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         女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』 第122号

  ***   ***   咲こうとする桜に「待った」をかけるかのように、今週は
 *****v*****  寒い日が続きました。春というのは、毎日の気温の差が
  ********* 激しいですね。「ヴィーナスはぁと」には、「ハルコ」さんが
   ******* 2人います(自民党の有村治子議員と共産党の吉川春子
    ***  議員)。今回はハルコさんのひとり、有村議員と、民主党の
      *   岡崎議員から、原稿が届きました。

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  目次
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■ 「議会人として問われる質問力」
   有村治子(参議院議員・自民党・比例)

■ 外国人の犯罪が増えていると言うけれど・・・
   ―「留学」「就学」認定の「厳格化」をめぐって
   岡崎トミ子(参議院議員・民主党・宮城)

■  編集後記

■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

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  「議会人として問われる質問力」
                  有村治子(参議院議員・自民党・比例)
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 皆さまこんにちは!有村はるこです。生まれてきた子供の首もようやくす
わり、毎晩おそってくる(!?)夜泣きと授乳も、体力にモノを言わせて、随分
と慣れてきました。さて今日は、常々私が痛感している「質問力」について、
書いてみようと思います。

《言わせたい答弁を引き出し、記録に載せることの意義》

 議会人には、本会議や委員会など、公式な場で質問する権限と責任が与え
られています。限られた時間の中で、効果的な質問を出し、相手の答弁をう
けてすぐに切り返しをして、実効性のある関連質問を続けられるかどうかは、
いかに周到に事前調査や質問内容の精査ができているかにかかっています。

 私達が出す質問は、通常、政府に向けられ、例えば内閣総理大臣をはじめ
とする各大臣・副大臣等や、行政実務にあたる各省庁の官僚幹部(事務次官
や審議官・局長など)が答弁に立たれます。この質問・応答のやりとりは、
複数の速記人によって一語一句必ず記録され、活字になって公開されます。

 この公開答弁が論拠となって、その後の行政のあり方や指針に、大きな影
響を及ぼしていく過程を、何度も目の当たりにしてきました。重要な案件に
対する質問と答弁が記録に残り、その後の議論をリードしていくのです。こ
の意味では、質問は、今後の行政方針を決定していく一里塚にも、なりえる
のですね。核心をついた質問は、行政や他の議員の賛同や理解を拡げていく
ための問題提起であり、質問という形をとった「弁論」だと感じています。

《質問力で査定される議会人の弁論》

 議員による『質問の内容』を聞いていれば、その人が、どのくらいの専門
性や情熱を持って、当該案件に取り組んでいるか、おおよその見当がつきま
す。と同時に、『質問の仕方』を見ていると、その人が、当該案件を前に進
めるために、どのような戦略やビジョンを描き、どの程度の準備を重ねてき
たか(あるいは逆に「手抜き」をしてきたか)が、会議場ですぐに伝わりま
す。

 与野党も含めて、各党派の議員がいる中では、お互いすぐに、「質問の力
量」について、「○○党の□□氏は、質問が的確で、さすがよく勉強してい
る」とか「△△党の☆☆さんは、現場に足を運ばずに感覚でモノを言ってい
るから、やけどするんだ。あんな簡単な質問は、事前に自分で調べればいい。
手抜きだ」などと、お互いに求めてもいないのに、寸評がついてまわります。
ある意味、当然のことなのですが…怖いですね。

《数分の勝負に凝縮される、様々な駆け引きと事前調査》

 先日、聾学校に通う聴覚障害を持ったお子さんのための特別支援教育につ
いて、質問に立ちました。私に許された質問時間は9分。結果的にこの質問は、
答弁に立たれた文部科学副大臣の他にも、厚生労働副大臣、公明党議員、社
民党議員、無所属議員からも理解や支持表明の「援護射撃」をいただき、一
定の成果は出せたと思っています。

 しかし聴覚障害児の学校現場における、手話の実態を知らなかった私が、
行政の不備をただすべく一定の認識を持って、質問を簡潔にまとめるために
は、基本的な文献調査と当事者の方々への面談・報道記録の確認・文部科学
省への聞き取りなど、その準備に、質問時間の100倍以上の莫大な時間がかか
りました。

 適切な行政のあり方を求めて、効果的な質問がなされた場合には、たとえ
党派が違ってイデオロギー的には異なる立場にあっても、一定の敬意が持た
れます。言論の府にあって、質問と言う形で持論を展開する技量を磨いてい
く大切さを、痛感しています。


■◇■==============================================================
  「外国人の犯罪が増えていると言うけれど・・・」
  ―「留学」「就学」認定の「厳格化」をめぐって―
                        岡崎トミ子(参議院議員・民主党・宮城)
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 昨年の12月、今年の1月から日本語学校などで勉強する予定だった中国人就
学生の9割以上が法務省入国管理局から「在留資格」を認められなかったとい
うショッキングな報道を毎日新聞がしました。その後確定した数字を法務省
に確認したところ、561人の中国人が在留資格認定証明書の交付を申請したの
に対して、実際に交付を受けたのは73人だけだったそうです。(3名が取り下
げ。)交付率はわずか13.1%。つまり、日本語学校の試験などにすでに受かっ
た学生100人当たり、わずか13人しか在留資格をもらえなかったということで
す。

 この背景には、入国管理局が審査を厳格化する方針を決めたことがありま
す。人目を引く外国人犯罪(福岡一家4人殺害事件など)が発生したことも受
けて昨年11月、今年の4月期生分からの申請について、中国を初めとした4つ
の国々からの申請の審査を厳格に行うことを決めたのです。1月期生に対して
前倒しする形で厳しい審査が適用されたのでしょう。法務省は「不法残留が
一時減ったために1999年4月以降審査を緩和してきたが、ふたたび不法残留が
増加する傾向にあり、留学生や就学生による犯罪も増えてきたので厳格化す
る」といった説明をしています。

 しかし、日本語学校が受け入れを決めた学生のわずか13%しか申請を認
めないような「厳格化」では、まじめに勉強する意思も能力もある学生が多
数はじかれてしまいます。外国人の犯罪がマスメディアなどで大きく扱われ
ますが、当然のことながら大多数の留学生、就学生は犯罪とは無関係です。

 留学生・就学生の受け入れは、日本ができる最大の国際貢献であるばかり
ではありません。世界の若者、とくに大変な困難を乗り越えてまで日本で勉
強しようとする若者に日本で有意義な時間を過ごしてもらうことは、日本の
国益にとっても大きなプラスです。せっかく日本に関心を持ってくれた学生
の多くが門前払いされていることを考えると非常に心が痛みます。「優秀な
学生をますます欧米に取られてしまう」という学校関係者の声も聞きます。

 日本語学校のあり方を含め、改善すべき点はたくさんあります。また留学
生・就学生の資格をもつ外国人による犯罪を放置していいはずはありません。
しかし、もともと犯罪目的で入国してくる外国人(多くの方たちが心配する
ほど多数ではありません)の入国を阻止する手段として、熱意ある若者もいっ
しょくたにして留学生・就学生の受け入れを厳しく制限することはあまり有
効ではないと指摘されています。悪質な犯罪者は留学生・就学生として入国
することが難しくなれば、他の方法を考えるからです。

 (もともと勉強する目的で入国したのに犯罪に手を染めてしまうケースに
ついては、生活苦が原因であることが少なくないので、彼らの生活や勉強の
支援を充実させることも考えるべきでしょう。外国人犯罪が増えていると言
いますが、日本人が犯した場合には立件もされないような軽微な犯罪が多い
ことも指摘されています。もちろん、軽微だからいいということではありま
せんが、統計を扱う場合には注意が必要です)

 留学生の多くは孤独な気持ち、疎外感を感じて日本で暮らしていると度々
聞かされます。そしてたくさんの若者が日本社会に受け入れられなかったと
いう気持ちを抱えたまま祖国に帰っているというのです。最近特に気になる
のは、犯罪やテロへの不安から「外国人=犯罪者」という見方が少しずつ広
がってきていることです。最近の行政の動きが、そうした傾向に拍車をかけ
ているのではないかと心配です。

 就学・留学生の在留資格審査の厳格化も心配な動きのひとつですし、入国
管理局がホームページ上に「不法滞在等の外国人の情報」をメールで受け付
ける窓口を設置したこともそのひとつです。また、一般の学生さんが外国人
であるというだけで警察官から突然職務質問をされ、厳しい扱いを受けて不
安な思いをしたという事例も度々聞きました。こういう扱いは外国人を不安
視する雰囲気を助長し、また外国人のストレスを高めて、それこそある場合
には犯罪に追いやってしまう恐れもあるのではないでしょうか。

 在留資格審査については、早速仲間の議員たちと勉強会を開きました。ま
た、このメルマガの仲間でもある小宮山洋子さんを初めとして何人もの議員
が国会でもとりあげて質問をし、「メール通報」の件も含め、事態は少しだ
け改善しているかもしれません(4月期生については、中国人もおよそ45%が
申請を認められたようです)。警察官に人権問題の重要性を意識してもらう
ことの必要性については、私も来週の火曜日の内閣委員会で警察法の質疑を
する際に取り上げる予定です。

 将来に対する不安があるとき、どうしても社会は排他的になりやすい傾向
をもちます。排他的になって得することはあまりありません。「気づき」を
得た私たちがそういう傾向を少しでも改善できるように心を配ることが必要
だと思います。国会議員としても個人としても、優しさを感じられる、風通
しの良い社会を目指してがんばっていきます。


◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  読者からの情報
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆
 前回の「DVが理由で夫から逃げる生活をしている」という読者に対して、
別の読者から情報が寄せられました。

●DVの相談にのってくれるところ

 お手数ですが、DVで苦しんでいる読者の方のお役に立てるかもしれません
ので、よろしければ「財団法人 大阪府人権協会」までご連絡なさるように
お伝えして頂けますか。
 大阪在住の方かわかりませんが、ここに連絡すれば関連する団体や組織等
を教えてくれるかもしれません。宜しくお願いします。

  名称  財団法人大阪府人権協会
    ( Foundation for Osaka Prefectural Human Rights Association )

    所在 556-0028
         大阪市浪速区久保吉1−6−12
         大阪人権センター内

    電話    06−6568−2983
    FAX  06−6568−2985

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    メール info@jinken-osaka.jp

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  編集後記                ロゼッタストーン・弘中百合子
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 ロゼッタストーンの事務所がある池袋の周辺は、外国人が多いところです。
ゴミ置き場に韓国語で表示があったり、中華料理屋さんに行くと、店内の会
話が中国語であふれていたり…。そのわりに、知り合いになるチャンスがな
いなあとふと、思いました。

 人間、知らないものに対しては、どうしても不安を感じてしまいます。外
国人の友人がいるのといないのとでは、その国に対する印象が全然違ってく
るような気もします。

 「雇う・雇われる」「店員と客」といった利害関係があるつきあいだけで
なく、純粋に友人としてつきあえるような場がもっと増えれば、排他的ムー
ドもなくなるかもしれませんね。

 ※「ヴィーナスはぁと」へのご意見、ご質問は vheart@rosetta.jp まで
   お願いします。

       お手数ですが、お寄せいただくご意見に
       1)「掲載可」か「掲載不可」か

       掲載してもよい方は
       2)「匿名希望」か「実名可」か
       3)「事前連絡必要」か「事前連絡不必要」か

   をお書き添えいただけると、大変助かります。なにも記載がないものを
   紹介する場合は、要旨だけを匿名でご紹介する形にしたいと思います。


◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 ◇衆議院
  小宮山洋子(民主党・東京)  武山百合子(民主党・北関東)
   水島広子  (民主党・栃木)

 ◇参議院
  有村治子  (自民党・比例)  井上美代  (共産党・東京)
  大脇雅子 (無所属・比例)  岡崎トミ子(民主党・宮城)
  千葉景子  (民主党・神奈川) 八田ひろ子(共産党・愛知)
  広中和歌子(民主党・千葉)    福島瑞穂  (社民党・比例)
  円より子  (民主党・比例)  吉川春子  (共産党・比例)


詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のWebページにもリンクしています。


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 ( http://www.rosetta.jp/ )
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■次号予告
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 次回の発行は、4月1日です。

 広中和歌子議員  吉川春子議員  水島広子議員
 が登場する予定です。

 ※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。

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〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人・編集人:弘中百合子
Copyright(C) ロゼッタストーン   許可無く転載することを禁じます

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