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Vol.18 - 我流で突き抜けろ 〜偏差値27からの再起3〜


正月が終わり毎年1月はどうも調子が出ない。
なんかこうダラダラしてしまう。
35という年齢になって結婚して子供が出来て世間で言えばどう見ても立派のおっさんだ。
立派なおっさんなんだけど、どうにも自分に甘い幼稚なところがあるなと最近とみに思う。
これは僕の世代の特徴なのかもしれない。
要は平和ボケしてる。
不景気だなんだって言ったって空から爆弾がふってくるわけでもない。
やっぱり平和なんだ。
いや、でも、もしかしたら平和と思いこまされているだけなのかもしれない。
どこかの誰かに。
そんなことを正月ボケした頭で夢想する今日この頃。


***


18才、無職。
行き場をなくし、
絶対無理と誰からも烙印を押された僕の受験勉強は進む。
予備校にも頼らず、先生と呼べる人もいないなか、ただひたすら我流でつき進む。
この時点で7月。
受験日は翌年の2月頃。
勉強できる時間は半年のみ。
そしてスタート地点は奇跡的なくらい低い数値、偏差値27。
絶望的とも言える数値、偏差値27。
僕と僕の母親以外は誰も信じない無謀な挑戦。
まわりはさぞや冷めた目で見ていたことでしょう。
現に僕は時折そのプレッシャーでノイローゼになりそうになった。
その遠い道のりに夜な夜な耐えられなくなりそうだった。

だけど。。。だけど。。。。

ここでてっとりばやく結果から言うと僕はありがたいことに半年後に願いどおり大学に受かる。
学習院大学と東洋大学と関東学院大学の3つを受けてそのうちの東洋大学と関東学院大学に受かり結果的に東洋大学社会学部に進学する。
東洋大学というといわゆる日東駒専といわれて決してハイレベルな大学ではないんだけど、いや、でも合格して僕は本当に嬉しかった。
飛び上がって喜んだ。
これでもう一回生きられる!って。
もう一回みんなと同じように人生というものに参加できる!って。
最初から頭いい人はなんだそんなこと大げさなって思うだろうけど、僕みたいな地べたから見上げていたもの、何にもなれなかったものにとってそれは本当に本当に嬉しいことだった。

27だった偏差値はなんと最終的に65くらいまで上昇。

僕の勉強方法は本当に我流だった。
朝6時に起きて夜12時までただひたすら勉強する。
半年しかないから国立は最初から頭になかった。私立文系一本槍。
先生がいなかったからただひたすら参考書に可能性を求めた。
そこで出会った一冊の参考書が全てを決めたのかもしれない。
それは語学春秋社という会社が出している実況中継シリーズ。
これの日本史シリーズがとにかく良かった。
内容も面白いし僕にとっては、これがまさに僕の学校だった。
受験を成功させるプロセスがときには冗談まじりで書かれている。
受験で悩む人には間違いなくおすすめできます。
ドラゴン桜とかより全然いい、大変すばらしい参考書だったと思う。
とにかくこれで日本史に関してはひたすら突き進んだ。

英語に関しては問題集5冊を全て完全暗記するという方法をとった。
これそうとう効果的。
試験というのは早い話、決まったパターンの組み合わせ。
もうめんどうくさいから理論ではなく、そのパターン全部憶えちまえ!って決めた。
やってみると意外と出来た。
僕の勉強理論は格闘技と一緒。
格闘技で一番大事なのは条件反射。
頭ではなく体で覚える。
パンチが来たら頭より早く体を反応させる。
試験も一緒。
繰り出される設問という攻撃パターンは決まっている。
そのパターンに体をあわせる。

image もう一つ英語に関して徹底的にやったのはこれ。
英語のストーリー小説一冊を辞書を片手に完全に読みこむ!
ここで大事なのが“ストーリーがある。”ということ。
英字新聞とかはダメ。
難しいしつまらないしすぐやる気なくす。
とにかく次が読みたくなるストーリーもの。
僕は読んだのはシドニーシェルダンの“THE CHASE”という本。
面白いんだよね。
それで慣れてくると楽しくなってくる。

国語はいい機会なんで、日本の文学と呼ばれるものをほぼ一通り読むことを勉強にしてしまった。
でも正直あんまり面白くなかった。。。

こんな感じでとにかく我流。

そしてこの“偏差値27の大ばか野郎がたった半年で受験をなんとかした”
という噂は自然に流れたらしく地元の予備校から“うちで講師をしてもらえませんか?”とスカウトの電話が来たりした。
大変愉快だった。
そしてそういう話に喜ぶ母親を見るのも、うん、まあ悪い気分じゃなかった。

でも嫌なことも多々あった。
僕のことをさんざんバカにした人々のほとんどが一浪しても大学には受かりはしなかった。
(※このことは本当に印象的で僕の頃の大学受験というのがいかに厳しかったかがよくわかる。)
そして同時に凄く彼らから嫉妬されたのを覚えてる。
“なんで俺じゃなくお前が・・・”と言われるのはざらで、
中には露骨に“あいつきっと何か裏で不正したんだぜ”と陰で言うような人も。
でも当の僕から言えば、心の底から“何言ってやがんだ!”という気持ちでいっぱいだった。
僕はこの受験で失敗したらオーバーでなく自殺しようと思ってた。
自分の存在全てをこの受験に賭けてた。
そんな僕から見るとまわりの予備校に行っている彼らがひどくぬるく見えた。
親に予備校に通うお金を出してもらい、予備校に通うだけで勉強している気分になり、空いた時間ではタバコを吸い、酒を飲み、パチンコにいったり、友達と遊び、女の子とデートしたり。
そりゃ無理だよ・・・
そんなに甘くないって・・・

とにかくそんなこんなで僕の18才第一期、暗黒期の幕は閉じた。
でも実はここからが人生のスタート。
僕の人生にはもっと大変なことが待っているとはまだ知らなかった。。。



つづく


MIZK2006-1-3
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