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第3回 年金は、働けば、働くほど損をするのか? part2
(老後に必要な生活資金って実際はいくら?)


保険会社や証券会社が老後生活費の目安として説明する場合、次の説明をします。

  1. 標準世帯の年金見込額は、1カ月夫婦あわせて
    約229,000円(平成25年10月時点 厚生労働省発表資料)

  2. これに対して、老後に必要な生活資金は、
    約283,000円(平成24年度 総務省発表資料)

  3. ゆとりある老後の生活をするなら
    約366,000円

年金だけなら、全く足りません・・・・・・・・ほんまかいな?

ゆとりある老後生活をする事はともかく、日常生活をするにしても、年金だけでは毎月54,000円も赤字です。

一年で
  54,000円×12カ月=648,000円

老後20年とすると
  648,000円×20年=12,960,000円

つまり、夫婦ともに65歳になった時点で、約1,300万円貯蓄がないと、老後生活をおくれない事になります。

60歳代の平均貯蓄額は約2,000万円です。
  しかし、この金額は一部の高額貯蓄者が平均値を押し上げています。中心値を見ると1,500万円です。理論的には大丈夫ですね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんなわけないやろーーーーーーーーーー("''<×

読者の皆さんの中で、1,500万円も貯蓄がある家庭がどれだけありますか?
  ほとんど無いと思います。

銀行が年金振込口座を獲得するために注力するのは、年金振込口座を獲得すると、ほぼその口座が家計の中心口座となり、平均500万円ぐらいの貯蓄額が見込まれるからです。

つまり、実態としては、65歳以降の貯蓄額は500万円ぐらいだと推定できます。

老人の方から「せめて葬式費用ぐらいは、貯めておいて、子供に迷惑をかけないようにしたい」という話を聞きます。葬式に500万もかかりませんが、老後生活に入り、贅沢をしなかったら毎月少しずつ貯蓄が増え、気がついたら500万円位になるというのが実態です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・退職金が あるヤンーーーーーーーーーーーー(<>;

確かに、大卒で勤続20年以上かつ45歳以上で退職した人の退職金の平均は約1,900万円です。定年前に退職する人を考慮すると、定年退職する人の平均は2,000万円ぐらいです。
  同様に高校卒の管理・事務・技術職の平均は約1,700万円、現業職は約1,100万円となっています。
  すると、退職金があるからほぼ大丈夫になります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・うちの会社には退職金あらへんーーーーーー(×××

そうです。ほとんどの会社はこんな高額な退職金はありません。中小企業では40何年勤務の人が定年退職で1,000万円を超えるか超えないかぐらいです。日本のサラリーマン・サラリーウーマン・ビジネスパーソン呼称はともかく、1,000万円を超える退職金をもらえるのは大企業を定年退職する人だけです。つまり、少数です。
  また、退職金が1,000万円以上あっても、定年退職時に退職金で住宅ローンを精算したりすると、老後に必要な1,500万も残りません。
  つまり、日本人はみんな、老後にひもじい生活をして、貧困にあえぐわけです。。。。。。。

そんな事にならないように、若いうちから、貯蓄をしましょうとか年金保険に入りましょう。。。。。。
うーーーーーん、若い時や現役の時は,子供の事や住宅の事でとても貯蓄なんてできない、どうしよう?

ですよねーーーーーーーーーー

実は、この話は数字のトリックです。保険会社や証券会社が嘘をついているわけではないのですが、適正な数字を使っていません。

2.の金額は総務省が調査した結果の数字ですから、実態の数字です。すると、1.と比べて毎月54,000円赤字になるわけですが、年金以外に収入が無くなった老後において、毎月54,000円も赤字を出し続ける生活をできますか?

っつーか、現役世代でも1カ月だけ54,000円の赤字なら何とかなりますが、2か月連続で54,000円も赤字を出したら真っ青ですね、3カ月連続となればパニックです。

実は1.の金額が適正ではないんです。1.の金額は厚生労働省が発表している数字ですから、正しい金額です。40年間夫が会社員で妻が専業主婦だった場合の65歳以降の夫婦の年金見込額です。ところが、実態は、平成24年3月時点で65歳時点の年金の平均は

男性 約189,000円
女性 約111,000円
夫婦合計 約300,000円

となります。実態としては、夫婦で毎月300,000年の年金で、毎月283,000円の生活を送っているわけです。毎月17,000円貯蓄ができる計算ですね。

17,000円×12カ月=204,000円

1年で20万円余裕資金ができるのですから、お孫さんの祝い事等の資金として使えるわけです。半額を余暇やお孫さんに使ったとして、残りの半額の約10万円を貯蓄にまわすとして、老後20年で約200万円たまります。
  ちまたで良く聞く、おじいちゃん・おばあちゃんの話とあったでしょう。

一般的には、皆さん年金収入の範囲内で老後生活をしています。 無理に保険や、投資で資金を増やさなくても、普通にしていれば普通に生活できるようになります。

老後に3.のような余裕のある生活をしたい人は、頑張って貯めましょう(^^)


さて、今月の本題・・・・・・・・・・・・・・って、やっとかい!!!

在職老齢年金は、お給料が1万円増えれば、年金が5千円減るシステムです。だから、働けば働くほど損をするというシステムではありません。終わり。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今月は前振りで疲れたから、続きは、また今度!
  来月は平成26年4月からの年金改正です。


2014.1.11 掲載

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