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第2回 就職が決まらない女性をコーチ!


相談者のプロフィール 山田 奈央さん(25歳)
この春大学を卒業、もともと別の大学の法学部に在籍していたが、受けなおして文学部に転部したという経歴をもつ。今も就職活動中。
相談者の悩みごと 昨年の就職活動でうまく行かず、自信を失ってしまった。何をやっても駄目な気がするのでどうにか自信を取り戻したい。 今後、どのように就職活動に取り組んでいったらいいのだろうか。
山田 「今年の春大学を卒業し、まだ就職が決まっていません。何をやっても駄目になる気がしてしまって・・・どうやったら自信を取り戻せるか教えてもらいたいのですが」
本間 「とりあえずどんなところに就職したいのか聞いていいかな?」
山田 「えー、編集の仕事ですね。特にファッションの、ですが・・・」
本間 「それって採用枠はどのくらいあるの?」
山田 「ほとんどないと思います」
本間 「じゃあ、狭き門てわけだ」
山田 「そうですね。倍率も高いです・・・」
本間 「そういったところを受けて、書類審査や面接などはどこまで進みましたか」
山田 「大抵が1次面接で終わってしまうんです。だから自信をなくしてしまって」
本間 「そうか。なるほどねぇ」

このあと本間さんは次々と山田さんの状況について質問をする。山田さんはそれに答えるだけだったが幾度かそのやり取りが繰り返されたあと、山田さんはリラックスをしてきたようだ。そしていよいよコーチングは本題に入ってきた。

本間 「自分の前に二つの道があると仮定しよう。一つはファッション誌の編集の道を追いつづける。もう一つはとりあえずどこでもいいから就職する。こんなふうにA案・B案あったら、どちらを選ぶ?」
山田 「A案です」
本間 「じゃ、その厳しい倍率に通るのに、自分に何が足りないと思う?」
山田 「そうですね・・・編集の経験と、あとコミュニケーション能力がないのかな、って。だから面接が駄目なのではないかと」
本間 「今話している限りではコミュニケーション能力がないってわけではないと思うけどなぁ(笑)。・・・まあ、経験を積むのにはアルバイトとかもあるじゃない。それについてはどう思う?」
山田 「ファッション誌ができるのであれば、アルバイトでもいいと思います」
本間 「どうしても話がA案の方に行くなぁ。経験を積ませてくれるところに、あてはあるの?何か、つてで入らせてもらえそうな人なんかはいらっしゃらない?」
山田 「ひとりいますね」
本間 「その方はどんな職業でどういった知り合いなのかしら?」

山田さんがその人について話すと、本間さんは出版という高倍率の業界を通るためにはその人に頼んでみるのがいいと提案。しかし山田さんは紹介ではなく自分の力でやっていきたいと答えた。

本間 「そうか。自分で経験積んで、面接を受けて入社するっていうシナリオを描いているわけね。 うーん・・・それはないね(笑)。さっきその人に『バイトという安いお金でもいいから編集をやりたいか』と聞かれたといっていたよね。 それはあなたの覚悟を試しているんじゃないかな。でもあなたがそれに応えるのがプレッシャーになってしまうということは、あなた自身の気持ちが揺れているんじゃないの?」
山田 「そうですね。だからその時はファッション誌でしたらなんでもやります、とお答えしました」
本間 「じゃあさ、世の中にファッション誌がなかったら、どんな職業につく?」
山田 「えっ。なかったらですか?!・・・ファッションのデザインとかもしくはOLとか公務員ですかねぇ」
本間 「いまデザインと言ったけど、山田さんは大学でフランス文学を専攻したということは、デザインは専門学校とかで改めて勉強しなくちゃいけないよね。そういう意志みたいのはあるの?」
山田 「あります」
本間 「あっ、あるんだ(驚)。あのね、今まで僕と話してきて、今の一言が一番、山田さんの意志がこもっている言葉だった。なんか言葉の響きというか、山田さんの専門学校に行く気持ちの強さみたいなものが伝わってきた」
山田 「え、そうですか?!」
本間 「うん。もし、ファッション業界以外の職種に行くとなったらどうする」
山田 「そうですね、何か創る事をしていると思います。そうでなかったら、以前は法学部にいたので法律関係の仕事をしていると思います」
本間 「そっか。やっぱり何か創る仕事がしたいんだね。それになんだかいろいろやっているんだ。器用なタイプなんだね。それじゃあさ、編集の仕事も創る仕事じゃない。魅力を3つ挙げられる?」
山田 「取材で色々な人に会える、自分の視点で物がつくれる、そしてそれを人に伝えることができるということですかね」
本間 「編集以外でその3つが出来る事ってなんだと思う?テレビとか、広告なんかもそうだけど高倍率の業界だよね。あとはウェブとかあるけど、自分でファッションサイトを作ろうとか思った事ない?」
山田 「ありますけど、人に何か教えてもらってその上で作りたいので・・・」
本間 「あのさぁ、デザインの専門学校行ってみたら? 紹介者というカードは魅力的なんだけど、経験を積んだからといってファッション誌に行ける気がしないんだよね。 それに、さっきコミュニケーション能力がないっていってたけどそうではなく、内に秘めた気合が伝えられないのではないのかな」
山田 「そうですか・・・」
本間 「面接官ていうのはプライドをずたずたにするのが仕事なんだよ。それが役割だから気にしないでみて」
山田 「はい」
本間 「そろそろ決心を決めようか。いま山田さんには3つの道がある。
 (1)紹介者カードを使ってファッション誌の経験を積む。
 (2)次に親に納得してもらうため正社員への道を模索し、そのなかでさっきの魅力の3つのうちの一つができればいい。
 (3)そしてデザインの専門学校に行く。
あとは提案なんだけど、出版社にライティングサンプルを持っていって見てもらおう。それで駄目なら紹介者カードを使って、それでも断られるかもしれないから、そしたらどっかに就職しよう。とにかく、時間決めなきゃ。例えば、年末までと」
山田 「はい。わかりました!」

それから二人は世間話をしたが、山田さんはコーチングをはじめた時よりも明るい顔になっていた。どうやら彼女の中で何かが変わったようだ。そんな今回の処方箋は・・・
処方箋 ・何をどこまでやるか時間を決める
・面接官の厳しい態度は仕事と思って割り切る。こちらも役割に徹しよう。
感想 自分が避けてきた事をつきつけられた気がします。何かを始めようという気が起こりました。自信を取り戻したというよりは自分が見えた気がしました。
コーチからの一言 コーチングはその人の心の奥の方にあるものを自然に引き出してあげる事が本質なんです。普段は、断定的にこうすべきだというやり方ではやってません。 本人の意志を尊重するのです。ただ、今回に関しては、山田さんは「何かを作る人だ」ということがとても強く感じられました。
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