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2002年8月1日発行(毎週木曜日配信)
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          女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』第37号

  ***   ***  人と顔を合わせると「暑いですねえ」が合言葉のように
 *****v*****  なっています。今年も猛暑が続きそうですね。
 ***********  7月31日に閉会した通常国会では、88件の法案が成立
  *********  したそうです。話題になっている法律はそのうちの一部な
   *******  ので、意外に多い気がしませんか?
     ***  ヴィーナス議員たちも、それぞれ法律づくりに取り組んで
      *  います。どの法律が実現するのか、楽しみです。


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  目次
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■いま力を入れているのは「男女共同参画政策」の出版作業
   水島広子(衆議院議員・民主党)

■子どもに安全な遊び場・遊具を
   瀬古由起子(衆議院議員・共産党)

■不正を告発した人を保護する法律を作りたい
   川田悦子 (衆議院議員・無所属)

■「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

■編集後記


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  ヴィーナス議員たちはいま、何に取り組んでいるのか?
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 「ヴィーナスはぁと」創刊から、すでに9カ月以上経過しました。熱心に
読んでくださっている方は、それぞれの議員の個性や得意分野が、だんだん
わかってきたのではないかと思います。
 今回は、「最近力を入れていること」や、「いま作りたい法律」について
原稿を書いてもらいました。「なるほど。この人らしいなあ」と感じた人は、
かなりの「ヴィーナスはぁと」通です。


■◇■==============================================================
いま力を入れているのは「男女共同参画政策」の出版作業
                水島広子(衆議院議員・民主党・栃木)
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 政府提出の「心身喪失者医療観察法案」(精神障害ゆえに重大な犯罪を犯
した人についての法案)への対案として議員立法を提出し、質問と答弁の両
方をこなしながら、密度の高い審議を続けてきましたが、会期末を控え、審
議も一段落しました(臨時国会への継続審議となりました)。

 目下、最も力を入れているのは、民主党の「男女共同参画政策」の出版作
業です。私は、民主党の男女共同参画調査会の会長をしています。つまり、
民主党の男女共同参画政策の責任者という立場です。

「男女共同参画政策こそ、日本再創造のカギ」をスローガンに、昨秋より、
政調会長(民主党の政策責任者。岡田克也衆議院議員)と共に作業を続けて
きました。

 年金、税制、社会保障、雇用・労働、育児、介護、医療、性と健康(リプ
ロダクティブ・ヘルス/ライツ)、教育、制度や慣習、国際援助、国際条約、
という全ての政策分野を、男女共同参画という視点から組み立て直し、政策
のパッケージとして提案しようとするものです。

 つまり、私たちが政権をとったら、女性と男性の生活はこういうふうにな
ります、ということが具体的にイメージできる政策集なのです。8月末には
イラスト入りのきれいな冊子として仕上がる予定です。

 今まで、男女共同参画政策はいろいろなところで作られてきましたが、政
党のメインの政策には入りにくかったと理解しています。今は、国際援助の
領域でも、「ジェンダー主流化」(政策決定の中心に、男女共同参画という
視点を据えること)が常識になってきています。

 今回の政策も、そのような観点で、民主党の政策の主流にのせられるよう
に手続きを進めてきました。8月末にできましたら、ぜひ皆さんもお手にとっ
て見てください。

 女性も男性も固定的性別役割分業の中に押し込められず、自分らしく生き
生きと安心して暮らせる社会を共に作りましょう!


■◇■==============================================================
「箱ブランコは公共の遊び場に適さず」と業界が製造撤退宣言
子どもに安全な遊び場・遊具を
               瀬古由起子(衆議院議員・共産党・東海)
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 去る6月12日、私が副会長をさせていただいている「子どもたちの楽し
く安全な遊び場を考える議員の会」が発足しました。

 欧米にはある遊具の安全基準が日本にはありません。そのために多くの子
どもたちが遊び場で命を失っているのです。

 米国では、例え遊具から落下しても致命的頭部外傷を防止できるよう、遊
具下の地表面を衝撃吸収素材に置き換える等にとりくんでいます。公園には
怪我をすれば、子ども自身も連絡できる掲示板がたっていて小さい事故も報
告されるしくみがつくられていますが、日本では、遊具関連の事故の実態で
さえ、明らかではありません。

 この問題を取り上げる出発点になったのが「箱ブランコ」での事故でした。
「箱ブランコ」って、遊園地でみかける「対面式のゆりかご型」です。

 このブランコは、多くの子どもたちが乗って動かすと、重さで勢いがつい
て制御できなくなり、ブランコから振り落とされてブランコと地面に頭を挟
むという死亡事故などが多発しています。60年代以降で67件の重大事故
が起き、22人が亡くなっているのです。

 業界団体「日本公園施設業協会」が、この度、とうとうこの箱ブランコを
「公共の遊び場にふさわしくない遊具」と認め、製造中止を発表しました。
ようやくです。

 箱ブランコは海外にはありません。箱ブランコは「設計を変えても重大事
故になる危険が排除できない」というのが業界の結論だそうですが、それな
ら以前から解かっていながら、基準も作らずに放置し、亡くなった22人や
多くの子どもたちが傷ついた責任(身も心も)が国も業界も問われなければ
なりません。

 安全基準の法制化は急がなければなりません。「子どもに安全な遊び場を」
つくることは、私たち大人の責任でもあります。危険だから遊び場を禁止す
るのでなく、子どもの遊び心を生かしながら死亡・重傷事故は減らすことは
できるのです。


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 不正を告発した人を保護する法律を作りたい
               川田悦子 (衆議院議員・無所属・東京)
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 現在、多くの人々は政治に対して怒りと同時にあきらめの気持ちを抱いて
います。私自身、息子が治療に使用した血液製剤でHIVに感染させられた
事実を知ったとき、深い悲しみと絶望に陥り、なかなか希望をみいだせませ
んでした。でもとにかく息子のいのちを守らなければならないと泣きながら
歩き出したのです。

 その後、エイズ予防法(らい予防法を下敷きにしたひどい人権侵害の法律)
の反対運動や裁判をおこなってきました。そのたたかいの中で学んだことは
「あきらめない」ということ、「声を上げていこう」ということでした。

 薬害エイズがなぜ起きたかといえば、それは、「情報の隠蔽」と「患者の
命より製薬企業の利益を優先した行政」「政官業の癒着の構造」にありまし
た。だから、私は何よりも命や人権を大事にする政治をつくっていきたいと
思っています。

 その具体化が「内部告発者保護法」(または「公益開示法」)の制定です。
既にアメリカではホイッスルブロワー法(「笛を吹く人」「警告を発する
人」)、イギリスでは「公益開示法」がつくられています。「公益開示法」
とは不正を告発した人を保護する法律です。

 薬害エイズだけでなくその後の狂牛病問題、三菱自工のリコール隠しや雪
印の牛肉偽装事件なども、内部の人は重要な情報を持っていました。ところ
が、それが外に出てこなかったため、甚大な被害が発生しました。

 内部にいる人が「おかしい」と言えなかったために多くの人が犠牲になっ
たのです。
しかし、勇気を持って内部告発をしている人々は少なからずいます。

 ところがそのような人々は職場ではひどい苛めにあったり、賃金差別など
の嫌がらせを受けています。見せしめのようなことが平然とおこなわれてい
るのです。それでは後に続こうとする人は躊躇し、よほどの覚悟がないとで
きないということになってしまいます。

 そんな社会では重大な事故や事件を未然に防ぐことは困難です。まず、勇
気を持って立ち上がった人を守る法律が必要です。

 「内部告発者保護法」は今後、この日本にとって大きな役割を果たしてい
くと思います。それは重大な事件の防止のためだけでなく、多種多様な価値
観を持った人間を認め合える社会の実現につながっていくからです。

 「内部告発者保護法」は制度上の問題だけでなく、日本の思想的な観点か
らも極めて画期的であり、重要なものとなると思います。

 私は議員になってすぐにこの法案の必要性を訴えつづけてきましたが、こ
の法案については内外のマスコミなどでも取り上げるようになってきていま
す。

 今年4月に法律家とも連携し、要綱をまとめ、発表しました。これは朝日新
聞の社説(6月2日)でも取り上げられ、大きな反響がありました。

 ただ急いで議員立法することには注意が必要だということも今回、学ぶ機
会がありました。議員立法の法案は様々な取引材料に使われ、本来の立法主
旨とはまるで違った内容の法案にすりかえられてしまう危険性があるという
ことです。

 国会では数の論理が通用するわけですから、そこを突破するには世論の後
押しがなくては骨抜きになっていきます。これからの議員立法活動は、国会
内だけでおこなうのでなく、多くの人々と議論し、法案の目的そのものを実
践していく行動のなかでとりくんでいくことが重要になってくると思います。

 つまり立法過程そのものが非常に重要だということです。そのような実践
のなかで、法律は法律として生きたものになっていくのでしょう。人々の暮
らしのなかに溶け込んでこそ、意味を持ってくるのだと思います。

 そしてそのような立法活動の中で、真の政治家が誕生してくるのだと思い
ます。


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  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
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「ヴィーナスはぁと」に参加してくださったのは、次の16名の方々です。
詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
ホームページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/

 ◇衆議院
  川田悦子 (無所属・東京)  瀬古由起子(共産党・東海)
  武山百合子(自由党・北関東)  松島みどり(自民党・東京)
  水島広子 (民主党・栃木)  山内惠子 (社民党・北海道)
  山口わか子(社民党・北陸信越)

 ◇参議院
  有村治子 (自民党・比例)  井上美代 (共産党・東京)
  岡崎トミ子(民主党・宮城)  小宮山洋子(民主党・比例)
  千葉景子 (民主党・神奈川)  八田ひろ子(共産党・愛知)
  広中和歌子(民主党・千葉)  福島瑞穂 (社民党・比例)
  吉川春子 (共産党・比例)

                         計16名(敬称略)


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  編集後記
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 一見、普通のブランコよりも安全そうに見える箱ブランコで、22人も死
亡者が出ていたとは驚きです。最近話題になっているダイエット薬もそうで
すが、「危険!」という情報が、もっと早く世の中に浸透する方法はないも
のか…と思ってしまいます。

 「ヴィーナスはぁと」には、命に敏感な議員が揃っていますから、「あま
り知られていないけど、実は危険なもの」をご存知の方は、どうぞ教えてく
ださい。「内部からの告発」も歓迎です。

 夏の水の事故にも、どうぞ気をつけてくださいね。

                   (ロゼッタストーン・弘中百合子)

ご意見、ご質問はvheart@rosetta.jpまでお願いします。

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■次号予告
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 次回は次の方々が登場します。

 ◆松島みどり議員(自民党)
 ◆井上美代議員(共産党)
 ◆山口わか子議員(社民党)
 ◆岡崎トミ子議員(民主党)

※議員の顔ぶれは変更する場合もあります。ご了承ください。


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女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』
 編集長:ロゼッタストーン 弘中百合子
 発行 :株式会社ロゼッタストーン
     (〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101)
Copyright(C)ロゼッタストーン 許可無く転載することを禁じます
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