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ロゼッタストーン日記

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第14部 「本質に迫る」


女編集長起業奮戦記
ロゼッタストーン日記
ついに書籍化!
「ロゼッタストーン日記」第1部(ロゼッタストーンは本当に創刊できるのか)が、
『女編集長起業奮戦記』という本になりました!
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東日本大震災という大変な災害があった2011年が過ぎ、2012年は復興の年と言われています。日本が大きく変化しようとしている時代に、小さな出版社として何ができるのか、何をすべきなのか…。いろいろ考えた結果、今年のテーマは「本質に迫る」にしました。

マスコミ人よりも専門家のほうが、個別の問題には詳しいし、それをインターネットを通じて簡単に発表できる時代です。専門家でなくても、ネットでの情報収集に長けている人は、日本だけでなく、海外からも情報を集め、日々の仕事に追われているマスコミ人よりも、よほど物知りだったりします。

一方で、あふれかえった情報は、何が重要なのか、何が本当のことなのかをわかりにくくしています。媒体によって、あるいは発言者によって、事実はまったく違う姿に見えます。どの情報を取捨選択して伝えるか、今こそ編集者の出番かもしれません。

「本質に迫る」のは簡単なことではありませんが、今年は常に「何が本質なのか?」を考えながら、情報発信していきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


ロゼッタストーン 弘中百合子



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◆今年の運勢は大吉!−1月11日(水)日記ー
気が付けば、あっという間にもう今年も11日。例年のごとく、実家で食べ過ぎて体重が増えている。これから少しずつダイエットしなくっちゃ。

浅草寺で引いた今年のおみくじは「大吉」。「四季折々に花が開き、実がなるように日々の努力が実り、幸運が開けるでしょう」ですって。巣鴨のとげぬき地蔵で引いたおみくじは「吉」。「急がばまわれの教訓を守るべきである。落ち着いているほどあなたの幸運は開けよき指導者、協力者が現われて大きな幸運を成就することができる」。ふむふむ。お正月からなかなか縁起がよいではありませんか。ま、たとえ「凶」が出たって、「吉」が出るまで引き直しちゃうんだけどね。(←作法としては間違っています)

今年のテーマは、冒頭に書いた「本質に迫る」。書籍としては東海大学教授、芦田宏直先生の教育論を出版予定(本当は昨年7月に出版する予定だったのだが、まだ原稿があがってこない。今年こそ出版したい!)。芦田先生は哲学者だが、東海大学での専門はFD。教育の専門家でもあるのだ。この本で、教育の本質に迫れると思う。
※FDとは、ファカルティ・ディベロップメント(Faculty Development)の略で、大学教員(英語ではfaculty memberと言います。)の職業的な資質向上のための活動のことです。大学
教員の職務には、教育だけでなく、研究や組織のマネジメントもあるので、FDとは広くそれらにかかわる能力開発ということになりますが、一般的には主として教授能力の開発を指す言葉として使われています。
(大阪市立大学大学教育研究センターホームページより)

昨年からゆっくりしたペースで進めている「理想国会」プロジェクト。今月は、元検事で弁護士の郷原信郎氏に取材する。郷原氏は、司法の専門家だが『「法令遵守」が日本を滅ぼす』なんていう著書がある。もちろん、「法律を破ってもいい」と主張しているわけではなく、「形式的に法を守るだけでは問題は解決しないばかりか、弊害さえある。法令の背後にある社会的要請に応えていくことこそが本当のコンプライアンスだ」という考え。「本質に迫る」にふさわしい人選でしょ。

今月入稿予定の電子書籍は、中島陽典さんの自伝エッセイ『真夜中の虹』。ロゼッタストーンWEBに連載中の『不運から風雲』の前編を、加筆・修正したものだ。両親の無理心中、次々に起きる身近な人の死、C型肝炎をはじめ、たくさんの持病、そして臨死に近い体験…。中島さんの人生は本当に強烈だ。そういう体験を乗り越えて、中島さんが感じとったものには、人生の「本質」が現われているんじゃないかな。

考えてみれば「本」の「質」も略せば「本質」。「本質」を追求することで「本質」(本の質)もアップさせますよ〜!


◆2011年最後の日記-12月30日(金)日記ー
一昨日年賀状の印刷が終わり、昨日大掃除と忘年会が終わり、今日は取次に請求書を出し、あとは年賀状に一言コメントを書くのと、今月の経理精算を残すのみ。明日は山口に帰省する。なんでもないときの1週間っていうのは、本当に何もなくあっという間に過ぎるのに、年末年始の1週間というのはあわただしいなあ。もっとも、こういう区切りがなければ、大掃除も年賀状も帰省もしないわけだから、人間が作り出してきた知恵は偉大だと思う。

2011年はすごい年だった。神戸の大震災のあとは、もうこれで自分の生きている間にはこれほどの地震はないだろうと思ったのに、今年は想像を絶するような東日本大震災。特にすさまじかったのは津波の衝撃。そして、まさかの原発爆発。2度あることは3度ある。日本は地震の活動期に入ったらしいから、生きている間にあと1度は大きな地震を体験しそうな気がする。みなさん、気をつけましょうね。(気をつけるといっても、できることはたかがしれてるけど)

今年ほど自分の無力さが悲しい年はなかった。マスコミの末端にいる人間なのに、地震情報も原発情報もいま必要な情報を発信できなかった。寄付もろくにできなかった。ボランティアもできなかった。結局、なにひとつ、被災地のためには貢献できなかったのだ。私自身はいろんな人に迷惑をかけたり、お世話になったりしているというのに。悲しいなあ…。

今年はロゼッタストーンにとっても、非常に厳しい年だった。「生き延びた!」というのが正直なところ。構造不況業種の出版業界で、ロゼッタのような零細出版社は、毎年毎年がサバイバルなのだが、今年はいつもにも増して荒波をかいくぐったような気がする。

今年のテーマは、「新しい世界へ!」だった。日本でもまだ珍しい音楽、朗読入りの電子書籍をつくってみたり、「理想国会」プロジェクトを始めたり、そこでユーストリーム中継(パソコンをつかった生動画中継)にチャレンジしたり……。確かに新しい世界には足を踏み入れたんだけど、それが「ビジネス」には全然なってないから、経営者としては相変わらず落第点だ。来年こそは、経営者としても及第点を取らないとね。

そんな私でも、何とか無事新年を迎えられそうなことに感謝。来年は誰にとってもいい年になりますように。



◆ロゼッタにとっての今年の漢字は… −12月19日(月)日記−
財団法人日本漢字能力検定協会が発表した今年の漢字は「絆」だという。ちょっとキレイにまとめすぎ…という気がしないでもないが、「震」は1995年、「災」は2004年にすでに採用されている。1995年の阪神淡路大震災は思い出せても、2004年の災害ってなんだっけ…とすぐには思い出せない。日本って、本当に自然災害が多い国なんだよね。

一昨日は私の誕生日。友人に「今年を漢字一文字であらわしたら?」と聞かれて悩んでしまった。結局、考えて出した答えは「転」。

東日本大震災の衝撃が大きすぎて、何にしてもちっちゃなことにしか思えないのだが、事務所の「移転」は、ロゼッタにとってそれなりに大変なことだった。前の事務所から何百メートルかしか離れてないんだけど。

電子書籍を本格的につくってみたのも、事業の「転回」といえるかもしれない。まだまだ電子書籍は売れないし、全然採算が合わないのだが、音楽、朗読、イラスト入りという、まだ他の出版社が出していないような電子書籍がつくれたことはよかったと思う。みんなで日本の政治を考えよう…という「理想国会」プロジェクトもスタート。こちらもまだまだ試験的な企画だけれど、ユーストリーム中継という動画中継にも初チャレンジした。考えてみれば、相変わらず後先考えずに突っ走ってるなあ、私って……。

紙の本は大好きなので、もちろんこの先も出版していくけれど、リスクが大きいので発行点数は絞り込まざるを得ない。その分、今後は電子書籍で様子を見て…ということになるのかも。

今年は芦田宏直先生の教育関係の本を出版する予定だったのだが、先生がお忙しく、かつ非常にこだわりの強い方なので、結局原稿が仕上がらず発行できなかった。これは「転んじゃった」の「転」かな。一昨日、芦田先生は池袋の立教大学で講義をされていたようだ。「池袋は嫌い」とおっしゃっている先生が私の誕生日に池袋に来ているところが私の吸引力。来年こそは絶対原稿書いてもらわなくちゃ。

東日本大震災は、日本全体としても、「転換点」だったと思う。まだ意見は統一されていないけれど、原発事故もあり、「このままではいけない」という危機意識を持った人が多かったんじゃないだろうか。

「起承転結」という流れでいえば、「転」の次は「結」。ロゼッタストーンも、そして日本も、どの方向に向かって進むのか、次に求められるのは結論だ。それは来年なのか、あるいは再来年なのか、あまり長い時間は残されていない…。


◆女性運動は山口県から始まった!? −12月4日(日)日記−
昨日は、「周南ふるさと大志」の懇親会。今回は今年から市長に就任された木村健一郎氏も列席。非常に気さくで前向きなパワーのある人だった。これからの周南市に期待しよう。

「ふるさと大志」という役目をいただいているわりに、郷土のことでもまだまだ知らないことが多い。周南市の鹿野(かの)という地区は、全国のおみくじの7割を生産している…ということは知っていたのだが、そのおみくじが女性の自立に関わっていたとは初耳だった。

鹿野地区(旧鹿野町)にある二所山田神社の宮司、宮本重胤さんという人は、明治時代に女性の自立をいち早く訴え、女性を対象とした全国組織『敬神婦人会』というのを設立したのだとか。明治39年には機関誌『女子道』を発刊し、その資金源として考えられたのがおみくじだったのだという。神道には本来女性をけがれとみなす思想がなかったからなんですって。へーえ。
http://www.kanko-shunan.com/saihakken/josidousha.html (周南市 観光協会ホームページ)

いまおみくじをつくっているのは、その頃から続く「女子道社」という会社で、地元の人たちが一つ一つ手で折っているそうな。「宮本宮司が女性の自立を訴えたのは、平塚らいてうよりも早い時期なんですよ」と木村市長。あんな保守的な土地柄で、そんなことがあったとは驚きだ。

徳山高専の偏差値がとても高くなっているという話にも驚いた。これは、ロボコン(ロボットコンテスト)の影響が大きいらしい。徳山高専はロボコンに強くて、長澤まさみや小栗旬らが出演した映画「ロボコン」の舞台にもなっているのだ。

周南市は水素の生産量も多いので、水素をエネルギーとして利用できないか…なんて構想もあるという。

「地元でとれるフグは白フグといってトラフグの一種ですが、フグのなかでもいちばんうまいんですよ」と木村市長。むむむ。食べたことないぞ。

周南市は合併してできた新しい町で、広さは東京23区と同じぐらい。山もあれば、海もあり、たんぼもあれば、石油コンビナートもある。探せば、いいところがもっといっぱいあるんだろうなあ…。もうちょっと私も勉強しないとね。


◆初体験「歯のクリーニング」 −12月1日(木)日記−
私は昔から頭の形と歯のきれいさをよくほめられてきた。世の中に、「ミスどくろコンテスト」というのがないのが残念なくらいである(←死ななきゃだめじゃん!)。

ところが、寄る年波のせいか、下の前歯がだんだん黒ずんできた。数少ない美点が美点でなくなるというのは悲しいものである。先日、歯の検診で歯医者さんに行ったとき、歯の黒ずみについて相談したところ、保険はきかないけれど歯をクリーニングすることはできるという。いくらか聞いたら「約7000円」というので、そのぐらいなら奮発してもよいかな…と、歯のクリーニングを試してみることに。

昨日がそのクリーニングの日だった。クリーニングをしてくれたのは、いつもの歯医者さんではなく、やさしそうな女性(歯科衛生士さん?)。「お薬が飛び跳ねますので…」と顔の上にタオルをあてられ、口をあけて約30分。目がおおわれているので器具は見えないけれど、感覚としては、電気やすりのようなもので研いだり、電気ケシゴムのようなものでゴシゴシこすったりしているみたいだった。口を開けたままでいるのはちょっと疲れるけれど、痛みはない。

で、終わったあとに鏡を見せてもらったら…、なんということでしょう(←ビフォーアフターのナレーション風に)、歯の黒ずみが消え、白い歯がよみがえっているではありませんか! やったーっ! 舌で触った感触も、ツルツルでなんだか気持ちがいい。

そのまま、今度は近所の美容院へ。12月は私の誕生月だから、きれいになってお誕生日を迎えないとね。が、美容院の鏡で自分の顔を見てショック。口のまわりに歯のクリーニングで飛び散った薬だか、よだれだかわからないけど、白い筋のようなものがたくさんついていたのであった。恥ずかし〜。歯のクリーニングをしたあとは、歯だけではなく、顔全体を鏡でチェックしてから歯医者さんを出ましょうね。

このクリーニング効果が続くのは半年間ぐらいらしい。できるだけ長持ちするように、せっせと歯を磨くことにしよう。

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◆恐竜と哺乳類の時代!?  −11月21日(月)日記−
先週、ITジャーナリスト、佐々木俊尚氏の講演を聴きに行った。佐々木氏は毎朝、ツイッターで興味深い情報をツイートしてくれているのだが、生の講演もとても面白かった。

佐々木氏によれば、これから大きく変わっていくだろうと考えられるのは、テレビ。グーグルに続いて、来年はアップルもテレビを発売するといわれている(先日亡くなったジョブズが最後に取り組んだのはテレビなんじゃないか、という噂もあるらしい)。それは、iPhoneのように、ネットにつながり、画面にたくさんのアプリが並んだ形になるだろうと、佐々木氏は予想。たとえば、「ニュース」というアプリをクリックすれば、さまざまなニュースの動画を選んでみられるようになるetc.。ワープロがパソコンに、携帯電話がスマートフォンに変わっていったように、単一機能しかなかったテレビも視聴者が自分で必要なものを選べるかたちに変化していくというのだ。

そうなると、これまでCMも制作も放送もパッケージだったTV番組の在り方も変わってくる。アップルテレビやグーグルテレビなどは、ネットにつながれた各視聴者の属性や好みがわかるので、個人に応じたCMを流せるようになる。いまのテレビ局は、番組制作という役割は残るものの、これまでのような独占企業ではなくなるというのだ。

これからは、パッケージ型の商売から、制作、課金、CMなど、レイヤー(階層)ごとの商売へ、どの業種も移っていくだろうと佐々木氏。すぐれたパッケージによって成り立っている日本の自動車も、電気自動車がもっと普及すれば、パッケージの優位性が薄れ、いろんな会社の部品を組み合わせたような自動車が主流になるかもしれないという。


そして、好むと好まざるにかかわらず、これからの世界は、アップル、グーグル、アマゾンといった大きな恐竜がプラットホームを支配し、中途半端な恐竜は淘汰されるだろうと、佐々木氏は断言。そのかわり、そのプラットホームにのっかって、個人や小さな会社でも世界を相手に勝負ができる環境が整ってくる。すでに、個人でiPhoneなどのアプリを開発し、1億円稼ぐような人も出てきているそうだ。

佐々木氏が思い描いている将来像は、恐竜と共存して、小さな哺乳類がちょこまかと活躍する…そういうイメージらしい。日本発の恐竜も、1匹や2匹誕生してほしいけどなあ。

個人レベルで考えると、世界を相手に勝負する少数の哺乳類と、時代についていけなくて進化しそびれた多数の猿たちが暮らす世界になるんだろうか。そうなると、ますます格差が広がりそうな気もする。

みんなで哺乳類に進化しましょうね。


◆『セロ弾きのゴーシュ』がスマホで読めるようになりました −11月10日(木)日記−
電子書籍『セロ弾きのゴーシュ』がパソコンだけでなく、iPhoneやiPad、アンドロイドでも読めるようになった。なかなかバグが直らず、これまでは画像のみ閲覧できるようになっていたのだが、やっと音声つきでも読めるように。ロゼッタストーンWEB上で、立ち読み(&立ち聞き)もできるようにしたので、ぜひ、どんなものか体験してくださいませ。最後のページでテーマソングもワンコーラス聴くことができます。http://www.rosetta.jp/books/book013.html

私が読んだ感じで、いちばんしっくりくるのは、やっぱりiPadだ。子どもへの読み聞かせ用に、音声つき童話っていうのは、これから需要が出てくるんじゃないかしら。

ただ、パソコンで読む場合と違って、最初に音声がダウンロードされるまで結構時間がかかるし、音声を途中でとめたり再生したりができない。ページの最後まで音声が流れると、自動的に最初に戻って音声が再生されるつくりで、あまり融通がきかない。このへんがもうちょっときめ細かい対応ができるようになるといいんだけど、まだ世間には音声付き電子書籍というのがほとんど広まっていないので、簡単に利用できる優秀なアプリがないのである。誰か開発してくれないかなあ。

出品を予定している電子貸本renta! では、「オーディオブック」の扱いで本文も読めるようにしたいということだった。こちらも他に例がないので、時間がかかっているようす。新しいことを始めるというのは、なかなか大変だ。

そういえば、楽天がカナダの電子書籍販売会社コボを買収するそうだ。アマゾンに対抗できるとしたら、楽天しかないと思っていたけど、やっぱり三木谷社長は勝負してきたか…。アマゾンの一人勝ちが予想されていたけど、また面白くなってきた。競争があるというのはいいことだ。


◆書店の力は偉大だ… −11月3日(木)日記−
先週紹介した沖縄の書店にどんなポップで『独立のすすめ』を宣伝してくれているのか、聞いてみた。送っていただいたポップを見ると、「スタッフおすすめ! 独立のすすめ 当店ロングセラーのイチオシ。その一歩をふみだしたいアナタにこそ読んで欲しい!」と書いてある。黄色い正方形のポストイット(付箋)風な紙。諭吉の顔と帯が隠れない位置に貼り付けられている。(近々ロゼッタストーンWEBで公開予定)

「当店ロングセラーのイチオシ」って言ってもらったら、そりゃ、読者は買いたくなるよね。ロゼッタがどんな立派なPOPをつくったとしても、書店の推薦POPには絶対勝てない。たくさんの本を読んでいる書店員が「イチオシ」と書いてくださることに意味があるのだ。「本屋大賞」がベストセラーになるのも、「たくさんの本のなかで、あえてその本を書店が選んだ」ってところに価値があるのだと思う。

担当書店員さんいわく「POPは明るい色を使って、あくまで目印としてつけました。商品そのものがすばらしいので、見つけてもらえさえすれば、売れるのだと思います。国家論としてもとてもいいと思うのですが、自立していきたいと考える人たちのよりどころとして本書は適していると思います」とのこと。ありがたくて涙が出そうなコメントだ。

そりゃ、あの福沢諭吉さんが書いた内容だから、内容がいいことは間違いないのだ。それがいま一つ世の中に浸透しないのは、ひとえにロゼッタの営業力の弱さにある。現に平積みでどーんと長期間置いてくれた紀伊国屋書店本店などではかなり売れたんだもの。売れるか売れないかは、書店が目立つところに置いてくれるかどうかにかかっているのだ。大手の出版社だったら、報奨金という形で書店にアプローチするみたいだけど、うちにはそういう予算もないしなあ…。

沖縄の宮古島の書店、「Booksきょうはん宮古南店」は、ブログでも独立のすすめを紹介してくれていた。
http://kyohanmm.ti-da.net/e3462037.html

「自分の力で立ち上がろうとするとき、その意味を客観的に捉えるよい機会を与えてくれる本だと思います。心を整え、背筋をのばす。ビジネスとは関係無さそうなんだけど(カテゴリは文芸だし)、大事な前準備ができるはずです。はじめこの本を見たときに児童書コーナーに置こうかなと一瞬思いましたが(例えばよりみちパン・セや14歳の世渡りシリーズみたいに)、ページをめくって、「大人に売れる」と直感。面陳もしくは平積みにすると良く手に取ってもらえます。沖縄県内のきょうはんグループの中でウチが一番この本を売っています(エッヘン)」とのこと。

こういう目利きの書店員さんに気に入ってもらえれば、少なくともその書店では売れるのだということが今回確信できた。そういう書店員さんとのつながりを増やすことがロゼッタの課題だな……。



◆『独立のすすめ』は起業家向けだった!? −10月27日(木)日記−
沖縄の書店で何度も『独立のすすめ』を注文してくれるところがある。注文用紙に「とてもよく売れています」なんて嬉しいコメントが書いてあったりして、どんな書店なのか気になっていた。

もしかして基地の島、沖縄では「独立」という言葉に敏感なのかしら…と思っていたが、今日もらった注文用紙には「ビジネス書の起業コーナーにおすすめです。POPをつけるとなおよいです」とアドバイスが書かれていた。起業コーナーで売れていたのか…! それにしても、こんなミニ情報を提供してくれるなんて、なんていい書店でしょう。

これまでは、読書感想文を募集したりとか、中高生を主なターゲットに営業してきたのだが、ビジネスマンの起業コーナーを狙うべきだったんだろうか。確かに「独立」のすすめだし、諭吉の独立自尊の精神は、これから起業する人の心の支えになるかも。起業家が読みそうな本が充実している書店に営業に行ってみようかな…。

ちなみにありがたい書店はここ。ブログを発見した。日頃から丁寧な販売をしているところのようだ。
BOOKS きょうはん宮古南店 http://kyohanmm.ti-da.net/

この書店の10月20日のブログを読むと、AKBの学習参考書なんていうのが出てるらしい。問:「会いたかった」とありますが、会いたかった相手は誰ですか…だって。へーえ。私はいまだにAKBがだれがだれやらわからないんだけど、すごい人気なのね。



◆大臣の「失言」探しはもうやめてほしい −10月19日(水)日記−
平野達男復興担当相が「津波で逃げなかったばかなやつがいる」と発言したというのが問題になっている。
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20111019-851918.html

発言の動画も見たけど、「ばかなやつ」と言っているのは、平野氏の友人に対して。友人が津波でなくなったことを残念に思う気持ちが「ばかなやつ」という表現になったようだ。そんな言葉まであげつらって、大臣の資格があるだのないだの、まったくいい加減にしてほしい。なんで日本のマスコミや政治家は「失言」を取り上げるのが好きなんだろう。

先日、森元修一監督の「大津波のあとに」というドキュメンタリー映像を見た。森元監督は、季刊ロゼッタストーンを応援してくださっていた人の一人。共通の知人がDVDを送ってくれたのだ。今月開催された山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映され、とても評判がよかったらしい。11月には渋谷のアップリンクでロードショー公開されるそうだ。
http://fartheron.soragoto.net/intro.html

これは震災から2週間後の仙台、東松島、石巻を撮影した記録。カメラアングルが安定しているので、まるで自分が実際に被災地に行って、いろんな人の話を聞いているような気分になる映画だった。

被災地で被害を語る人たちは、時に微笑みを浮かべながら、いまの状況を話している。日本人は悲しくて悲しくてどうしようもないときでも、つい微笑んでしまうのだ。話している相手へのマナーとして。あるいは、自分の悲しみを必死にこらえようとして。あるいは、あまりにも途方に暮れて笑うほかなかったのかもしれない…。それは悲しい笑顔だけれど、その一瞬だけを切り取れば、「不謹慎」ということになってしまいかねない。

日本人には、感情をストレートに表現するのが苦手な人が多いのだと思う。押し殺した表情や短い言葉の奥には、いろんな感情が渦巻いている。表面に出てきた短い言葉だけを取り上げて批判するんじゃなくて、その発言の真意をつっ込んで取材してくれれば、全然違うニュースになるのにね。



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