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2002年9月19日発行(毎週木曜日配信)
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          女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』第44号

  ***   ***  国会閉会中、武山議員は地元をまわり、福島議員は
 *****v*****  南アフリカ共和国やモザンビークへ、井上議員は中国を
  *********  訪れたそうです。そこで何を発見し、どんなことを感じた
   *******  のか。早速、レポートが届きました。
     ***  また小宮山議員は、民主党代表選についての意見を寄せて
      *  くれました。今回も読みごたえ、たっぷりです。
     また、感想を聞かせてください。

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  目次
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■ 「最近の政治で思うこと」
   武山百合子(衆議院議員・自由党・北関東)

■ 「民主党の代表選挙について」
   小宮山洋子(参議院議員・民主党・比例)

■ 「日本のODAの質を転換していかなければ」
   福島瑞穂(参議院議員・社民党・比例)

■ 「世紀の約束 ―日中女性の友好と連帯をさらに深めて―」
   井上美代(参議院議員・日本共産党・東京)

■ 編集後記

■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

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 「最近の政治で思うこと」
             武山百合子(衆議院議員・自由党・北関東)
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 閉会中、やっと時間ができたので地元をまわっております。その中で

   ・ 治水の問題
   ・ 治安不安による街灯の設置要求
   ・ 危険性の高いところに信号機がない
   ・ 自転車放置問題
   ・ 電柱が路上にあり、T字路のため、非常に危険であること

 など、挙げればキリがないほど多種多様な声が私に届きます。それぞれの
問題点がどこにあるか突き詰めると、各市町村の行政であったり、県と密接
に関わることであったり、果ては最高裁の給与の件まで人々はしっかりと見
ていることが改めてわかり、暑い夏のさなかでしたが、私も国民のために頑
張らなければと熱くなっております。

 これらの問題をひとつひとつ行政など関係機関に訊ねてまわると、ひとつ
の問題があちこちの課、部署などにまたがり、挙句たらいまわしにされ、最
終的なところに「是非、考えてもらいたい、改善してほしい」と事情を聞き
に行くまでにかなりの時間を要しました。

 市民はそれぞれの立場で、関わりのある行政、あるいは地元の自治会、自
治体などを通して地域をよくしてもらうために働きかけているが、あまりに
も時間がかかったり、一向によくなる気配が感じられない部分も本当に多い
ので、どこにこの苦情を持っていっていいのかわからないで国政の場に意見
として届けた、という状況です。

 それぞれの地域には、町会議員、市議会議員、そして県会議員という市
民・県民の代表がいるにも関わらず、国政の場から意見をもっていくとサッ
と反応があるというのはどういうことなんでしょう?

 町政は町会議員の声に耳を傾け、解決すること、市政は市会議員の意見に
耳を傾け、県会議員は県とのパイプをきちんとつなぐこと。皆それぞれの立
場で民意を代表しているのに、実際は機能していないように感じることが多々
あります。足元をしっかりと見つめ直し、国民の代表であるということを常
に考えて行動すれば、私利私欲に走ることなどできないはずです。

 開会中はあまりにも多忙で地元に帰れない日々が続きましたが、こうして
自分の足で地元をまわり、道路を歩き、電車に乗り、人々の声に耳を傾ける
といろいろなことが見えます。

 これからも、この感覚を大事にしていこう、国会議員、県議、市議、町議
という感覚ではなく「国民の声」の代表なんだという気もちを忘れずにまい
ります。私が永田町をしばし離れて、今思うことです。

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 「民主党の代表選挙について」
               小宮山洋子(参議院議員・民主党・比例)
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 民主党では、現在、代表選挙を、一般の皆さんにもサポーターになって投
票に加わっていただく形ですすめています。

 実は、2年前に、こうした形でする予定だったのですが、鳩山さんが優勢
という中で対立候補が誰も手をあげませんでした。私は、当時、民主党の広
報委員長をしていて、野党の記事はメディアが書いてくれないことが頭痛の
種でしたので、このようなチャンスをいかさない手はないと考え、当選1回
で無謀なことは承知の上で、立候補しようと手をあげましたが、国会議員20
人の推薦人が、あと3人足りず断念しました。ですから、代表選は行なわれ
なかったので、このような一般の方も投票できる形での選挙ははじめてのこ
とになります。

 代表選挙は、9月9日告示で、鳩山由紀夫代表、菅直人幹事長、横路孝弘
前副代表、野田佳彦衆議院議員の4人が立候補しています。はじめは、8人
も手を挙げて、いろいろ言われましたが、若手も自由に手をあげられるのが、
民主党のよい所だと思っています。

 私は、新しい強いリーダーを作りたいということで、前原誠司さんを推し
ていましたが、若手の一本化で野田さんに敗れてしまいましたので、今は約
束どおり、野田さんの選対で政策作りなどを一緒にしています。

 若手の一本化についても、いろいろご批判がありましたが、参加すること
に意義があるのではなく、勝たなくては意味がありません。やり方が不透明
という声もありましたが、私たちは、なるべく透明なわかりやすい方法をとっ
たつもりです。

 推薦人の数を50%、テレビや新聞での討論・対論をご覧になった方への
世論調査を50%という判断基準で一本化しました。予備選挙をしてはいけ
ないという規定になっているので、数字の発表は避けたため不透明といわれ
たようですが、このような方式で一本化したことは、可能なかぎりという限
定の中で、わかりやすかったのではないかと思っています。

 代表選挙は、党員・サポーター、地方議員からの郵便投票を21日に締め
切り、23日の党大会で国会議員と候補者が投票した結果と合わせて、新し
い代表が決まります。党員・サポーターの動向が読めないため、結果は全く
予想できません。野党が強くなり政権交代可能な政党にならないと、現在の
閉塞状況の日本は変えられません。
 是非、注目して、力を貸してください。

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 「日本のODAの質を転換していかなければ」
                福島瑞穂(参議院議員・社民党・比例)
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 8月末から、南アフリカ共和国のヨハネスブルクで開かれた、国際環境サ
ミットに行ってきました。正式名は、「持続可能な開発に関する世界首脳会
議」というものです。

 リオ会議から10年ということで、「リオプラステン」とも言われました
が、逆に、「リオマイナステン」という言葉も言われていました。環境破壊
と悪化は危機的な状況になっており、実施文書などを実効性のあるものにせ
ねばということです。残念ながら、自然エネルギーの目標達成数値を入れる
ことはできませんでした。

 私は今回、モザンビークにも行ってきました。日本のODAをチェックす
るためです。「鈴木宗男議員の偉業を訪ねる旅」というのは冗談ですが。

 日本は、ずっと食糧増殖援助として、農薬などをODA(政府開発援助)
として供与してきました。年間200億円から300億円です。最近まで内戦状態
にあったモザンビークに、15年間115億円供与し続けています。送られた農薬
は、使われずに倉庫などに積まれ、オブソレート化(使いものにならない状
態)しています。野積みになった農薬のドラムカンは、盗まれたり、捨てら
れたりしています。オブソレート化した農薬は、燃やせばダイオキシンが出
ますし、処分が大変です。アフリカではできないとも言われています。

 このことについて、外務省と話し合いを続けてきましたが、アフリカで改
めて日本の援助について、怒りがわいてきました。

 ODAが役に立たないどころか、有害だということです。日本のODAの
額は、82兆円という国家予算のなかで、1兆円です。私は、ODAは必要
だし、大事だと心から思うけれど、ODAの質を転換していかなければ、日
本は「害」を「輸出」するというとんでもないことになるでしょう。

 インドネシアのスマトラ島に住む約3000人の人たちが、日本のODA
で作られるコトパンジャン・ダムについて、日本を提訴する裁判を、つい先
日、東京地方裁判所に提訴しました。日本の政官業の癒着の公共事業のあり
方を、外国へODAとしてもっていく。あるいは、もっと言えば、もう日本
では反対が多くてなかなかできない公共事業のあり方を外国へもっていって
いる、という気がします。

 ODAのあり方をチェックすることがあまりにできていません。ODA基
本法を作り、チェックしていこう、ODAを変えようとしています。

 ところで、モザンビークで女性たちの農業協同組合へ行きました。みんな
遠くの畑地などから集まってくれて、歓迎してくれました。歌って、踊って、
楽しかったです。

 南アでも、かつてアパルトヘイト時代に黒人の活動家を家にかくまい続け
ていた白人の女医さんの豪邸に泊まらせていただいたり、ソウェト(黒人居
住区)に、ホームスティをしました。

 宿題や課題を一杯持って帰ってきました。アフリカから力をもらってきた
旅です。

 ところで、今、アメリカのイラク攻撃をさせないために、やれることをし
ようとしています。アメリカの議員などに、もっと働きかけたい。

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 「世紀の約束 ―日中女性の友好と連帯をさらに深めて―」
              井上美代(参議院議員・日本共産党・東京)
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 9月7〜13日まで中国を訪ねました。前半は中華婦女連合会主催の行事
に参加、後半は瀋陽とハルピンでの日本軍の侵略戦争の足跡をたどりました。

 中国は10年前の党大会で「社会主義市場経済」を方針として決め、今、
「市場経済を通じて社会主義へ」の実践を急いでいるところです。2008
年にはオリンピックが行われるというので街全体の整備も勢いもって進めら
れていました。ホテルの窓から見える一角だけでも10基からのクレーンが
高く並び、高層ビルの建設ラッシュでした。

 街路には、ブドウ・巨峰がリヤカーに満載され、スイカや冬瓜も山をなし
て売られ、食料の豊富さもうかがえました。肥満の人もみかけられ、食料事
情も変わってきていることがわかります。

 小中学校の校門の前では大勢の母たちの姿、下校の子どもを待っているの
だといいます。一人っ子政策の現象の一つといえるのでしょうか。最近は少
子化傾向が高齢化現象にもなっているとききました。

 道端には、「瓦工」「油工」「水暖工」など書いた札を手に立っている人
たちもいました。これは仕事を求めている人たちです。中国には若い人も含
め、失業者も多いのです。

 ところで、日中の国交が正常化したのは1972年、30年前のことです。
今年は記念行事が続いているようですが、女性の30周年の記念集会に、女
性団体、女性研究者や国会議員など招待されたのです。私は、この中日国交
正常化30年記念「世紀の約束―中日女性北京の集い」の日本側呼びかけ人
として諸行事に参加しました。

 行事で印象的だったのは、中華女子学院大講堂で行われた「世紀の約束・
日中女性北京の集い」のあとの記念植樹でした。学院の女子学生が大勢手伝っ
て、校庭に100本の記念樹が植えられました。植樹は21世紀に輝く青年の成
長と重なり、友好と連帯を青年たちに引き継いでいくことを意味し、希望の
ある行事だった思います。

 また、屋外行動として行われた「万里の長城に集う」も印象深いものでし
た。参加者全員が揃いのTシャツと帽子で万里の長城へ。前日の集会後、全
員がサインした100メートルの「大リボン」、一枚布をみんなで持ち、高い
長城をゆっくり登っていきました。

 秋の空はどこまでも青く澄み切っていました。空の色にも負けない鮮やか
なブルーの「大リボン」には、「世界の平和を守ろう 中日両国はこれから
もずっと友好を続けよう」と書かれ、日中女性の友情と連帯を象徴するかの
如く周りの緑の山々に映えて、「世紀の約束」にふさわしく、平和への願い
と人々の歴史を20世紀から21世紀に手渡していくダイナミックな行事に
なりました。

 午後からの人民大会堂での「30周年記念集会」では、両国からの基調報
告がなされ、これまでの活動を教訓にさらに21世紀の友好をあたためてい
こうと誓い合いました。最後に「中日=日中女性友好宣言」を採択。日中の
友好と協力の関係の発展、両国の女性が能力や知恵を発揮して平和・平等の
社会を創ることなどを誓い合いました。

 9日夜の「日中女性友好交流晩餐会」。私は、日本代表団を代表し、「ア
メリカによるイラクへの先制攻撃をやめさせ、核兵器も戦争もない平和な21
世紀をつくるために重要な意義をもっているのが、両国女性の世界との友好・
協力です。アジアと世界の真の平和のために力を合わせましょう」と呼びか
けました。

 後半の中国・東北地方への3日間、日本軍戦跡をめぐる旅では、戦争の生々
しい被害をたどっていきました。「満州事変」の翌年、平頂山で子ども・お
年よりなど住民3000人を虐殺した現場は、「遺骨館」として記録されて
います。遺骨を目の当たりにしながら黙祷をささげていると、涙がこみあげ
てきました。これを侵略といわずして何というのか。さらに9・18柳条湖
事件記念館、張作林、張学良の旧居、731部隊の細菌部隊罪証陳列館、東
北烈士記念館などを見学しました。

 戦争による筆舌に尽くしがたい犠牲を中国の人たちが記録し後世に伝えて
いる一方で、日本政府は侵略戦争への真摯な反省も謝罪も行わず、従軍「慰
安婦」問題や強制連行、強制労働も政府の行為としては認めようとしません。
その上、「アジアへの侵略戦争は正しかった」という立場でつくられた歴史
教科書問題では、この8月愛媛県教育委員会がこの教科書を採択、来春から
県立中高校で使うという問題も出てきています。そして、10月の臨時国会
での成立を狙い、国民に戦争協力義務まで押し付ける有事法制関連法案が審
議されます。

 こうした動きのなかで、日中友好と連帯の「約束」を実現するためには、
日本軍戦跡に見る侵略戦争の傷跡を伝えていくことの大切さを改めて痛感し
ました。戦争のない平和な21世紀を子どもたちに手渡すために、今なすべ
きことは何か、多くの人たちと語り合い行動していきたいと思います。

◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  編集後記              ロゼッタストーン・弘中百合子
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 小泉首相の訪朝を巡って、国民の意見が分かれています。「国交正常化交
渉」を始めたことは、正しかったのか、時期尚早だったのか、そのうちヴィー
ナス議員からも意見が届くと思います。読者のみなさまも、どうぞご意見を
きかせてください。

 福島議員のレポートを読みながら、いまから10年以上前に、知人の官僚が
「ODAの使い方をもっとちゃんとしたい」と将来の目標を語っていたのを思
い出しました。現場のまっとうな感覚の人たちは、いい加減な使われ方に、
ずっと前から疑問を感じていたのではないでしょうか。

 現場の声が上にきちんと届く(or押しつぶされない)システムを、早くつ
くってほしい。業者との癒着がないヴィーナス議員のみなさんに、期待した
いと思います。

 ご意見、ご質問はvheart@rosetta.jpまでお願いします。

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  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の次の16名(敬称略)の
方々です。

 ◇衆議院
  川田悦子 (無所属・東京)  瀬古由起子(共産党・東海)
  武山百合子(自由党・北関東)  松島みどり(自民党・東京)
  水島広子 (民主党・栃木)  山内惠子 (社民党・北海道)
  山口わか子(社民党・北陸信越)

 ◇参議院
  有村治子 (自民党・比例)  井上美代 (共産党・東京)
  岡崎トミ子(民主党・宮城)  小宮山洋子(民主党・比例)
  千葉景子 (民主党・神奈川)  八田ひろ子(共産党・愛知)
  広中和歌子(民主党・千葉)  福島瑞穂 (社民党・比例)
  吉川春子 (共産党・比例)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のWebページにもリンクしています。

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■次号予告
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 次回は、有村治子議員 吉川春子議員 千葉景子議員、広中和歌子議員が
登場します。

 ※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。

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〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人・編集人:弘中百合子
Copyright(C) ロゼッタストーン 許可無く転載することを禁じます

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