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2003年6月19日発行
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          女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』第83号

  ***   ***   国や自治体による不妊治療推進などを盛り込んだ、
 *****v*****  少子化対策基本法案が12日、衆議院で可決されました。
  *********  厚生労働省の2002年「人口動態統計」によれば、1人の
   *******    女性が生涯に産む平均の子供の数(合計特殊出生率)は
     ***    1.32人と過去最低になったそうです。今回は小宮山議員が
      *     この法案についての意見を寄せてくれました。

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  目次
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■  「少子化社会対策基本法について」
   小宮山洋子(衆議院議員・民主党・東京)

■ 「有事法制」について読者からのご意見

■ 編集後記

■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

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 「少子化社会対策基本法について」
               小宮山洋子(衆議院議員・民主党・東京)
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 5月28日の内閣委員会で、提出以来3年半、実質的な審議はしないでお
蔵入りさせていた「少子化社会対策基本法」の審議が始まり、6月12日に
民主党が主に作業をしてきた修正を一部して、附帯決議をつけて、衆議院を
通ってしまいました。

 高齢者に偏りすぎている社会保障などを、子どもにも焦点をあててという
のはよいのですが、「産めよ殖やせよ」という鎧が衣の下から見えかくれし
ている法案でしたので、特に女性たちから、多くの危惧の念が寄せられてい
ました。

 この法案は、超党派の議員連盟からの提出で、1999年の提出のときか
ら大議論をして、議連として民主党所属の議員が提出することは止められな
いが、内容には問題があるので、党としては修正することを確認していまし
た。

 懸念される点、疑問点の主なものは、以下のとおりです。

○子育て支援については、今さら理念法、枠組み法である基本法を作るので
はなく、子育てしながらでも働きやすくすること、保育の充実、経済的支援
など、具体的に個別法で対応すればよいと考えます。

○このまま少子化が進むと「有史以来に未曾有の事態に直面する」として「歯
止めをかける」といっています。結婚・出産という個人の問題にどこまで国
が踏み込むのか、人口政策の対象にされてはたまらないということがありま
す。

○「子育てに夢をもつ」ことを国民の責務としています。持ちたい人が安心
して産み育てられるようにすることは必要ですが、子どもを持たない人、持
てない人のことを考える必要があります。

○枠組み法なのに、「不妊治療」のことだけが詳しく書き込まれています。
不妊の当事者の方々からも、プレッシャーをさらにかける、このような法案
はいらないといわれていました。

 結局、次の2点を修正しました。

◎「もとより、結婚や出産は個人の決定に基づくものではあるが、」という
文言を前文にいれました。

◎「生み育てる」を「生み、育てる」としました。これは、里親などや男性
も育てるので含まれるからです。

 また、付帯決議には、懸念されることは、ほとんどいれられました。子ど
もを持たないひとの人格を侵害しないこと。人口会議の行動計画などの知識
を普及すること、不妊の人に心理的負担にならないようにすることなどです。


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   「有事法制」について読者からのご意見
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●知恵を絞れば、まだ色々な道が残されている

 はじめまして、今回の有事法制成立について編集の皆様においては国民の
無関心さに驚かれているようですが、一国民としては無関心なんかではなく、
毎日の審議を強い憤りをもってみておりました。この法律は決めるにあたっ
ては、もっともっと沢山の議論をしてほしかったと思います。これからの日
本の方向を決める法律が、こんなに簡単に決まるなんて、国会議員の皆さん
は30、50年後の日本をちゃんと頭に描いて仕事をしておいでですか?
日本を第二次世界大戦のような、戦争に向かって突き進む国にしないでくだ
さい。お願いします。

 9.11テロ、拉致問題などでの国の防衛についてですが、ただ怖いから
備えだけ持てばよいものではないと思います。事態は相手や場所などによっ
ても全く違うのだから、やむを得ず国防を強化するなら、柔軟に対応出来る
システムを作って欲しいと思いますし、自衛隊についても、他国が起こした
戦争援護などの状況が不透明な海外派兵は、するべきではないと思います。
しかしながら、有事の備えよりも、もっと日本はアジアの諸国と一丸となり、
いかなる戦争、テロも起こさないように努力するのが一番の先決だと思いま
す。武力を持たなくても、知恵を絞ればまだ色々な道は残されていると思い
ます。

●有事法制が歯止めになる

 北朝鮮のミサイルや核のことを考えると、やはり有事法制は必要だと思う。
独裁体制の国は、なにをするかわからない。有事になにも法律がないことの
ほうが、むしろこわいのではないか。有事法制をつくることは、独立国とし
ては当然だ。(※「掲載可」と書かれていなかったので、要旨を紹介しまし
た)

●日本人であることと、有事法制に賛成することは無関係

 福島さんのおっしゃる事はそのとおりだと思います。意見を読んでいて「怖
い!」と思ったのが、福島さんに対する与党からの、「日本人か、それで!」
という野次です。

 有事法制に対して異議を唱えたり、疑問を持つ人に対してこんな野次が飛
ぶということは、裏を返せば、有事法制に賛成の方たちは「日本人であるな
らば有事法制に賛成であるべきだ」という意識を持っている事が前提になり
ます。

 しかし、「日本人」というのは、単に「日本国籍を有する人々」という意
味であって、決して「日本に暮らしている人」、「日本語を話す人」と言う
意味ではありません。ましてや「有事法制に賛成する人」というのも違いま
す。日本人とは日本国籍を保有する人という意味に過ぎないのです。

 しかし「日本人か、それで!」という野次を放った与党議員は、日本人で
ある事に「有事法制に賛成する」という社会的役割を見出しているのでしょ
う。これは第二次世界大戦中に、戦争に反対したり、参加拒否する人を「そ
れでも日本人か!」と弾圧した当時の日本政府と同じ構造です。あまりにも
危険です。

 日本人であろうがなかろうが、有事法制に賛成する権利も反対する権利も
我々一人一人にあるはずです。日本人である事と有事法制に賛成する事は無
関係なはずなのに、与党の一部の議員の頭の中ではこの二つは密接に結びつ
いている。これでは、戦前の日本と同じ思想弾圧が起こる潜在的可能性が常
にあると思います。こんな恐ろしい野次を飛ばす議員が与党にいて、政権を
握っているというのが本当に僕には恐ろしいのです。有事法制自体よりも、
この野次を飛ばした与党議員が僕には恐ろしい存在です。  (鶴田一寿)


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  編集後記              ロゼッタストーン・弘中百合子
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 前回、「有事法制について意見を聞かせてほしい」と呼びかけたら、早速、
読者の方々から反応がありました。ありがとうございます。みなさん、決し
て関心がないわけではなく、自分の意見を表明する場がなかっただけなのか
もしれませんね。

 今回の「少子化社会対策基本法」についてはいかがですか? 「個人的な
ことに国は口を出さないでほしい」と感じる人もいれば、「国及び地方公共
団体は、不妊治療を望む者に対し良質かつ適切な保健医療サービスが提供さ
れるよう、不妊治療に係る情報の提供、不妊相談、不妊治療に係る研究に対
する助成等必要な施策を講ずるものとする」と明記された法案を歓迎してい
る人もいると思います。また、ご意見を聞かせてください。

 ご意見、ご質問はvheart@rosetta.jpまでお願いします。

※お手数ですが、お寄せいただくご意見に
   1)「掲載可」か「掲載不可」か

 掲載してもよい方は
   2)「匿名希望」か「実名可」か
   3)「事前連絡必要」か「事前連絡不必要」か

をお書き添えいただけると、大変助かります。なにも記載がないものを紹介
する場合は、要旨だけを匿名でご紹介する形にしたいと思います。



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  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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 「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の15名(敬称略)の
方々です。

 ◇衆議院
  川田悦子 (無所属・東京)    小宮山洋子(民主党・東京)
  瀬古由起子(共産党・東海)   武山百合子(自由党・北関東)
  水島広子 (民主党・栃木)    山内惠子 (社民党・北海道)
  山口わか子(社民党・北陸信越)

 ◇参議院
  有村治子 (自民党・比例)    井上美代 (共産党・東京)
  岡崎トミ子(民主党・宮城)    千葉景子 (民主党・神奈川)
  八田ひろ子(共産党・愛知)    広中和歌子(民主党・千葉)
  福島瑞穂 (社民党・比例)    吉川春子 (共産党・比例)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のWebページにもリンクしています。

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■次号予告
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 次回の発行は、6月26日です。

 有村治子議員(自民党) 千葉景子議員(民主党)
 広中和歌子議員(民主党)が登場する予定です。

 ※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。

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〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人・編集人:弘中百合子
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