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2003年4月24日発行
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          女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』第75号

  ***   ***    ヴィーナスはぁと」は、女性国会議員の意見や活動等を
 *****v*****  紹介する超党派のメルマガです。呼びかけは全女性議員に
  *********  対して行いましたが、結果的に現在参加している与党議員は、
   *******    自民党の有村治子議員だけ。野党議員のなかに1人で参加
     ***    していると、なにかと風当たりが強いようです。
      *     今回は、その有村議員がひさびさの登場です。

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  目次
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■ 「野党ヴィーナスはぁと議員との協働と距離」
   有村治子(参議院議員・自民党・比例)

■ 「司法制度改革に見る小泉改革の姿」
   千葉景子(参議院議員・民主党・神奈川)

■ 「やるべきことは国際機関やNGOを通しての人道支援」
   広中和歌子(参議院議員・民主党・千葉)

■ 編集後記

■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

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 「野党ヴィーナスはぁと議員との協働と距離」
              有村治子(参議院議員・自由民主党・比例)
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 ヴィーナスはぁと(以下、VHと書きます)の読者の皆さま、こんにちは!
数週間ご無沙汰しておりました有村はるこです。全国統一地方選挙の前半戦、
志を同じくする候補の応援に走り、若い世代や女性の新人候補が次々に当選
を果たされたことに喜ぶ一方で、先輩として慕っていた議員の落選もあり、
悲喜こもごもの人生ドラマを駆け抜けてきたような2ヶ月でした。

《「野党議員とつるむな」というご指摘に対して》

 3月20日発行の第70号のVHで、弘中さんが編集後記で書かれたように、
「ヴィーナスはぁとの野党女性議員となぜ結託するのか」というようなメー
ルやご指摘を、私はこれまで幾度となく受けてきました。私自身は、自民党
唯一の一般生活者候補として比例(全国)区で出馬し、知名度が全く無い中
で(投票用紙に「党名」ではなく)、「有村治子」と実際に自分の名前を書
いていただいてギリギリ当選した経緯から、「国会活動や日々の思いを全国
の皆様に報告してコミュニケーションをとること」を常に意識しています。
その一環で、この「ヴィーナスはぁと」という超党派によるメールマガジン
の創立趣旨に賛同し、野党議員の皆さんの中で、たまたま私だけが与党議員
として自分の意志で、このメルマガにまだ残って現在も参加しているという
のが実情です。

 弘中さんが編集後記で記された直接のきっかけは、従軍慰安婦問題に熱心
に取り組まれているヴィーナスはぁと野党議員に対して強い反論を持つ方が、
たまたま同じコミュニケーション媒体に参加している与党議員の私も、その
方と同じような政治的立場をとっているものだと誤解されて、「与党議員の
くせに何やっとるんだー、次は落選だー」と、怒りと脅しをぶつけてこられ
たためです。

《「何でもかんでも超党派」…の幻想》

 初当選させていただいてからの2年弱の短い国会活動の中でさえ、議論を目
に見えるカタチにしていくためには、(1)自民党の政策形成過程だけに投げ
かけた方が結果が出やすい事柄、(2)自民・公明・保守新党の連立与党で動い
たほうが効果的な性質の問題、(3)与野党問わず全党派挙げて協力体制を呼び
かけた方が国全体にプラスになる課題…など、それぞれの政治的課題の特性
によって、問題解決へのアプローチを変えた方が、効果が上がることを実感
しています。

 だからこそ、誤解のないように、今回初めて書かせていただきますが、私
はVH以外の国会活動や執筆で、VHに参加されていらっしゃる野党議員の方々
と、積極的に政治活動をともにしたことは、ありません。むしろこのVH誌上
で、他の方が書かれた原稿を拝読して、その信憑性に疑問を呈したり、「こ
んな話の展開で、VHの読者の方は納得されるのかなぁ〜?ちょっとナイーブ
過ぎるんじゃないかなぁ…」と思ったりすることも、当然あります。と同時
に、与野党と立場が違うという理由だけで、やみくもに敵対するのではなく、
VHを通して、的確な問題提起や提言をされることの多い特定の議員に対して
は、与野党の立場を超えて一読者として、心からの敬意を持っています。

《与党・野党という単純なレッテルを超えて、冷静な読者層》

 読者の皆さまから頂くお便りの中でも、(単に私が自民党に所属している
という理由で)頂く批判より、「今まで自民党には投票したことはなかった
けど、VHやホームページで有村さんが言っている事は理解できる、共感する
ところもある。与党の中で、引き続きふんばれ」という激励のメッセージの
方が、はるかに多いことには、次から次へと「へこむ」ことが多い政治の現
実の中で、本当に勇気を与えられています。

 VHという、画像も写真も無い(原稿料もモチロン無い)、白黒の文字だけ
が並ぶ媒体にもかかわらず、締め切りと戦いながら、時間をやりくりして参
加しているヴィーナス議員の熱意にも励まされますが、そんな日頃の地味な
活動に付き合い、私たちの主張をしっかり受けとめて、是々非々で意見され
る読者皆さまの関心の高さやシャープな視点にも、手ごたえを感じています。

《「政党」は手段。議員個人ベースで取捨選択される時代》

 面白い傾向ですが、有村に応援メッセージを下さるVHの読者の方には、
「私は自民党支持者じゃないけど」とか、「一度も自民党に票を投じたこと
はありませんでしたが」という注意書きをされてから、肯定的なメッセージ
を論理的に書いて下さる方が少なくありません。私自身、自民党に戸惑いを
感じることはもちろんありますし、その一方で、政権責任政党において言論
で勝負する場を与えられていることに、責任とやりがい、純粋な喜びを感じ
ているのも、これまた事実です。

 いずれこのVHで、私が所属している上で感じる自由民主党の好きなところ、
改善すべきところを、私なりに率直に書いてみようと思っていますが、私は、
政党を「自分の掲げるビジョンや理念を、カタチにしていくための現実的な
(戦術)手段」だと考えています。政党の機能を、政策実現のための手段と
認識した上での私の役割は、やはり、「政権責任政党が出す政策に、私たち
の声をしっかり反映させ、少しずつでも着実に目に見える結果を出していく
こと。そして、その経過(プロセス)を共有すべく、皆さまに報告すること」
だと強く意識しています。

(関連情報:日経ネット『スマートウーマン』「この人と語ろう」というサ
イト企画で、読者の方から質問をいただき、「私の政党観」、「政党人とし
て迷った時の対処法」などを、以前文章にまとめたことがありますので、更
にご関心を持っていただける方は、
http://smartwoman.nikkei.co.jp/toukou/apps/s_cforum/topic_list.cfm?
TYPE=DISPLAY&ForumID=3419&EventID=3437&Page=2 をご覧下さいませ)


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 「司法制度改革に見る小泉改革の姿」
               千葉景子(参議院議員・民主党・神奈川)
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 司法制度改革に関連する法案が次々と国会に提出されています。その一つ、
裁判をもっと使いやすく実効性の挙がるものにしようと、一審判決を2年以
内のできるだけ短い期間内に出すことをめざす法案が、現在衆議院法務委員
会で審議中です。

 迅速な裁判は国民が期待するものであり、国民の権利でもあります。その
ために、政府、法曹関係者が挙げて取り組むことは当然のことですが、法案
にはどうも納得がいかない点がいくつかあるのです。

 (1)迅速な裁判は誰もが求めるところですが、速ければ良いというもの
ではありません。いくら速くても手抜きであれば利用者は納得できません。
裁判の迅速化は裁判の充実と一体のものとして進められるべきであり、迅速
化だけを強調し、しかも「2年以内」という数値目標を掲げると、それが一
人歩きし、必要な手続であっても2年以内の判決のために、時間がかかると
して差し控えるということにもなりかねません。

 (2)今回の法案では、迅速化の責務を当事者にも負わせています。しか
しこれは変です。確かに、当事者であっても裁判を意味なく引き延ばす権利
があるわけではありません。しかし、本来当事者は充実、迅速な裁判を受け
る“権利”を有するものであり、それを実現するために責任を負っているの
は裁判所や検察の側なのです。特に憲法37条で公平な裁判所の迅速な公開
裁判を受ける権利が保障されている刑事被告人に、2年以内に裁判を終局さ
せる義務ないし責務を課すことは、憲法上も疑義があります。
 実際には、2年以上かかっている裁判は民事で7.2%、刑事ではわずか
0.4%なのです。

 (3)真に充実・迅速な裁判という目標を実現するためには、カケ声だけ
では駄目で、抜本的な制度改革が必要なのです。「全面的な証拠開示」、「捜
査過程の可視化」(取調べの状況をビデオ録画ないしテープ録音する制度の
導入)、「保釈の拡大」(起訴前の勾留について保釈を認めるとともに、起
訴後においても早期に身柄の解放を認める)、「接見交通権(刑事訴訟法で、
容疑者や被告に面会や書類などの授受を認める権利)の拡充」、そして司法
インフラの倍増(裁判官、検察官の増加、裁判所の物的施設の拡充)が不可
欠です。

 小泉改革は、どうも本来責任を負うべき側に甘く、権利の主体である側に
我慢を強いたり、権利行使を抑制させるものに見えて仕方がありません。

 私も、改革すべきものがあれば、決してそれを否定するものではありませ
んし、司法制度改革に関してももちろんです。ただ、忘れてならないのは、
そのために“誰が最も重い責任と痛みを負うべきなのか”という点ではない
でしょうか。


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 「やるべきことは国際機関やNGOを通しての人道支援」
               広中和歌子(参議院議員・民主党・千葉)
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 季節は春。しかし、日本をとりまく環境は内憂外患、依然として厳しい冬
である。

 国内では、うち続くデフレ不況、銀行の不良債権問題、国と地方合わせて
700兆円の借金。株価は8,000円台を割り込み、小泉政権発足時から既に40%
以上の下落。企業の倒産、リストラ、それに伴う失業者は350万人、自殺者は
5年続けて3万人の大台、ホームレスは2万5000人とか。経済にからむ暗い
ニュースばかりが目立つ。

 そこに加えて国際問題。イラクと北朝鮮。イラクへは武力行使が始まり、
北朝鮮問題からも目が離せない。

 そんな中、統一地方選挙が始まった。与党にとってこんなに悪材料が揃っ
ているのに、少なくとも前半の選挙では自民党は健闘している。国民の政治
への関心は低い。

 テレビをつけると、イラクでの戦争の様子が刻々生々しく報じられている
が、今回の選挙の争点にはなっていない。その一方で、ニューヨーク・ヤン
キーズの松井が満塁ホームランを打ったことにマスコミは欣喜雀躍している。
幕末国難の1867年、“えいじゃないか、えいじゃないか”と東は江戸から西
は広島まで人々が街中を踊り狂ったという風景と重ね合わせて現在の日本を
見てしまう。イラク問題も、経済も、政治課題ではないかのよう。投票率も
相変わらず低かった。

 イラクへの武力行使が始まって約1ケ月。戦争は早くも終息に向かいつつ
ある。アメリカ軍の大量のハイテク兵器の前に、フセイン政権は赤子が手を
ひねられるが如く、簡単に崩壊した。しかし、フセイン一族の行方は知れず、
存在するといわれた大量破壊兵器は、核も生物、化学兵器も何も見つかって
いない。

 残されたものは破壊された都市のインフラと人心の荒廃。政府高官の建物
は言うに及ばず、博物館や国連機関の事務所に至るまで略奪や破壊の対象と
なっていると聞くが、心寒からしめることである。

 これからの大きな課題は復興支援だが、日本はこの戦争を支持しながら一
兵卒も送らなかった。送れる筈がなかった。単なるモラル・サポートなら誰
も評価しない。大きな請求書の覚悟はあってのことか。

 政府は破壊の後の復興ならお手伝いできると言っているが、やたらはりき
る前に、アメリカのやり方を見極めた方がよい。

 日本はこれまで中東に手を汚していないから期待される役割がある筈、と
考えるのは思い上り。歴史的に中近東とかかわりのなかった日本は、複雑に
利権がうず巻く中、手玉にとられるのが関の山。さし当たって日本ができる、
また、やるべきことは国際機関やNGOを通しての人道支援につきると思う。


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  編集後記              ロゼッタストーン・弘中百合子
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 統一地方選挙の後半戦が始まっています。13日に投開票された道府県議選
では、これまで女性議員の「空白県」だった山形県、広島県で女性議員が誕
生! 一方で、福井県、島根県では現職が落選するなどして、女性議員がゼ
ロになってしまいました。

 後半は市区町村長選と市区町村議選など、より身近な選挙です。女性議員
が少しでも増えるといいなあと思っています。衆議院の補欠選挙に立候補し
ている「ヴィーナスはぁと」に参加していた議員の当落も気になります。

 みなさまは、地方選挙にどんなことを期待していらっしゃいますか?

 ご意見、ご質問はvheart@rosetta.jpまでお願いします。

※お手数ですが、お寄せいただくご意見に
 1)「掲載可」か「掲載不可」か
 (掲載してもよい方は)
 2)「匿名希望」か「実名可」か
 3)「事前連絡必要」か「事前連絡不必要」か
をお書き添えいただけると、大変助かります。なにも記載がないものを紹介
する場合は、要旨だけを匿名でご紹介する形にしたいと思います。


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  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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 「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の15名(敬称略)の
方々です。

 ◇衆議院
  川田悦子 (無所属・東京)    瀬古由起子(共産党・東海)
  武山百合子(自由党・北関東)   水島広子 (民主党・栃木)
  山内惠子 (社民党・北海道)   山口わか子(社民党・北陸信越)

 ◇参議院
  有村治子 (自民党・比例)    井上美代 (共産党・東京)
  岡崎トミ子(民主党・宮城)    小宮山洋子(民主党・比例)
  千葉景子 (民主党・神奈川)   八田ひろ子(共産党・愛知)
  広中和歌子(民主党・千葉)    福島瑞穂 (社民党・比例)
  吉川春子 (共産党・比例)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のWebページにもリンクしています。

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■次号予告
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 次回の発行は、5月1日です。

 川田悦子議員(無所属)、瀬古由起子議員(共産党)、
 水島広子議員(民主党)、山内惠子議員(社民党)
 が登場します。

 ※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。

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〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人・編集人:弘中百合子
Copyright(C) ロゼッタストーン 許可無く転載することを禁じます

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