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第34回 加藤家の掟・PART1「プレゼント」


皆さんは、年中行事ってどう過ごしてますか?

 僕が住んでいる東京都府中市には大國魂神社(おおくにたまじんじゃ)という奈良時代からあると言われている神社があって、 それのせいでかなり細かくお祭りのスケジュールがあり、府中市民はほとんど神社のお祭りに合わせて1年を送っていると言っても過言ではありません。

 加藤家は、母方の祖父の代からの住人なので、100年以上はいることになりましょ うか。その間、きっと、ずっとずっと、毎年毎年、同じお祭りを過ごしてきた、とい うことになります。

 もっとも、僕だってそういうイベントに関して、高校・大学時代は友達と過ごしていた時期もありました。 なんだか、家族と一緒に過ごすとか、昔ながらのお祭りに行くとか、そういうことがカッコ悪いと思っていた、というか、そう思おうとしていた、 という感じですかね。

 でも結局、体にしみついたお祭り好きの血はごまかせません。やっぱり、日本人には祭が大事なんですかね。
 で、そんなお祭り好きの家系に生まれた僕は、自分のこどもができてからは、そのお祭り好きにより一層磨きがかかりました。 何十年も眠っていた鯉のぼりを引っ張り出して、東急ハンズでロープや滑車を買ってきて泳がせてみたのを序の口に、 なによりもクリスマスには体を張っています。


3歳までは欲しいというものをなんでも買ってあげる

 なんと言っても、我が家では「おもちゃはお誕生日かサンタさんにお願いするだけ」と決めています。 そう言うと、「そんなので、よくこどもたちがガマンできますね」と言われるのですが、実はこれには秘密があります。 3歳までは、欲しいというものをなんでも買ってあげるのです。

 そう言うと、「よっぽどお金持ちなんですね」とか「甘やかしすぎなんじゃないですか?」と言われるのですけど、実はこれにも秘密があります。 3歳までに欲しがるものなんて、たかがしれているのです。ゲーム機を欲しがる3歳児なんて、いやしません。 だいたいが駄菓子屋にありそうなもの、高くても、怪獣かぬいぐるみか戦隊ものやヒーローものの武器関連グッズぐらいなものなのです。つまり、上限3000円。

 それを、もう、手当たり次第に買ってあげてるように思いこませるのです。
 今日はメンコ、次の日は自分がこどもの頃に欲しかったウルトラセブンの怪獣、次の日はコマ、 次の日はおとうさんが自分の趣味も兼ねてUFOキャッチャーでお人形、次の日はウルトラ大図鑑、次の日は銀玉鉄砲……てな具合で、 3歳児にとってはもう酒池肉林、物欲大満足の飽和状態にしてしまうのです。1週間のおもちゃ予算、2000円。

 ここで気を付けなければいけないのは、「どうせ壊すから」とか「どうせなくしちゃうから」なんてことを気にしちゃいけません。 こどもは、おもちゃを壊す存在なんです。つまり、おもちゃは壊されるために存在しているのです。 そして、おとうさんは、それを直すために存在してます。壊れたおもちゃを直してあげることで、おとうさんの尊敬度はどんどん増します。 そしてまた、どうしようもなく壊れちゃったものは、こどもの目につかないところでどんどん捨てていきます。 そうしないと、どんな家でもおもちゃで埋まります。そんな覚悟で、とにかく買い与え続けるのです。

 こうして、うまーーくだましながら無条件に(かのように見せかけつつ)おもちゃを買ってあげ、3歳の誕生日を過ぎ、4歳の誕生日が近づくに従って、 「3歳までは、なんでも買ってあげる。でも、4歳になったらもう幼稚園に入るんだから、おもちゃはお誕生日にお父さんがプレゼントしてあげるものと、 あとはサンタさんにお願いするものだけね」と、何度も何度も言い含め続けるのです。 そうすると、「わかった!!」と言いながら、一所懸命高そうな欲しいものを探すのです。

 で、そういう場合にもコツがあって、たとえば戦隊モノとかの番組って、毎年変わって行くじゃないですか。 そういうのを翌年も欲しがったら、「うん、いいよ。いいけどさぁ、去年の●●レンジャーのと今年の▲▲レンジャーのと、どこがどう違うの?」と尋ねます。 そうすると、技の名前とかを言ってきます。そうしたら、「でもさ、お父さんは仮面ライダー■■の××の方が好きだなぁ」と、はぐらかします。 すると、そっちの話題になっていき、そのうえに「でも、お母さんはウルトラマン◆◆◆じゃないといや、って言ってたよね」と、どんどん話を変えていくのです。 するともう、彼はわけがわかんなくなってきて、一刻も早く家に帰ってお父さんたちと遊びたくなっちゃったりするわけです。

 それでもダメなときは、「去年の●●レンジャーのヤツ、おもちゃ箱で眠ってるよう。あれで遊んであげようよう」と一言だけ言ってあげるのです。 すると、意外や意外、しゅんとしてあっさり引き下がったりもするのです。

 もっとも、ウチのヨメの主義としては「おもちゃを擬人化しない」というのがあって、「●●レンジャーの武器が遊んでくれないって泣いてるよー」と いうような言い方はしないように努力しています。これには一理あるな、と思っていて、おもちゃを擬人化することによって本当の「人」に対する思いが薄まる、 ということがあるように思えます。おもちゃは壊してもいいけど、お友達は壊しちゃいけない。それは、ちゃんと伝えておかなければなりません。

 だいたい、おもちゃなんてものは、こどもが本当に欲しがるから買ってあげる、 というよりも大人がこどもに好かれようとして買ってしまうものなのではないでしょうか。 親が、こどもがおもちゃを欲しがる余裕を与える間もなく次から次へと楽しい遊びを繰り出して遊んであげることができるのであれば、 実はおもちゃなんか必要ありません。実際のところ、幼稚園に上がってしまうと、紙飛行機やあやとり、輪ゴム、タオル、 などなど、身の回りのものが全部おもちゃになるので、おもちゃ屋さんで買ってこなければならないようなものはほとんどないわけなんですけどね。
 自分の反省も含めて言えば、親の側の想像力と創造力の欠如というものが大問題な気がします。


4歳になったら、習いたいことをどんどんやらせる

 さて、そんな「3歳までは何でも買ってあげる」という約束をしていた僕は「そのかわり4歳になったら」という約束もしていました。

 まず、「習いたいことが出てきたらどんどんやりなさい。イヤになったらいつでも辞めていいし」と、3歳の頃から言い続けていました。 そうしたら長男は、ドラゴンボールの影響で突如合気道を習い始めました。そして、直後にはピアノ教室へ、自ら志願して行き始めたのです。 しかもその次は英会話……!!  それでも本人は、まだ水泳も習いたいし、お勉強の塾にも行きたい、と言っています。 が、そんなことしたらお友達と遊ぶ時間が無くなってしまうので、当面は文武両道の3本に絞って行かせています。

 ……実は、両親のキャラクターから言って、どうせどれもこれも途中で飽きちゃうだろうと踏んでいたのです。がっ!! なんと、3つとも3年以上続いてるんです……。こんなことなら、おもちゃを買ってあげてた方がお金かからなかったかも……。

 そして次に、これは小さい頃からの話ですが、僕が休みの日には(かなり不定期なのですけど)、とにかく徹底的に遊んであげます。 まず、必ずどこかに外出をします。家族皆でどこそこへ行った、という思い出を無理矢理にでも作るのです。 それも、遊園地なんてお金のかかるところにはめったに連れて行きません。 幸いなことに我が府中市にはたくさん公園や施設があるので、そういうところを転々としていくのです。 時には、近所の町のそういうところに連れて行くこともあります。

 で、どうしても公演中で忙しいときには、劇場に連れて行ってしまいます。みんなにはちょっと迷惑をかけてしまいますが、 ウチのこどもたちは劇場が大好きです。劇団のみんなが劇場内を走り回ってトレーニングしている後にくっついて走り回ってみたり、 楽屋のさしいれのお菓子をくすねてみたり、とにかく彼ら(男の子がふたりです)にとっては「ご機嫌なお兄さん・お姉さんたちが遊んでくれる素敵な場所」として、劇場が写っているようです。

 で、本番中には、ウチのヨメが芝居を見ている間、僕とこどもたちで劇場の近辺をうろちょろしたり楽屋で遊んでいたりするのです。
 特にサンシャイン劇場なんて、こどもには天国です。展望台があって、水族館があって、プラネタリウムがあって。 そんな事情もあってか、ウチのこどもたちは魚と虫と星にはめちゃくちゃ詳しくなってしまいました。
 おっと、脱線。

 長くなってきたので、続きは、次週!!

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