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Vol.16 - 偏差値27からの再起 〜 僕はニート6 〜


image元殴られ屋"ハレルヤアキラ"
この人を今、僕は全力で応援している。
(※僕が編集するWEBマガジンフリースタイルライフ
http://www.freestyle-life.net/ にてハレルヤさんや弘中さんへのインタビューが載っているので是非見てください。)
この人を応援し、かなうならばもう一度幸せな人生へと歩くことの出来る道に戻ってもらう。
実現させる為には様々な困難のこともあるでしょう。
でも先のことは誰にもわからない。
言い換えればどんな状況にでも可能性はあるということです。

現代において"人を信じる"という行為は"バカである"という行為と同義。
こんな寂しい風潮にハレルヤさんを通してNO!という言葉を言いたい。
しらけた大人たちにハレルヤさんの人生を見せてやりたい。


***


高校を卒業して何もない4月を過ごし
孤独と無力感で焦燥する5月を経て
早くも力尽き、引きこもりと化す6月を迎え
7月になり僕は完全に打ちのめされきっていたのを覚えている。

きっと何とかなるだろうとタカをくくっていた現実社会の壁は想像以上に厚く、結果的に言えば僕はその壁に指を引っかけることさえ出来なかった。
これは僕に相当なダメージを与えた。
頭の中では自分はなんとか出来る人間だと思っていたのに、現実的には完全にダメ出しされる。
お前はダメなんだと体で理解させられる。
恐ろしいエネルギー量でへこまさせられる。
僕の全身はどっぷりと無力感に漬け込まれていた。

毎日毎日ものすごい無力感で何もする気がしない。
いや何もする気がしないのではなく、実際、何もすることがない。
そしてもうここまで来ると食事をするのさえ嫌になる。
カロリーを使う必要がない状況でカロリーを摂取することに不潔感を感じ、ほとんどもう拒食症みたいになる。
食べても体が拒否して吐く。
働かざるもの喰うべからず。
肉体が勝手に罪の意識を感じ僕の体を罰しているかのようだった。

imageこの頃は極限の空腹状態になると仕方ないのでカロリーメイトを一齧りしては寝転んでいた。
カロリーメイトのグレープフルーツ味。
なんだか今となっても切ない味。

食事はめったにしなかったが酒はよく飲んだ。
親の金で買ったトライアングルかなんかの焼酎を二日にいっぺん大量に飲んだ。
何で二日にいっぺんかと言うと、一日大量飲酒して次の日は二日酔いで吐き通しで一日潰れるから。だから二日にいっぺん。
そんな愚かなことしかすることがなかった。
蒸し暑い初夏の夜。
夜中の街を彷徨うエネルギーももう無く。


そんな無為の日々の中、ある日突然、僕の生活に少し変化が現れる。
そしてそれが結果的に僕をもう一度奮いたたせることにつながる。
それはこういう出来事。

母親が体調を崩す。

僕には肉親は母親しかいなかった。
その母親が体調を崩した。
おそらく過労だと思う。
そして心労。

家の中で腐ってゆく息子のことをそれでも立ち上がると信じ、女手ひとつで必死に働いて家を守る。
いくら明るく装っても、その無理がたたったのだろう。
内心はストレスの塊だったのだろう。
だから当然なのかも知れない。
とにかく彼女は体を壊した。

この出来事は僕のことを激しく揺り動かした。
なんて自分は情けない存在なのだろうと最後の一撃を喰らった気分だった。
しかし、それが結果として僕の目を覚まさせることにつながったのはもしかしたら幸いだったのかも知れない。

僕はもう一度起ち上がらなければならない。
強くそう思った。
そして少なくとも母親に心配をかけない人間にならなければならない。
自分で自分の酒を買うような人間にならなければならない。
自分で自分の飯を喰えるような人間にならなくてはいけない。
自分自身の力で強くこの世界を渡りきれるような人間にならなくてはならない。

そしてその出来事があってから僕は決意した。
偏差値27からの再起を。
高校を卒業して3ヶ月 7月を前にした初夏のことだった。



MIZK2005-12-18
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