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第35回 加藤家の掟・PART2「クリスマス」


「イベント命」な加藤家としてはずせないのがクリスマス。

 そもそもウチの劇団は、10数年前から毎年12月25日が千秋楽のクリスマス公演というのをやり続けているので、 僕らそのものがサンタクロースの仕事をしているようなものなわけですが、こどもにそんな理屈を言ってもわかりません。 とにかく、プレゼント。そして、サンタさんです。

 ちょうど10数年前から23日が天皇誕生日になってくれたおかげで、23日の公演はお昼だけ。そんなわけで、加藤家のクリスマスパーティーは23日の夜。 ウチの一家(男の子二人)と弟一家(女の子二人)と両親で繰り広げられます(一昨年からはウチの一家だけでやるようになりました)。

 上の子が3歳の頃までは、僕がサンタの格好をして完璧な変装をしてプレゼントを渡していたのですが、その頃、弟の長女が年長さんになっていたので 「あれ、昌史おじちゃんじゃないの?」なんてことを言い始めてしまったのです。
 ぐむむむむむむ。


クリスマスのために半年以上前から伏線を張っておく

 一応、人をあざむき楽しませるプロとして、こどもを楽しませられないのでは男がすたります。
 そこで翌年からは、「客演」を呼ぶことにしました。
 つまり、ウチの劇団員で子供好きな男優に、サンタを頼んだのです。

 まずはいっしょに家に帰り、別室に準備してあった衣裳に着替えさせ、綿密な打ち合わせをしてから僕だけ何食わぬ顔をして「ただいまー」 とパーティー会場に入るのです。そうしたら、すっかりサンタはおじさんだと思いこんでいた弟の長女が、びっくりした表情。 ほーれ見ろ、プロをなめんなよ。そしてしばらくして、打ち合わせ通りに「ホンモノ」のサンタさんが登場っ!!という手はずです。
 これはもう、大当たりでした。

 しかも、その時にプレゼントするものが、半端じゃありません。半年以上前から、伏線を張っておくのです。

 たとえば、今までで一番大当たりだったのが「ウルトラマンダイナ」の変身アイテムである「リーフラッシャー」。 当時、もうすでにダイナは放送が終了していて、「ウルトラマンガイア」も終ろうとしている頃でした。 が、ガイアでウルトラマンにハマッた長男は、当然さかのぼっていってダイナも大好きになったのです。

 で、その変身アイテムが欲しい、と言い出しまして、当時はまだ3歳でしたからいっしょにことあるごとにおもちゃ屋さんをまわり、 「リーフラッシャー」を探したのです。が、もう、店頭には全く売っていませんでした。「 やっぱり、もうずいぶんまえのだから、売ってないんだね」と、思いっきりがっかりさせてあげたのです。
 ところがっ!!

 そこはそれ、私を誰と心得る。もう、近所のおもちゃ屋さんに無いということがわかった時点で、僕はインターネットを使って調査して、 地方のとあるおもちゃ屋さんに売っていることを突き止め、極秘裏に通信販売で購入し、僕の部屋に隠しておいたのです!!

 そして、それをクリスマスまで寝かしておき、長男本人もすっかり忘れていたクリスマスに、サンタさんが 「そういえば、こういちくんは、これが欲しいって言ってたんじゃなかったかな?」と渡したわけですよ。 で、箱に入って包装されているにもかかわらず、「……リーフラッシャー?!」とめんたまをまん丸くして包装紙を破き、出てきたリーフラッシャーを見て絶叫!!

 ……もう、魔法を使っているとしか思えないわけですわ。完全に、アレで長男はサンタさんを信じ切りましたね。


約束が完璧に守られていると、おもちゃ売り場で駄々をこねない

 そして今年度も、お見事でした(←自画自賛)。
 実は長男は誕生日が11月なので、11月に最も欲しいもの……「プレイステーション2」本体と「太鼓の達人」を買ってあげてしまったのです!! (当然、次男とケンカにならないようにコントローラーがわりの太鼓は2つ。)

 その後、「こうちゃん、サンタさんに何お願いするの、もう欲しいモノ、無いんじゃない?」と尋ねると、 「うーーん、そうなんだ、こうちゃん、もう満足」なんて、もう、今までの教育が実ったようなことを言うのです!! うっしっしっしっ!! まんまとひっかかったぜっ!!

 そして、パーティー当日。

 もう欲しいモノはないはずだったこういちくんに、サンタさんがプレゼント。怪訝そうに箱をもらって開けてみると……「デジQ」!!そーなんです ちっちゃいラジコンの車でした。実は前年の春の公演のキャラメルボックスの男楽屋で大流行していたのを見て、めちゃくちゃ欲しがっていたのですが、 もう6歳だったので買ってあげなかったのです。

 もう、飛び上がらんばかりに大喜び(当然、ケンカにならないように次男にも別な種類のラジコンカーをプレゼントしたのは言うまでもありません)。

 このように、嫌われるところではきちんと嫌われて、喜ばせるところではどかんと喜ばせられるように常々家庭内に企画を用意して、 サプライズと笑顔と喜びを1年中散りばめておけば、きっと楽しい家庭になりますし、きっといい子に育つんじゃないかと思うんです。 そして、大きくなったら僕らが彼らにしてあげたことにきっと彼らが気づいて、彼らのやり方で次の世代に伝えていってくれる、そう思いたいのです。 押しつけるんじゃなく。

 ちなみに、この「お誕生日とサンタさん」という約束は本当に完璧に守られています。そのため、7歳と4歳のこども連れ、 というと、デパートとかでおもちゃ売り場の前を通るのがはばかられるのが普通のようですが、ウチは大丈夫です。 だだをこねて泣き出したり動かなくなったりは絶対にしなくなりましたよ。

 是非、お試しください。

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