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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2003年11月24日発行 ━

●━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』 第64号  ━━━━━━━━●

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 今年の初め、「未来総理」たちに、2003年の公約を書いてもらいました。
そのとき、「1年後にその公約を振り返ってもらう」ということも伝えてあ
ります。当時はマニフェストなんていう言葉は、まったく知られていません
でしたが、これはある種、マニフェスト的な考え方だったのだなあと今になっ
て思います。政治家にとって必要なのは、自分の言葉に責任を持つこと。さ
て、「未来総理」たちは、どれだけ自分の公約が守れたのでしょうか。今回
から、各議員に、それぞれの公約についてどこまで実行できたかを自己検証
してもらいます。

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  目次
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 ◎当選の報告(近藤昭一議員)
 ◎今年の公約を振り返って(近藤昭一議員・福島瑞穂議員)
 ◎編集後記
 ◎次号予告
 ◎未来総理メンバーの紹介

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 ■10万票を超える得票をいただきました
      近藤昭一(こんどうしょういち・衆議院議員・民主党・愛知)
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 三期目の当選を果たさせていただいた翌朝、前回の選挙後同様に月曜恒例
の街頭演説に立った。回数にして延べ780回目である。

 この10年と5ヶ月の間、ずっと続けてきた活動であるが、当選の翌朝は、や
はり特別の思いがする。

 いただいた票数は105,017票、前回の95,533票でさえ、驚異の大量得票とい
われ、次回これを超えるのは難しいと言われた。

 それを、弟の急逝による動揺のため、選挙準備体制の遅れる中、上回った
のは、それだけ多くの皆さんの中にある現在の政治に対する不安と不満のた
めだったと思う。

 資源のない日本の国のこれほどの経済成長を支えてきたのは、ひとえに国
民一人一人の努力と工夫の賜であったと思う。

 ところが、その主役である真面目に頑張る人々がきちんと国の行う政治と
行政のサービスを受けられないでいる。「年金」、「医療保険」しかり、海
外に対する血税による支援も、必ずしも国民の安心と安全のためになってい
ない。

 一年間に3万人以上の方が自ら生命を絶つというのは、どう考えても尋常で
はない。

 そんな国民の皆さんの不安の叫びが、「政治を変えてほしい、政権を代え
たい」という声になったと思う。

 残念ながら、民主党は比例の得票数では、第一党になったが、獲得した議
席数では、与党には及ばず政権交代に至らなかった。

 しかしながら、政権交代可能な二大政党制に一歩も二歩も近づいたのであ
り、その後の自民党と保守新党の急遽の合併を見てみれば、政界に与えた緊
張感は計りしれないと思う。いただいたご支援に心から感謝するとともに、
その票の裏にある国民の皆さんの声にきちんと耳を傾けて、しっかりと三期
目の活動に取り組んでいきたい。

 「皆さんからお預かりした税金は皆さんのためにきちんと使う!」である。


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 ■いまの政治に必要なこと
      近藤昭一(こんどうしょういち・衆議院議員・民主党・愛知)
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【近藤議員の今年の公約】

 私の夢は、アジア−ユーラシア大陸鉄道の実現です。日本と朝鮮半島をト
ンネルで結び、38度線で分断されている南北京義線をつなぎ、そして、中国、
ロシアを通ってヨーロッパへと結ぶ鉄道を実現するということです。

 1990年に世界全体の16%だった北東アジアのGDPは2010年には27%に拡大す
るだろうといわれています。

 ご承知の通り、世界的な経済にかげりが見える中、東アジアの経済はしぶ
とく成長を見せており、そのため北米やEUも地域の結束を強め、防衛・進展
に努めています。

 もちろん、こうした方法は地域主義という弊害もあると思いますが、地域
としての規模を利用する一方、地域間の交流もきちんと進めていけばよいは
ずですし、この成長するアジアを大切にしないのもおかしな話だと思います。

 その意味で、日本の経済再活性化のためには、この地域の平和と安定のた
めに日本は努力することが重要だと思います。

 ただ、そのためには、私自身はアジア諸国に対する日本の戦後清算をきち
んとすべきだと思います。もちろん、何回も謝罪する必要はないとおっしゃ
る方も多いでしょう。しかしながら、そうであるならば、なぜアジアとの関
係がかくもギクシャクするのでしょう。いまだに「あの戦争はアジアの諸国
にとってもよかった」という人までいるのはなぜでしょう。

 昨年は、日中国交正常化30周年ということもあり、何回も中国を訪れまし
た。残念ながら、野党としての草の根外交で不十分のところもありますが、
それなりの成果を得たと思っています。

 そして、今年は、韓国との交流に力を入れたいと思っています。かつて日
本が植民地支配を行い、南北に分断された朝鮮半島は言葉に出来ない厳しい
時代を歩んできました。その韓国で金大中大統領の「太陽政策」を継承する
盧武鉉候補が次期大統領に当選しました。

 私は、今こそ、日本が朝鮮半島の平和と安定に寄与し、この地域の発展に
つくすべきと考えます。

 未来に向けたアジア国々との関係を打ち立てること、そのために今年は、
韓国との真の交流を進めたいと思います。真の交流とはきちんと過去を清算
した歴史認識に基づく交流です。

 これが出来て初めて、海底トンネルを掘ることも、南北の鉄道もつなぐこ
とも出来ると思っています。


【公約を振り返って】

 私のめざすところは、日本が今後もきちんと安定と発展の中にいるという
ことです。そのために、最も重要だと考えるのが、アジア諸国との相互理解
であり、その具体的な計画として、日本とアジア、ユーラシア大陸を結ぶ鉄
道の実現をあげました。

 もちろん、この計画には、まだまだ時間がかかるのですが、残念ながら、
その前提となるアジア諸国との相互理解が今だ充分に進んでいません。それ
どころか、ここ数年は後退さえしています。

 私自身の活動としては、アジアとの相互理解推進のため、選挙の直前では
ありましたが、今年も「第3回北東アジア・子ども自然体験交流事業」を9月
に実施し、18人のモンゴル・中国・韓国・在日朝鮮の子どもたちを日本に招
き野外活動交流を行いました。言葉が通じなくともお互いを理解し、交流を
深める子どもたちの姿は感動的です。

 また、ここ2年ほど行っている中国・西安市郊外の彬県における植樹も、
SARS問題のため2回行く予定のところ1回になってしまいましたが実施をしま
した。この活動を通じて、私たちの仲間が、要請のあった小学校校舎の建設
を寄付で実行できたことも最近の大きな成果です。

 また、韓国については2回の訪問を実行し、いずれの際にも盧武鉉大統領に
お目にかかり、アジアの安定と発展について意見交換をさせていただきまし
た。また、3月には韓国の与野党国会議員20名を日本に招き、朝鮮民主主義人
民共和国の核開発問題を中心にアジアの平和と発展をテーマにシンポジウム
を開きました。野党に所属する議員として、かなりの成果のある活動を実行
できたと思っています。

 しかしながら、現小泉政権の靖国神社問題がネックになり中国との首脳に
よる相互訪問が実施されておらず、日中首脳外交が進んでいません。

 さらに、朝鮮民主主義人民共和国との関係も、平壌宣言にかかわる内閣の
不一致により、進展がみられないでいます。

 これらが、日本がアジア地域でリーダーシップを発揮していくのに、阻害
要因となっており、結局アジアの安定と発展が進んでいません。

 今、必要なのは、自主的かつ平和的な外交をアジアの中で日本がきちんと
行うことであり、私は引き続きそのための活動をしてまいります。


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 ■5つの公約を振り返って
        福島瑞穂(ふくしまみずほ・参議院議員・社民党・比例)
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【福島議員の今年の公約】

 まず、第1に、なんといっても戦争を回避することである。アメリカのイ
ラク攻撃の戦争計画は、報道されているところによると、「驚きと恐怖」作
戦であり、湾岸戦争で使ったミサイルの数と同じ数のミサイルを初日に使う。
それによって戦意を喪失させる。「バクダッドに安全な場所はなくなるだろ
う」と言われている。ヒロシマ効果という人もいる。これは無差別殺人その
ものである。

 査察を継続し、平和的解決をめざすべくがんばりたい。北朝鮮の核の問題、
拉致の問題などについても日朝交渉をすすめ、韓国の太陽政策に学びつつ多
国間における枠組みで、北東アジアにおける安全保障の実現、緊張緩和をめ
ざしたい。

 国会には、有事立法3法案が継続している。戦争協力法であり、仮想敵国
をつくる有事立法は、日本国民にとっても北東アジアの緊張緩和にとっても
有害である。有事立法を成立させないために、全力を尽くしたい。

 第2に、雇用の拡大、再就職支援、雇用の確保に力を尽くしたい。起業支
援、地方分権型雇用創出について、成果をだしたい。今国会で、解雇のルー
ルの法制化の法律が出る予定である。雇用継続保障法案をだす予定である。

 公務員制度関連法案が、国会に提出されるといわれている。ILOから、
勧告がでているが、公務員に労働基本権は必要である。ずっと取り組んでき
た刑務所のなかの人権問題について、今、刑務所のなかでの拷問死が問題に
なっている。刑務所で働く刑務官の人たちには、労働基本権は認められてい
ない。ILOは、刑務官に団結権を与えるように、日本政府に勧告している。

 団結権が認められていないために、刑務官の人たちは、上命下服で、職場
の問題を問題にしにくい状況にある。刑務所のなかの拷問死をなくすために
は、刑務官にも人権を、団結権をと声を大にして言いたい。

 第3に、政・官・業の癒着にメスをいれることである。ODA基本法、公
共事業透明化法をつくる。いま、4野党で、公共事業を受注する企業から政
治献金を受けることを1年間禁止するという法案を国会に提出しているが、
この法案の成立をめざしたい。

 第4に、立法でがんばるということである。選択的夫婦別姓の導入も含め
た民法改正案、ドメスティック・バイオレンス防止法の見直し法案、児童虐
待防止法の見直し法案、内部告発者保護法案、人種差別禁止法案、障害者差
別禁止法案、水基本法案、難民認定法の見直し法案などの立法でとにかくが
んばります。

 第5に、最近ナチス・ドイツ下における言論や状況について、よく本を読
んでいる。生き延びるためには、ユーモア、確信、支えあう人とのネットワー
クと愛情、未来への希望、芸術などの魂を支えてくれるものの存在、根性、
機転、生き延びる意思といったものがキーワードか。

 今年は、これらを大事にしつつ特に、ユーモアを大事にしたい。そして、
できるだけ多様な人たちとの豊かなネットワークをどんどん作っていきたい。

【公約を振り返って】

●公約第1について

 残念ながらイラクへの武力攻撃はなされてしまいました。今は、イラクへ
自衛隊を派兵しないようにがんばりたい。

●公約第2について

 緑による雇用創出、自然エネルギーによる雇用の創出などに力を尽くして
きました。また、政府の緊急地域雇用創出特別交付金事業が、正社員を作る
ことに貢献していないことなどを採り上げてきました。

 今、非正規労働の問題などにも取り組んでいます。ひどい公務員制度関連
法案が、国会に提出されることをいろんな人と一緒に阻止することができま
した。

 ただし、地方分権型雇用創出については、十分成果が出たとはいえません。
予算をもっとつけるなり、国会のなかで採り上げ、取り組みます。

●公約第3について

 ODA基本法、公共事業透明化法は成立していません。政・官・業の癒着を断
ち切る政治資金規制法改正案などを国会に提出しましたが、廃案となりまし
た。

 これは、なんといってもPR不足で、国会の数の力に負けたということでしょ
うか。もう一度頑張ります。

●公約第4について

 民法改正案については、衆議院の法務委員会で、参考人をよんでの質疑が
ありましたが、廃案になりました。ドメスティックバイオレンス防止法の見
直し法案については、今、精力的に作っています。来年の通常国会に提出す
る予定です。

 障害者差別禁止法案などは、現在、法制局と当事者と作っているところで
す。内部告発者保護法案は、野党案が1本化したので、これまた来年の通常
国会に提出する予定です。

●公約第5について

 いろいろ映画を見たりしました。今は、とにかく笑顔で幸せに生きること
を心がけています。


★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  編集後記              弘中百合子(ロゼッタストーン)
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 野党議員の場合、なかなか自分の政策を実現するのは難しいと思いますが、
近藤議員も、福島議員も、それぞれに頑張っているようです。

 先週、ロゼッタストーン本誌の取材で議員会館に行きましたが、新たに当
選した人たちのお引越しも終わっているようでした。若手議員には「未来総
理」への参加を呼びかけてみるつもりです。

 今回の選挙の投票率が低かったことに対して、読者の方から「選択肢が少
ないからではないか」という意見が寄せられました。政治家(あるいは政党)
が、自分たちの声をきちんと代弁してくれると思えなかったというのです。

 「未来総理」たちには、有権者が「なにがなんでもこの人を当選させたい」
と思うような政治家に成長していってほしいですね。

 ご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。

 ※掲載を希望されない方、実名をご紹介してもかまわない方は、ひとこ
   とお書き添えいただけると助かります。また、ご意見を紹介してもよ
   い場合は、年齢、職業なども書いておいていただくと、参考になりま
   す。ご協力、よろしくお願いいたします。


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  次号予告
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  次週は、上田 勇議員(公明党)、達増拓也議員(民主党)、
  野田佳彦議員(民主党)、小池 晃(共産党)が
  登場する予定です。

  ※登場する議員は、変更する場合もあります。ご了承ください。

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  未来総理メンバーの紹介
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 「未来総理」メンバーは、現在16名です。(敬称略)

 ◇衆議院
  石破 茂(自民党・鳥取)     上田 勇(公明党・神奈川)
  大村秀章(自民党・愛知)    近藤昭一(民主党・愛知)
  鈴木康友(民主党・静岡)    達増拓也(民主党・岩手)
  樽床伸二(民主党・大阪)    野田佳彦(民主党・千葉)
  細野豪志(民主党・静岡)    丸谷佳織(公明党・比例北海道)
  山井和則(民主党・京都)

 ◇参議院
  荒木清寛(公明党・比例)    有村治子(自民党・比例)
  小池 晃(共産党・比例)    福島瑞穂(社民党・比例)
  宮本岳志(共産党・大阪)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のホームページにもリンクしています。


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〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人・編集人:弘中百合子
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