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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2006年6月19日発行 ━

●━━ 若手国会議員メルマガ 『未来総理』 第169号  ━━━━━━●

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 昨日のワールドカップ日本対クロアチア戦はみなさん見ましたか?視聴率
も50%を超えたようです。決勝リーグ進出を占う大事な試合だけに日本中
が固唾を飲んで見守っていたのでしょう。試合は引き分けと、ある意味厳し
い結果でしたが、最後のブラジル戦は頑張って奇跡を起こして欲しいもので
す。

 今回は福島みずほ議員の原稿をお届けします。

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  目次
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■「でたらめな国会」
          福島みずほ(参議院議員・社民党・比例)

◎編集後記
◎次号予告
◎未来総理メンバーの紹介

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■「でたらめな国会」
         福島みずほ(ふくしまみずほ・参議院議員・社民党・比例)
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 今年2006年の通常国会は、1999年の通常国会をバージョンアップしたひど
い国会です。

 1999年に5つの悪法が成立しました。
(1)周辺事態法(2)君の丸・君が代国旗・国歌法(3)盗聴法(4)国会法を改正し
て、衆・参議院に、憲法調査会を設置する(5)住基ネットを作る住民基本台
帳法改悪法の5つです。

 これが、今年は、(1)在日米軍基地の再編(2)教育基本法改悪法案(3)共謀
罪(4)憲法調査特別委員会での国民投票法案づくり(5)入管法にバージョン
アップして、ひどい法案になっています。
 共通しているのは、選挙のない年ということです。

 選挙のない年に、怖いものはないとばかりに、「この国会凶暴につき」と
どんどん悪法が上程されていきます。とにかく法案を提出し、あわよくば強
行採決、悪くて継続審議というめちゃくちゃな状況です。

 小泉首相に共謀罪のことなどで質問をしました。「『この男凶暴につき』
と言われるようなことをしないで下さい。現代版治安維持法と言われる共謀
罪を成立させた総理大臣として歴史に名を残さないで下さい」と訴えました。

 共謀罪とは、話し合っただけで犯罪が成立するというものです。犯罪は
「はじめに行為ありき」です。「行為」があってはじめて、処罰するのです。
殺人や放火、強盗などは、予備罪を処罰しています。しかし、これは「包丁
を買う」といった行為を処罰するもので、思っただけで処罰するものではあ
りません。

 私は、法律家としても「やっていないことをどう裁判で立証するのか」と
思います。組織的威力業務妨害罪も風説の流布も全部話し合っただけで処罰
されます。「工場の前で集会をしよう」と話し合っただけで成立する可能性
があります。
 しかし、やってないのですから、果たしてその話し合ってやろうとしたこ
とがその犯罪にあたることをどう立証するのでしょうか。
 しかも共謀罪は話し合っただけで既遂となります。

 法務省は、社民党に話をしたときは「組合やNGOに対しても、共謀罪は適用
の余地があり得る」とさえはっきり言いました。
 共謀罪は、まさに現代版治安維持法です。「共謀」というのは、「目くば
せ」でも成立し得ると、法務省は委員会で答弁しました。社民党は、唯一そ
もそも条約に反対し、共謀罪は近代刑法をこわすと反対をしてきました。

 共謀罪があまりにもひどいために、与党は2回修正しました。民主党も修
正案を出しました。今まで共謀罪は2回廃案となり、今国会で何と3回強行
採択されようとして何とかみんなの力で阻止をすることができました。

 6月1日(木)は大変危機的となりました。自民党の細田国対委員長が、民
主党の渡辺国対委員長に、民主党案を「丸飲み」するから、成立させようと
持ちこんだのです。一応OKが出たと言われています。民主党の修正案に、そ
の後問題が出たことを盛り込むので、6月2日までに出してくれという全く
の白紙委任状の「丸飲み」です。こんなことがあるでしょうか。

 共謀罪は、刑罰法規なので、人を処罰することができるわけです。人を逮
捕し、処罰できる法律を「丸飲み」で明日成立させるから何でも言ってくれ
というのは、あまりに無責任で恐ろしいです。
 これを聞いて驚きました。6月2日に民主党も同意して成立するかもしれ
ません。同意があれば「強行採決」とならず、すぐ参議院に送られ、参議院
ですぐ成立ということになりかねません。

 社民党として記者会見し、「採決に応じないよう働きかける」と言いまし
た。夜、民主党の小沢さん、鳩山さん、菅さんに連絡し、「採決に応じない
で欲しい」と話をしました。
 ところで、あっと驚くことに自民党のなかから「今回は民主党の案を丸飲
みするけれども秋の臨時国会でまたもとに戻す改正をすればいい」という言
葉がもれてきました。全くひどい。詐欺商法ではないですか。民主党も怒り
結局自民党の詐欺商法に民主党がひっかからなくて良かったです。

 6月2日(金)、1時から3時までの法務委員会が開かれず、理事懇談会が
続きます。夕方、与党だけで委員会が始まりました。「与党が民主党案を強
行採決するのではないか」という説も出てきました。まさか!

 結局採決しないまま終わりました。

 与党の迷走ぶりはひどかったです。どういう考え方で、どういう法案を作
るのか答弁も含めて迷走し続けました。条約を批准しても、共謀罪を作る必
要はないのです。ひどい法案を作る必要はないのです。

 それにしても政府・与党の迷走はひどいです。数のおごり、ゴーマンとし
かいいようがありません。自民党が「民主党を丸飲みにする」と言ったら、
外務大臣は「民主党では条約を批准できない」と記者会見をしました。ホー
ムページで民主党案を一貫して批判してきた法務省はどうするつもりだった
のでしょうか。
 はっきり言ってグチャグチャです。

 政府と与党の間で全く見解が違うのですから。法律、なかでも刑罰法規を
軽く扱う与党は、もはや政権担当能力はないのではないでしょうか。
 ひどいことの起きる国会でもでたらめのひどいことです。

 ともあれ共謀罪が成立しなかったのは、人々の声とか、そしてメディアの
力です。これからもがんばるとともに、共謀罪、国民投票法案、教育基本法
改悪法案など憲法改悪につながる大悪法の廃案をめざしていきます。

 ◆福島みずほホームページ http://www.mizuhoto.org/

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 編集後記                吉永歩 (ロゼッタストーン)
────────────────────────────────☆★
 今回福島議員の原稿に出てくる「共謀罪」「教育基本法改正」「基地再編
問題」などは、よくテレビや新聞等で報道されていましたので、目にした方
も多いでしょう。テーマが身近なものであるため、気になる問題です。私個
人としては、実際にこのような法律がどう運用されていくのかわかりません
が、使い方によってはとても恐ろしいものになるような気がします。みなさ
んはどうお考えでしょうか?

「未来総理」へのご意見、ご質問は souri@rosetta.jp までお気軽にどうぞ。

※今後、参加議員のスケジュールの都合により原稿が集まらないときは、休
 刊とさせていただきます。ご了承ください。
 また、いただいたご意見は、「未来総理」のほか、「ロゼッタストーンWEB」
 の感想掲示板にも掲載させていただく場合があります。

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 次号予告
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 次回の配信は、7月3日(月)です。

 福島 豊議員  小池 晃議員  近藤昭一議員  鈴木馨祐議員

 が登場する予定です。

 ※内容は変更する場合もあります。ご了承ください。

◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 未来総理メンバーの紹介
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 「未来総理」には、超党派の20名が参加しています。   (敬称略)
 (★:新参加議員)

 ◇衆議院
  泉 健太(民主党・京都)★    上田 勇(公明党・神奈川)
   近藤昭一(民主党・愛知)     末松義規(民主党・東京)★
  鈴木馨祐(自民党:比例南関東)★
  下地幹郎(無所属・沖縄)★    達増拓也(民主党・岩手)
   長島昭久(民主党・比例東京)    西村康稔(自民党・兵庫)
   福島 豊(公明党・大阪)     細野豪志(民主党・静岡)
  村井宗明(民主党・比例北信越)★
  渡辺 周(民主党・静岡)★

 ◇参議院
  荒木清寛(公明党・比例)      有村治子(自民党・比例)
  小池 晃(共産党・比例)     桜井 充(民主党・宮城)
   福島みずほ(社民党・比例)    藤末健三(民主党・比例)
  松下新平(無所属・宮崎)

詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、
ロゼッタストーンWEBページで公開しています。プロフィール
各議員のホームページにもリンクしています。

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〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−26−9−507 株式会社ロゼッタストーン
発行人:弘中百合子 編集人:吉永歩
Copyright(C) ロゼッタストーン   許可無く転載することを禁じます
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