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第3回 ダメ社には不思議な共通点がある

 今まで想像を絶するような数々のダメ社体験をしてきたワタシだが、振り返ってみるとそれらのダメ社には、不思議な共通点があることに気がついた。

その1. 社員のテンションが高い
その2. 社長の愛想が気持ち悪いぐらいに良い
その3. 壁にヘンテコなマークや標語が飾ってある
その4. 比較的ラクな仕事の割に、給料や賞与が良い
その5. とっても簡単な事をものスゴーク難解にして、コトをややこしくする。
      (※これって、おバカな証拠だとワタシは思うのだが…)
その6. 同族会社である
      (この同族には、いろいろな意味があって、ひとくちで表現するのはムズカシイ。あらゆる意味でのファミリーと理解してもらいたいのだ)
その7. 給料や賞与を現金でくれる。
      (これにはホントニ困った!水商売じゃないんだからサ〜。ってなもんである)
その8. 福利厚生は、毎月の食事会だけ! 
      (何をカン違いしているのか、福利厚生なんてゆーと、社長が一番張り切って自分の行きたい店に社員を連れて行き、カードで支払う)

 などなど、これだけじゃすまないぐらい共通点があるが、この中の3つぐらいに思い当たったら、そこはたぶんダメ会社だと思って間違いない!!


社長の右手人差し指には、第一関節から先がない!

 人形町のこの会社もワタシはハローワークの紹介で面接に行き入社し、2カ月で辞めた。
 だって、だって、そこの社長、右手の人差し指が第一関節からなくて、A新聞に強制執行妨害で懲役○年執行猶予2年な〜んて出ちゃったんだワ、名前がネ。

 これにはさすがのRebornけい子も、のけぞった。
 その時、食事しながら目にした新聞にだ、自分の会社の社長の名前が出、しかも、刑の確定!ときたら、アナタならどうする?  のけぞるか、食べてたモノをノドにつまらせ悶絶するかのどっちかでしょ。

 この会社が、ワタシのダメ社経験の2社目ぐらいだったであろうか。この直前のダメ社のあまりのハイレベルさに慣れていたせいか、 比較的ショックは軽かった。このワタシにしてみれば、“な〜んだ、またやっちゃったのネ、ハローワークでさ、ルンルン”ってなもんである。

 ここでさすがのワタシも、黙ってはいられず、紹介してくれちゃったハローワークに行き、「おたくが紹介してくれた○テックっていう会社の社長、 こんなことして懲役までもらっちゃって…、知ってた?」とやさしくほほえんで係の女性に聞いたら、 “私どもには求人側を調査する権利はありません。求職者の方たちに一日でも早く職に就いていただき、心安らかな日々を送ってもらいたく、 ご紹介したまでです〜”だとのたまってくれちゃったのである。

 「懲役刑をもらっちゃった代表取締役の会社に就職して、何が心安らかに過ごせるかってんだ、このタコ!」と声高にアピールしたら、 そこのハローワークの所長が出てきて、「お客様、どーぞこちらへ」と言いながら、顔を引きつらせ、 何やらまわりの職員にワタシの方を見ながらヒソヒソしてるじゃないの!

 なんだかんだで個室(高そーなソファに座らされ、役所にしちゃマシな煎茶と和菓子を出し(←ワタシはしっかり、このお茶と和菓子を平らげた) に通され、所長は両手をついて、ワタシに平謝りなのだ。

 この時にワタシ、思ったネ。これじゃあ、まるでワタシがイチャモンつけにきたチンピラみたいじゃないのよ!!と。
 クレームをつける方を悪者にするというのは、日本ではよくあることだ。

 日本人とゆーのは、何かにつけ、コトなかれ主義なので、コトが起きるとみっともないぐらいにうろたえてしまうのだ。

 クレームぐらいでうろたえるな!ハローワーク。すべてがお役所仕事で、ボ〜ンヤリしていても、給与・賞与は出るから、 クレームには彼らはどう対処してよいかわからず、ど〜しようボクちゃん〜……になってしまうのだろう。

 ケッ! なにがハローワークだ〜。


人形町、甘酒横丁裏のこわーい会社は、まだあるぞ

 ま、それにしても、その人形町の会社がまだ存在していることに、ワタシはオドロキをかくせないゾ。だって、そーじゃん!
 刑事事件で刑が確定している70歳(今)のオヤジがだ、堂々と代表取締役をしているこの世の中の方がヘン!!だと思わない?

 しかもそのオヤジ、「ボクはね、女優のH・Rと仲が良いんだヨ。そのうち電話がかかってくるから、ヨロシク」だと。
 後日談によると、このハナシは本当だったと、ワタシよりあとに辞めた女性が言っていたっけ。やっぱし、H・Rは変わった女性だ。 ヘンな人にはヘンな人がついてまわるのだ。

 ところで、この体験談を読んでくれている美男美女のみなさ〜ん、ワタシのこの過激すぎるダメ社体験を読んでいて、 「まっさか、こんな会社あるワケないじゃん!!」な〜んて思う人は甘い。大甘ちゃんである。現に体験したこのワタシだって、 「ウッソー。これって現実?あー、夢であって欲しい〜」と、何度思ったか数えられない。

 しかも、ダメ社のレベルも多種多様。松竹梅があって、どれも甲乙つけがたい。
 なぜかとんでもなくハイレベルなダメ社が懐かしく思えてしまうワタシって、ヘンな女かしらん。

 それにしても、ワタシが体験したハイレベルなダメ社のうち、3社は現に法人としていまだ存在しているというのだから、大したもんである。
 てゆーか、第2、第3のRebornけい子が出現してしまう可能性だってあり、なのだ。

 でもそれって、あまり喜ばしいコトではないよネ、悲劇のヒロインは、やっぱし一人でたくさんなのだ。
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