ロゼッタストーン コミュニケーションをテーマにした総合出版社 サイトマップ ロゼッタストーンとは
HOME > 未来総理 > バックナンバー > 第127号
バックナンバー
←次の号を読む 前の号を読む→

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2005年3月14日発行  ━

●━━ 若手国会議員メルマガ 『未来総理』 第127号  ━━━━━━●

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 最近は昼間外を歩いていて、暖かいなと感じる日が増えてきた気がしま
す。桜の開花日予想のニュースも聞くようになり、本格的な春が日々近づ
いてきているんだなと感じます。それと同時に、スギ花粉の飛散量が多い
日も増えてきたようです。幸いなことに私は大丈夫なのですが、花粉症の
方は充分対策をとって乗り切ってください。、
 今回は、公明党の福島豊議員から「臓器移植法の改正に向けて」につい
て、公明党の荒木清寛議員からは「憲法改正問題」について、自民党の有
村治子議員からは、力の入った連載・台湾シリーズの最終回原稿が届きま
した。

  ┏━━[ PR:★季刊ロゼッタストーン第20号 好評発売中! ]━┓

      ●大特集「人間関係があなたを創る」

   ミスター円・榊原英資氏や、評論家・中島梓氏、表現インストラ
   クター・山田ズーニー氏らが、日本の「人間関係」の問題点や
   希望を語っています。未来総理の西村康稔議員(自民党)、
   鈴木康友議員(民主党)、松下新平議員(無所属)にも「政治と
   人間関係」についてインタビュー。

      ※詳しくはこちら ⇒ 第20号のみどころ

  ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  目次
────────────────────────────────☆★
■「臓器移植法の改正に向けて」
        福島豊(衆議院議員・公明党・大阪)

■「憲法調査会で意見を陳述する」
      荒木清寛(参議院議員・公明党・比例)

■「台湾との『実務外交』
     ――日本のことを大事に想ってくれる隣人を、心して大事にしたい」
    ●連載その(5) 台湾海峡の「波風を安定に」変えるもの
            有村治子(参議院議員・自民党・比例)

◎編集後記
◎次号予告
◎未来総理メンバーの紹介

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ 「臓器移植法の改正に向けて」
              福島豊(ふくしまゆたか・衆議院議員・公明党・大阪)
──────────────────────────────────
  平成9年に我が国では臓器移植法が施行された。この法律は内閣が提出
する法律ではなく、国会議員が提出する議員立法という形で成立したが、
国会議員になって初めて私が議員立法に係わった思い出深い法律である。

 平成8年の通常国会で提出された臓器移植法案は衆議院解散のため廃案
となり、総選挙後の第139回臨時会で再提出、翌年の第140回通常国会で長
時間に及ぶ議論の末、原案を修正するという形で成立した。当時、新進党
に所属していた私は、賛成してもらうために党所属議員を一人一人訪れて
説明に回った。党議拘束をしないという前提で法案が提出されたため、可
決されるかどうか一人一人の議員の判断が問われたからである。 

 この法案は中山太郎先生を中心とする生命倫理議員連盟が長い時間をか
けて準備をしたもので、平成5年に初当選した私はその最後の過程である
国会での審議に幸運なことに携わらせていただいたのだが、議員経験があ
まりなかったので、国会で大臣のように答弁する時には大変緊張した。

 臓器移植法案は、脳死ははたして人の死と言えるのかどうか、といった
生命倫理や価値観の問題と深く関わっているためその議論は難しく、また、
いくら説明をしても価値観の異なる方々には理解をしてもらうことがどう
してもできず、このような問題を取り扱うことの難しさを実感した。

 今また私は臓器移植法改正という作業に自民党の河野太郎先生をはじめ
とする方々と取り組んでいる。臓器移植法が施行されてから8年目を迎え
たが、脳死下での臓器移植はわずかに35例に留まっている。また本人の意
思の確認ができないということから15歳未満の場合は臓器提供の対象とは
なりえず小児の臓器移植を必要とする患者の方々は今でも海外での移植を
余儀なくされ、多額の費用を捻出するため、ご苦労は並大抵のものではな
い。

 現在、臓器移植を受けるために待機している患者さんの数は、心臓で83
名、肺で105名、肝臓で86名、膵臓で117名、腎臓では12,279名にのぼる。
臓器移植法には5年後の見直し規定が置かれたが、それも過ぎてしまった。

 3月4日から自民党と公明党の有志による臓器移植検討会が開始された。
現行の臓器移植法を改正し、小児の臓器移植に道を開き日本における臓器
移植医療を拡大することが目標である。

 様々な意見がある。臓器移植法の制定の時にも様々な意見があった。し
かしながらそうした意見の違いを乗り越え、移植を待ち望む多くの患者の
方々を救う道を開くことができるように最善の努力をつくさなければなら
ないと考えている。

◆福島豊ホームページ http://homepage3.nifty.com/fukushima-yutaka/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■「憲法調査会で意見を陳述する」
          荒木清寛(あらき きよひろ・参議院議員・公明党・比例)
──────────────────────────────────
 参院憲法調査会では、4月中の最終報告をめざして現在、「締めくくり
自由討議」が行われています。私は、3月2日の討議において、憲法改正
問題の最大の争点である9条について、大要以下のとおり意見を陳述しま
した。

 自衛隊の存在は、過半の国民がこれを容認しているものの、憲法学界で
は、自衛隊は憲法違反であるというのが通説です。9条に関して政府がこ
れまで積み重ねてきた見解は、国の安保・防衛政策から乖離した憲法の理
念を解釈で取り繕うという手法であったことを、否定できません。

 大沼保昭・東大教授は、「余りにも無理な政府の憲法解釈が重なって、
国家の根本法に対する国民のシニシズム(物事を皮肉にみる立場)を生じ
せしめている、そういう危険領域に今日憲法は入っている」と述べていま
すが、その通りだと思います。

 一方で、9条が大きな歴史的役割を果たしてきたことは評価すべきだと
考えます。平和主義のメッセージは、軍国主義が復活するのではないかと
のアジア諸国の日本に対する懸念を払拭しましたし、わが国は防衛費の増
額を抑え経済的繁栄を果たしました。

 したがって私は、9条1項の戦争放棄、2項の戦力不保持の規定を堅持
するという姿勢に立った上で、自衛隊の存在を明記し、国際貢献のあり方
についての根拠規定を加えるべきだと考えます。いわゆる「加憲」です。

 問題は集団的自衛権の扱いです。これを認めることが日米安保体制の質
を高めることになるとの議論には、一定の説得力があります。しかしわが
国の領域内で起きたことであれば、個別的自衛権を根拠として対応できる
のではないでしょうか。また、諸国は第2次大戦後「集団的自衛権」の名
の下にその国際的合法性・正当性が疑わしい種々の行為に従事してきた歴
史的事実を、十分に考慮する必要があると思われます。

 さらに、侵略や人道法の大規模な侵害を阻止・鎮圧する国連の軍事行動
には、武力を伴うものであってもできるだけわが国は参加すべきであると
の主張もあります。

 しかし、集団安全保障の体制が、国際社会で普遍的なものとなっている
わけではありません。国連憲章42条等に基づく軍事的措置、いわゆる国連
軍はいまだ設けられたことはなく、これらの制度はいまや有名無実になっ
たとまでいわれています。この点は、慎重であるべきではないでしょうか。

 今後も精力的に議論してまいります。

 ◆荒木清寛ホームページ http://www.k-araki.net/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■「台湾との『実務外交』
     ――日本のことを大事に想ってくれる隣人を、心して大事にしたい」
    ●連載その(5) 台湾海峡の「波風を安定に」変えるもの
        有村治子(ありむらはるこ・参議院議員・自民党・比例)
──────────────────────────────────
 みなさま毎週毎度「辛抱強く(!?)」読み進めてくださって、本当にあり
がとうございます、ありむらです。「なぜ今、台湾なのか」…日本が受け
る影響の大きさから中台関係の悪化を案じつつ、台湾シリーズ最後となる
連載第5話の原稿を書きますね。

 日本の貿易相手先としての台湾は、アメリカ・中国・韓国についで第4
位の実績があり、一昨年SARSの影響はあったものの、日台間では年間百万
人近い人々が互いの往来を続けています。

 また今年10月には、日本の新幹線技術を導入し、「のぞみ」の車両をベ
ースにした台湾高速鉄道が開通する予定です。「新幹線の初輸出」となる
この台湾プロジェクトは、圧倒的な価格競争力で猛勢をかけた欧州勢を、
日本の技術と人脈で巻き返し、数々の難題を乗り越えてついに受注した、
日本の鉄道業界の悲願でもあります。日台関係は今後ますます、物理的に
も、心理的にも活発になっていくことでしょう。

 しかし問題は、中台関係です。昨日(平成17年3月8日)、中国では「反
国家分裂法案」が国会に提出されました。台湾独立派を強く牽制し、その
機運が高まったときには、台湾への武力行使も辞さないことを明文化する
法案が、来週初めにも採決されようとしています。

 武力も辞さない「祖国統一」の中国の思いは、台湾の大多数からみれば
「武力侵攻・併合」の脅威です。中台間の「敵対状態を終結」するように
努めるという案文とは裏腹に、この法制化が、台湾海峡に大型の波風を立
てる契機になりはしないかと、中台関係の更なる悪化を案じています。

 最近、日本を含めたアジア各国が、領土や主権・海洋権益などをめぐっ
て、それぞれの主張を、活発に展開しています。やみくもに相手をあおる
のではなく、かつ自らの毅然とした態度を明確に示しておくという外交バ
ランスは、独立国として、避けては通れないテーマです。

 当然のことながら、中台関係のあり方は、最終的に両者が主体的に決め
ることですが、日本の生命線となる台湾海峡への関心を高め、その緊張を
牽制することは、日本をはじめアジアの安定に欠かせない要素だと私は考
えます。中東からの原油など、日本のエネルギー源輸送ルートである台湾
海峡の安定は、中国が主張するような「国内・内政問題」という認識にと
どまらず、私たちの生活にも直結する「れっきとした国際課題」です。台
湾への世論の関心を高めることが、日本の安全保障を考える上でも大切な
アプローチだと強く感じています。

 以上、5回にわたり台湾との実務外交をテーマとして、日台関係・中台
関係に思いをめぐらせました。一見、あまりなじみのない台湾問題を敢え
て取り上げ、私なりに心して持論をご報告させていただきましたが、何人
かの読者の方から反応が寄せられたことにとても勇気付けられました。考
察はまだまだ改善の余地があるので、今後少しずつでも外交・政治的な洞
察を深めていけるよう、努めていきたいと思います。

「台湾シリーズ」をともに読み進めてくださった皆さまに感謝を申し上げ、
連載完了とさせていただきます。

 ★有村治子ホームページ  http://www.arimura.tv/

┏━━[ PR:★ロゼッタストーン新刊書籍のお知らせ★ ]━━━━┓

      ●『嫌われ者のすすめ』(加藤昌史著)

    人気劇団キャラメルボックスプロデューサーの痛快
    エッセイ。病院・少子化・税金・交通戦争・開かずの
    踏切・子育て・レーシック手術etc.……。辣腕演劇プロ
    デューサーが思いついた、過激な世の中改革案!

     詳しくはこちら ⇒ 嫌われ者のすすめ

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 編集後記                吉永歩 (ロゼッタストーン)
────────────────────────────────☆★
 読者の皆さんのなかに、ドナーカード(臓器提供意思表示カード)を持っ
ていらっしゃる方は、どのくらいいるのでしょうか。ここ数年さまざまなメ
ディアに登場するようになり、名前は知っているという方は増えたように思
いますが、実際に持ち、携帯している人となると、まだまだ少ないように思
います。かくいう私も、持ってはいるのですが携帯はしていませんでした。
現在は病院や役所だけでなく、郵便局や運転免許試験所、一部のコンビニエ
ンスストアにも置いてありますから、一度手にとって見てみてください。
 
 憲法改正問題については、議員の皆様だけでなく、一般の方もいろいろな
意見をもっていらっしゃると思います。全く変えないというスタンスから、
ある程度はしょうがない、現存のものを変えるのではなく新たに加える…、
なかなか意見を一つにまとめるのは難しいと思いますが、これからの日本を
形作る重要な問題ですから、議員の方には納得のいく結果になるように頑張
って欲しいものです。もちろん、読者の皆様の意見は議員の方達に送ってい
ますので、どしどし声をお寄せください。

※小林温議員(衆議院・自民党)が、多忙のため原稿執筆が難しいとのこ
  とで、退会されることになりました。ご報告いたします。

「未来総理」へのご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。 


 ※掲載を希望されない方、実名をご紹介してもかまわない方は、ひとこと
    お書き添えいただけると助かります。また、ご意見を紹介してもよい場
    合は、年齢、職業なども書いておいていただくと、参考になります。
    ご協力、よろしくお願いいたします。

★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 次号予告
────────────────────────────────☆★
 次回の配信は、3月21日です。

 吉良州司議員(民主党)  近藤洋介議員(民主党) 
 松下新平議員(無所属)  藤末 健三議員(民主党)

 が登場する予定です。

 ※登場する議員は、変更する場合もあります。ご了承ください。

◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 未来総理メンバーの紹介
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
 「未来総理」には、超党派の28名が参加しています。   (敬称略)

◇衆議院
  石破 茂(自民党・鳥取)    上田 勇(公明党・神奈川)
  大村秀章(自民党・愛知)    吉良州司(民主党・大分)
  楠田大蔵(民主党・比例九州) 近藤昭一(民主党・愛知)
  近藤洋介(民主党・比例東北)  鈴木康友(民主党・比例東海)
  達増拓也(民主党・岩手)     樽井良和(民主党・比例近畿)
  樽床伸二(民主党・大阪)    手塚仁雄(民主党・東京)
   中塚一宏(民主党・神奈川)   中根康浩(民主党・比例東海)
  長島昭久(民主党・東京)     西村康稔(自民党・兵庫)
   福島 豊(公明党・大阪)   三日月大造(民主党・滋賀)
   細野豪志(民主党・静岡)   丸谷佳織(公明党・比例北海道)
   山井和則(民主党・京都)

 ◇参議院
  荒木清寛(公明党・比例)    有村治子(自民党・比例)
  小池 晃(共産党・比例)   桜井 充(民主党・宮城)
   福島瑞穂(社民党・比例)   藤末健三(民主党・比例)
  松下新平(無所属・宮崎)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、
ロゼッタストーンWEBページで公開しています。⇒ 未来総理プロフィール
各議員のホームページにもリンクしています。

●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人:弘中百合子 編集人:吉永歩
Copyright(C) ロゼッタストーン   許可無く転載することを禁じます
●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━●
━━━━━━━ 若手国会議員メルマガ『未来総理』(毎週月曜配信) ━
←次の号を読む 前の号を読む→
未来総理配信登録
上に戻る▲
Copyright(c) ROSETTASTONE.All Rights Reserved.