14. 緑の目の吟遊詩人
 
 カミーユは古ぼけた屋敷の部屋でワインを 飲む。空には月。今夜は夏至、妖精の夜。 酔ったカミーユは窓を開け、空に向かって大 声で叫ぶ。
「フィンバラ、フィンバラ、あらわれて、フィ ンバラ!」
 そして子供のように泣く。30を過ぎた女 が、何を子供のように。
しかし、気配を感じ、目を上げた。
続く...  
 
 
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