度を改悪して、障害者福祉を後退させるやり方は、ホームヘ
ルプサービスに限りません。障害児の保育や療育を支援する事業、障害者の
地域生活の総合的な相談事業についても、補助金を打ち切り、一般財源化す
る方針も出されています。一層の充実が求められているこれらの事業の補助
金の打ち切りは事業の継続や新規実施に困難をもたらすことは明らかです。

 「きょうされん」(旧共同作業所)の調査によると、支援費制度の対象と
なる21事業が一つもない市町村が15%にものぼっており、全ての事業があ
る自治体はひとつもありません。

 かつては「措置制度」として国や自治体の責任で障害者の生活を保障する
制度は「障害者が選択できる」制度として支援費制度が出発しました。日本
共産党は国や自治体の責任を放棄するものと反対しましたが、指摘どおりの
状況が生まれています。「選択できる」ほどサービスが整っていない中での
「措置制度」の廃止は、結局地域福祉の後退につながるのです。今必要なの
は、遅れている基盤整備の拡充にこそ国が責任を持たなければなりません。

 厚労省がホームヘルプサービス利用の「上限を定めるものではない」とい
うなら、地域支援事業の一般財源化を撤回するとともに、支援費制度実施に
伴う障害者関連予算を大幅に増額することが求められています。


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 「アメリカのイラク戦争に反対」
                川田悦子(衆議院議員・無所属・東京)
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 3月4日、元国連大量破壊兵器査察官のスコット・リッター氏を招いて国会
内で集会を開きました。私もその集会の呼びかけ人の一人にさせていただき
ました。リッター氏は当日の夜のテレビニュースで紹介されたり、出演して
おりましたのでご存知の方も多いと思います。

 私は彼の著書『イラク戦争― ブッシュ政権が隠したい事実』(合同出版)
を読んでいましたので、是非直接お話を聞きたいと思っていました。そこに
今回、翻訳者の星川淳氏をはじめとする多くの人たちがこのような機会を作っ
てくださいました。本当にありがとうございました。こころから感謝をした
いと思います。

 リッター氏は大統領選挙でブッシュ氏に投票した共和党員です。その彼が
いま、ブッシュ氏を相手にイラク戦争反対を唱え、世界中を駆け回っていま
す。その結果、リッター氏の身に危険が迫っています。彼は命がけで発言し
ているのです。では、なぜ彼はそれほどまでして、イラク戦争に反対してい
るのでしょうか。

 その理由を私は彼の話からこう理解しました。彼は熱烈な愛国者だからだ
と。

 今、アメリカが理不尽な戦争を始めれば、アメリカにとって屈辱的な敗北
になる可能性があり、それは全世界におけるアメリカの影響が後退を始める
決定的な敗北になるかもしれないと彼はみています。そして今、アメリカ国
内で戦争に反対する人が非国民の扱いを受ける状況が続くことは、アメリカ
民主主義の終わりであると。彼はアメリカを愛しているからこそ、アメリカ
の民主主義、表現の自由、個人の自由を守ることが、もっともアメリカ的で
あると言うのです。

 また、彼は、ブッシュ大統領は9・11以降、アメリカ人の恐怖と無知につ
け込んで戦争を始めようとしていると痛烈に批判しています。

 私は話を聞きながら、アメリカはベトナム戦争から何を学んだのだろうか
と、思いました。ベトナム戦争に従軍した兵士が精神を病んで社会復帰がで
きなくなったことを、アメリカはもう忘れてしまったのでしょうか。

 アメリカがイラク戦争に踏み込んだなら、アメリカの市民は途方もないほ
どの恐怖におびえて今後ずっと暮らしていかなくてはならないようになるで
しょう。今後はアメリカ中の人々がテロに怯えて暮らしていくことになるの
です。それがどんなにたいへんなことになるのか、政府は想像できないはず
はないでしょう。

 そして日本が世界から孤立したアメリカと一緒になって戦争に参加してい
くなら、日本も協力者としてテロに狙われることになるのは必至です。今、
私たちがしなければならないことは、報復の連鎖を断ち切るために惜しみの
ない努力をすることです。

 日本は、広島、長崎、さらにビキニと3度も被爆の経験をし、核を保持して
いない国です。だからこそ、イラクや北朝鮮に核問題ではっきりとものをい
うことができる立場にいます。今こそ、日本は主体的な外交政策を展開し、
日本国民の安全、アジア、世界の平和のために声を上げることが求められて
いるのです。

 リッター氏はこう言いました。日本がアメリカに盲従してついていくなら、
日本の国旗を降ろし、アメリカの旗を立てるべきでしょう。良き友人なら、
友人が酔っ払い運転をしようとした時、止めるものである。酔っ払いの友人
の車の鍵を抜き取るのが真の友人であると。

 リッター氏はいま、いのちがけで、イラク戦争に反対しています。アメリ
カの一国主義を許してはならないと。私は別れ際に彼と握手をしてこう言い
ました。「あなたの勇気に負けないように日本で頑張ります」と。

 私たちは何としてもアメリカのイラク戦争を止めなくてはならないのです。
小泉首相ははっきりとアメリカに「戦争はおやめなさい」と言うべきです。
それが日本の責任者のとるべき道です。


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  編集後記              ロゼッタストーン・弘中百合子
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 瀬古議員の原稿にある、「障害者支援制度」というのは、身体・知的障害
者が必要な福祉サービスを自分で選んで、事業者と契約するシステム。今年
4月から始まります。ただ、必要なサービスを選ぼうにも、まだまだサービ
ス自体が充実していないため、「選ぶサービスがない」という地域も多いよ
うです。

 そういえば、「ヴィーナスはぁと」には、障害者からの声があまり寄せら
れないことに気がつきました。読者の中には、障害者の方もいらっしゃると
思います。もし、不安や不便を感じていることがあれば、どうぞ、当事者の
声をお聞かせください。ヴィーナス議員にお届けします。

 ご意見、ご質問はvheart@rosetta.jpまでお願いします。

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  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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 「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の15名(敬称略)の
方々です。

 ◇衆議院
  川田悦子 (無所属・東京)    瀬古由起子(共産党・東海)
  武山百合子(自由党・北関東)  水島広子 (民主党・栃木)
  山内惠子 (社民党・北海道)   山口わか子(社民党・北陸信越)

 ◇参議院
  有村治子 (自民党・比例)   井上美代 (共産党・東京)
  岡崎トミ子(民主党・宮城)    小宮山洋子(民主党・比例)
  千葉景子 (民主党・神奈川)   八田ひろ子(共産党・愛知)
  広中和歌子(民主党・千葉)   福島瑞穂 (社民党・比例)
  吉川春子 (共産党・比例)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のWebページにもリンクしています。

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■次号予告
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 次回の発行は、2月13日です。

 井上美代議員(共産党)、山口わか子議員(社民党)、
 岡崎トミ子議員(民主党)が登場します。

 ※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。

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〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人・編集人:弘中百合子
Copyright(C) ロゼッタストーン 許可無く転載することを禁じます

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