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第8回 性教育・禁煙教育について


皆さんこんにちは。先日、民放の女性アナウンサーが、未成年のアイドルを呼び出して飲酒を勧めた、という事件がありましたが、いい大人が、と私は開いた口がふさがりませんでした。教員にもとんでもないのが掃いて捨てるほどいる今の日本ですし、テレビ局の方々がみな非常識だとは思いませんが、未成年に甘く、そして、変に一人前として扱っている「カン違い大人」がいることを改めて実感した事件でした。

さて、今回は「性教育・禁煙教育」について取り上げます。これらを同時に取り上げるのは理由があり、それは、今の日本の学校の大半で、これらの扱い方に共通点が見られるからです。

雑誌記事

人間は、「してはいけない」と言われると、してみたくなる生き物ではないかと私は思うのです。「タバコを吸うな」、「性的関係を持つな」と言われても、「なぜだめなのか」ということを説明しない限り、子どもの興味に根本的に応じていないので、結局それらへの興味本位な好奇心を絶つことはできません。

大人がタバコを吸うのは本人の自己責任だと思いますが、発達途上の子どもがタバコを吸えば、成長に大きな悪影響があります(ちなみに私は非喫煙者です)。また、誰かに養ってもらっている子どもが、妊娠したり、交際相手を妊娠させたら、責任を持って胎児を育てることができません。また、不用意に性的関係を持てば、性病やエイズなどにかかる危険もはらんでいます。このことをはっきり教えていく必要があるのではないでしょうか。

日本の学校は、生徒の喫煙や妊娠が発覚した場合など、すべて、「事が起きてから罰している」感があります。しかも、どちらも発覚した時点で退学になることも珍しくありません。生徒にタバコの害や性病・エイズなどの正しい教育をしていない一方で、問題を起こした者は、学校の「品質維持」のため切り捨ててしまうのです。

退学、となれば、その子や周囲の大人の心に大きなショックを与えますし、次の進路に進むにしても、ダメージから回復する長い時間を必要とします。だから、こういったことにならないよう、適切な教育を施すことは大事なのではないでしょうか。

ただ、こういった問題に関しては、教員内に「寝た子を起こすな」的立場の人も多く、もっと教育をすすめたいと思っても、特に管理職などの上層部に理解がないと、実施できないのも事実です。ですが、無知や間違った知識によって、性病にかかる10代の若者が増え、親の知らない間に妊娠・出産している(!!)未成年が子どもを遺棄して逮捕され、また、「やせたい」などの理由による、若い女性の喫煙率が上昇していることなどを思えば、今手を打たねば、日本の未来に良いことはもたらさないのではないでしょうか。

ですので、「学校で禁煙教育をして欲しい」などの要望を、もっと保護者が積極的に学校に出したり、この分野の専門のNPOの力を借りて、保護者主導の勉強会を開くなど、現場を改善していくことも、大変重要です。

また、学校内の養護教員や保健体育教員が、子どもの相談に乗れる雰囲気を持っていれば良いのですが、そうではない場合、子どもは「タバコを吸ってしまい、やめられない」、「妊娠したかもしれない」、「性病にかかってはいないか」などの問題に出会った時、どうしていいかわからぬまま、ただおろおろする、ということになります。また、子どもの多くが、相談したところで、学校をやめさせられるだけ、という不安も抱えているでしょう。

今は、官民共に多くの相談機関がある現在ですし、困った時は、学校外の大人で、相談に乗れる人をどんどん頼るべきではないかと私は思うのです。保護者の方も、子どもの喫煙や妊娠などで途方にくれてしまったら、積極的に頼って構わないのです。地元の保健所や担当部署に相談してみると、適切な相談機関を教えてくれる場合もありますし、次にあげるサイトを見て、親子で話し合いをすることも重要ではないでしょうか。

たとえば、喫煙をやめる相談に関しては、「インターネット禁煙マラソン」というサイトがあります。
  http://kinen-marathon.jp/
  エイズなら、財団法人・日本学校保健会(http://www.hokenkai.or.jp/index.html)製作の、高校生向けに動画と文章で説明された次のサイトがあります。
  http://www.hokenkai.or.jp/2/2-14/2-14-frame.html
  また、話のできる大人が周りにいない、という人は、私にメールをくれても構いません。tsukinomidori@infoseek.jpまで、お待ちしています。

少子化で各学校のイメージアップが図られている現在の日本では、「問題を起こした子どもは即クビ切り」、と、子どもにとって実はかわいそうな現実をもたらしています。このような状況で、家庭の教育力が落ちている現在、意志ある多くの大人が子どもたちに向かって、「ひとりで悩まないで!!」とメッセージを送ることが大事なのではないでしょうか。

2005.7.25 掲載

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