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第2回 学校の安全性の問題


皆さんこんにちは。新年度になり、学生さんは学校に慣れてきた頃でしょうか。もしも学校に行きたくない、という気持ちがあったら、前回の連載で書いたように、少しでも早く対応して下さい。

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今回は最近特にクローズアップされている、学校の安全性の問題について考えます。学校への部外者侵入による悲惨な事件が後を絶たず、また、地震やテロなどの恐れもある今の日本で、どうしたら子供や教職員の安全を守れるのか、私なりの考えを書きます。

基本的に現場の教員は、よそでどんなに凶悪事件が起こっても、「事件にあったのは我が校ではない、だから自分には関係ない」という考えを持っている人が多い、と私は感じています。特に、私立校では、「警備員の巡回を増やせば良い」という考えも目立ちます。

でも、ここには大きな落とし穴があるのではないでしょうか。それは、「今の世の中、変質者はあちこちにおり、また、どのようなきっかけで学校を狙ってくるのかわからない。自分たちもいつ狙われるかわからない、と思ったほうが良い」視点が抜けているからです。

学校の安全性は、次の項目の実施の有無で確認できます。1つでも欠けていたら改善を要求しなければなりません。

  1. 校門は基本的に施錠されているか
  2. 教員は不審者への対応訓練を受けているか、また、対応マニュアルがあるか
  3. 学校内での不審者の侵入の有無(最近数年間)
  4. 地震などの際の避難訓練をしているか
  5. (特に共学校・女子校)文化祭、体育祭などで外部者のチェックの有無

公立校ですと、おそらく警備員を雇うお金が自治体にないので、校門の付近にはボランティアやお年寄りがいるケースが多いのでしょう。ただ、そういう人がいないケースでは、校門の開閉にいちいち教員が行かねばならず、面倒だからとどうしてもいい加減になってしまう危険性をはらんでいます。文部科学省は「校門は原則閉鎖」という方針を打ち出していますが、それならば校門開閉係の要員を配置しなければ、教員だけでは絶対に手は回らないのではないでしょうか。

私立校の場合、警備員を増やして終わり、教員に対するケアは何もない、という学校も多くあります。「不審者に対する訓練」を、私はただの一度も受けたことがありませんし、していない学校を他にも見聞きしています。してほしい、という教員の声は多く聞きますが、上層部は「警備をしているから大丈夫」ということなのでしょう。でも、警備員をつけていても、その中をかいくぐってくる不審者が現実に後を絶たないのです。それでも訓練が不要だという考えは、あまりにも事態を軽視している証拠ではないでしょうか。私立校の方が危険な場合が多いのではないか、と私は感じています。

また、地震などへの対処ですが、ひどいところですと、避難訓練など一切実施していない、という学校もあるのです!これでは授業中に大地震に襲われても、教員が真っ先に逃げ出すかもしれませんし、子供が見殺しになるかもしれません。そんな危険な学校に子供を安心して通わせることができますか?私だったら決してできません。でも、公立校ではなく、わざわざ高いお金を払って行かせた私立校でこういうことがまかり通っているのです。そんな矛盾した話があるでしょうか。

また、共学校・女子校では変質者へのケアも怠りなくやっていることが重要です。制服、水着、体操服…生徒の使用したものや着ている写真を欲しがる大人は想像以上に多く、なんとか「網の目をくぐり、正々堂々と」学校に入りたい、というのが変質者の本音のようです。ネット上で「この学校なら入りやすい」などの情報が流れていることも考えられる現在の日本なのですから、基本的に来訪の部外者は記名させ、文化祭などでも、校内に入れるのは「卒業生、受験生とその親、元教職員」に限るべきではないのでしょうか。

こういったことに限りませんが、学校に質問や改善してほしいことがある時は、以下のようにすると、黙殺される可能性が低くなります。

  1. 保護者会前にあらかじめ、PTA役員をしている保護者に相談しておき、とりあげてほしい議題がある、とお願いする。親しくしている保護者と複数で申し入れしても良い
  2. 保護者会当日取り上げてもらう。多くの賛同者がいれば、教員は無視できない
  3. これでも改善の見込みがなければ、学年主任や教頭などに相談する。この時もできる限り、役員の保護者を通して話す

学校に改善してほしいことは、ひとりで申し入れしても、「あの保護者はうるさい」と言って黙殺される危険があるのですが、大勢で言えば黙殺できなくなります。この点を覚えておかれると良いでしょう。

安全対策はしてもしすぎることはありません。上に掲げた項目が1つでも欠けている学校は、危機意識のないお粗末なものだと断言できます。疑問があったら、学校に問いただし、学校と保護者ともに協力して、改善していくよう要求しましょう。

2005.4.25 掲載

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