9.
緑の目の吟遊詩人
老婆は子供を怖がらせるようにずっと声を 低くする。
「その名前を唱えると、彼がやってくるんで すよ。」
「教えて、絶対言わないわ。約束するわ。」
「お嬢様、絶対秘密ですよ。」
少女はごくりとつばを飲む。
「フィンバラ。夏至の夜、この名前を3度唱 えると彼がやってきますよ。」
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