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         女性国会議員メルマガ『ヴィーナスはぁと』 第115号

  ***   ***      私たちは今、価値観が大きく変化しつつある時代を
 *****v*****   生きています。「今までどおり」が通用しない世界は
  *********    面白くもあり、不安でもあります。政治の世界でも、
   *******   いろんな大きなことが決まろうとしています。政治家に
    ***    まかせるだけでなく、私たち自身が国のあり方を考え
      *     なければいけない時代なのだと思います。

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  目次
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■ 「小手先の改革では人々の満足は得られない」
   広中和歌子(参議院議員・民主党・千葉)

■ 「中国買春ツアーに見る日本企業と警察の“女性の人権”感覚」
   吉川春子(参議院議員・共産党・比例)

■  編集後記

■ 「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧

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 「小手先の改革では人々の満足は得られない」
                 広中和歌子(参議院議員・民主党・千葉)
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 今、日本人の多くが自分達の描いてきた人生設計、或いは人生のよって立
つ前提が崩れ始めていると感じている。そして、それが現在出口の見えない
不況と重なって、何とはなしの不安の蔓延に繋がっているのではないだろう
か。

 戦後から50年、男性にとっては経済成長は続くもの、終身雇用、年功序列
賃金など“日本的雇用”は当然守られるものという前提があった。女性の場
合も、結婚は一生のもの、家庭の中にあって家事、育児にいそしめばその労
は報われ、一生平和に幸せに暮らせるという暗黙の了解があった。だから、
男性は“良い”学校を卒業し、“良い”企業に就職するために一生懸命頑張っ
た。女性の場合、そうした良い企業に就職した人と結ばれれば
“happily ever after”の人生が待っていると思っていた。

 しかし、その前提が揺らぎ始めた。まず第一に経済成長は必ずしも永遠に
続くものではないということ。企業の中にも栄枯盛衰があること。そうした
中で、終身雇用や年齢と共に昇給する賃金体系を維持できない企業が出始め
ていること。厳しい経済状況の中で労働生産性に見合った給与体系に変えて
いきたいという希望が雇う側にある。

 女性の場合も、家事、育児だけでは女性の能力、エネルギーにおつりがく
ることがわかってきた。子どもの数は2人、せいぜい多くて3人。彼らが小学
校に上がれば、その時間、学校が面倒をみてくれる。母親業はパートとなり、
電化製品の普及で家事も楽だ。そうなると、女性も家庭の外での生きがいあ
る仕事、その仕事に応じた報酬を求めたとして当然だ。自分自身で稼いだ給
料の重みは大きい。

 しかし、そこでぶち当たるのは“日本的雇用”の壁である。能力に見合っ
た賃金、同一労働、同一賃金を求める女性からの声はかき消されがちだ。働
く意欲のある女性をパート、不正規雇用という形で安く雇ってきた企業は、
不況の中、男性にも目を向け、人材の買い手市場を逆手に、正規社員よりパー
トあるいは任期付雇用に次第にシフトしている。

 これが今の日本の雇用状況であり、そうした中で多くの正規労働者がリス
トラの不安を感じている。こうした息詰る状況を1970年代アメリカに住んで
いた私は肌で感じていた。アメリカは本来日本と違って競争社会であり、自
己責任で生きていく国という指摘は必ずしも当たらない。かつてアメリカに
も年功序列、終身雇用の家父長的雇用形態があり、労働組合もしっかりして
いた。しかし、第二次大戦後の好景気で流動化した雇用が、70年代には逆に
働く者の立場を弱くした。解雇、失業が増え、再就職しても賃金がカットさ
れ、それが家庭の安定を損なうことにもなった。精神科医にかかる人が増加
し、離婚も増えた。良妻賢母の女性達も家庭から出て、キャリアを模索し出
した。

 そうした過程を見る中で、私はオニール夫妻が書いた「四十歳の出発」を
日本で翻訳出版し、安定と成熟の前提に立った人生は危ういし、必ずしも生
きがいを与えるものとはならないというメッセージを日本の読者に問うた。
私の専業主婦の立場からの再出発、翻訳家としての第一歩でもあった。

 80年代、経済成長を続けている日本に戻り、日本の社会は産業構造の変化
という点でアメリカの後を追っているのではないかと感じた。アメリカで起
こっている人材の流動化はいずれ日本にも起こるのではないかと感じた。

 当時、日本的雇用の神話が定着してる日本のサラリーマンは実際に終身雇
用という契約を会社と結んでいるのかと聞いても、公務員以外、法律で保障
されているわけではなさそうだ。正直言って、リストラ、失業、賃下げ、家
庭崩壊などアメリカの社会で見てきた者にとって、日本の働く人たちは企業
や国に依存し過ぎであり、あまりにも無防備だと感じてきた。

 もっと主体的に、経験、技術、資格を獲得し、セーフティネットや他の選
択肢を視野に、自らの人生設計を立てる生き方を模索した方がいいのではな
いか。もちろん、完全な安定はないし、どのような選択にもリスクが伴う。
しかし、選ぶ主体が自分であれば、仮に失敗してもあきらめがつく。次の選
択に向って行動をとることができる。

 こうした新しい生き方を、今、日本では女性達と若者がとり始めているの
ではないか。彼らにとって危機の中にこそ機会があり、希望があるのではな
いか。

 そして、立法府としても、そうした柔軟な人生設計に対応した年金、医療、
税制、雇用制度などに抜本的メスを入れる時代に入っているのではないか、
小手先の改革では人々の満足は得られないという強い思いを抱いている。


■◇■==============================================================
 「中国買春ツアーに見る、日本企業と警察の“女性の人権”感覚」
                  吉川春子(参議院議員・共産党・比例)
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 昨年9月、K社(本社・大阪)の中国広東省珠海への社員旅行で、男性ば
かり約300人が「集団買春」し、大問題になりました。ホテル、バー等の
業者ら中国関係者は起訴され、2003年12月の裁判で、2名は終身刑と財産
没収、斡旋業者ら12名は2年から15年という禁固刑が言い渡され控訴中
です。

 この企業の慰安旅行を企画した日本の3人の社員は現在国際刑事警察機構
を通じて手配(「赤手配」=「逮捕して欲しいという要請(警察庁)」)さ
れて出国は不自由ですが、日本と中国には犯人引き渡し条約がなく、また買
春行為は日本では犯罪となりませんので、彼らは出国しない限り生活に支障
はない状態です。

 この事件は中国政府も事態を重大視し、在中国の日本大使館に捜査協力を
申し入れ、日本のマスコミ各誌に大きく報道されました。外務省もK社の取
締役を任意で呼び出し事情を聴取しています。

 逢沢外務副大臣は記者会見で、「会社として組織的に違法行為を行ったも
のではないとしても海外で女性の尊厳を傷つける行為が行われたものであれ
ば、極めて遺憾」としましたが、くわしい点については会社側の「会社とし
て組織的に買春を行ったわけではない。表彰式後のパーティには多数のコン
パニオンが出席していたが、その後は自由行動でプライベートな行動につい
て会社は掴んでいない」との説明を繰り返しています。

 本件に限らず日本男性のアジア諸国への買春旅行がたびたびニュースとな
り、女性の人権に対する感覚の欠如は恥ずかしい限りです。議員立法で成立
させた「児童買春ポルノ禁止法」では18才未満の女性への買春は処罰され、
国外犯も罰しますから、日本人が海外で未成年者に対し買春行為をすれば刑
罰の対象になるのです。約300人に近い中国女性を集め、日本男性が女性
たちと行動を共にしたとすれば、少なくとも、中に18才未満の女性がいな
かったのか否かについて捜査をすべきではないでしょうか。

 この点について警察は「中国と情報交換をしているが18才未満がいたと
の情報がない。名乗り出た未成年女性がいない」として捜査を行っていませ
ん。「犯罪の端緒がない」といって捜査に乗り出そうとしない日本の警察の
態度はとても問題です。

 またこの会社の旅行は日本の大手旅行会社が手配していますが、売春防止
法は国外犯については処罰規定がないので、もし旅行会社が買春斡旋行為を
行っても処罰できません(警察)。女性団体から、かねてより要求されてい
る売春防止法の改正と、買春行為について処罰対象が現行法の未成年者だけ
でいいのか、検討時期に来ているのではないでしょうか。

 法務省は法制審議会で今年2月から強姦罪の法定刑見直しの検討を始めま
すが、刑事法と女性の人権について本格的な議論が必要ではないでしょうか。
あなたはどう考えますか?


◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  編集後記                ロゼッタストーン・弘中百合子
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 吉川議員の原稿にあるように、日本の「売春防止法」では、売春をする者、
売春の斡旋をする者に対しての罰則規定はありますが、買う側の罪は問われ
ません。ただし、1999年に成立した「児童買春・ポルノ禁止法」によっ
て、18歳未満の子どもへの買春は処罰されるようになりました。子どもを性
の対象にするなんてとんでもない話だと思うのですが、5年前までは禁止す
る法律さえなかったのです。

 最近気になるのが「児童虐待」のニュースです。「児童虐待防止法」があっ
ても、虐待される子どもはあとを絶ちません。「どうして、近所の人が助け
てあげなかったの!?」とニュースを見ると思うのですが、実際には私自身も
近所づきあいがほとんどなく、もし、近所で児童虐待が行われていても、きっ
と気づかないと思うのです。


 人間は閉ざされた世界では、どうしても醜い面がでがちです。家庭内での
性的虐待もあるようです。子どものいる家庭の風通しをよくするには、どう
したらいいのでしょう。虐待されている子どもを救うために、政治ができる
ことは何なのでしょうか。よいお知恵があれば、教えてください。

 ※「ヴィーナスはぁと」へのご意見、ご質問は vheart@rosetta.jp まで
   お願いします。

       お手数ですが、お寄せいただくご意見に
       1)「掲載可」か「掲載不可」か

       掲載してもよい方は
       2)「匿名希望」か「実名可」か
       3)「事前連絡必要」か「事前連絡不必要」か

   をお書き添えいただけると、大変助かります。なにも記載がないものを
   紹介する場合は、要旨だけを匿名でご紹介する形にしたいと思います。


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  「ヴィーナスはぁと」参加議員一覧
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◇◆

 ◇衆議院
  小宮山洋子(民主党・東京)  武山百合子(民主党・北関東)
   水島広子  (民主党・栃木)

 ◇参議院
  有村治子  (自民党・比例)  井上美代  (共産党・東京)
  大脇雅子 (無所属・比例)  岡崎トミ子(民主党・宮城)
  千葉景子  (民主党・神奈川) 八田ひろ子(共産党・愛知)
  広中和歌子(民主党・千葉)    福島瑞穂  (社民党・比例)
  円より子  (民主党・比例)  吉川春子  (共産党・比例)


詳しいプロフィールを知りたい方、顔写真を見たい方は、ロゼッタストーン
WEBページで公開しています。⇒ http://www.rosetta.jp/
各議員のWebページにもリンクしています。


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■次号予告
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 次回の発行は、2月12日です。

 井上美代議員、小宮山洋子議員、大脇雅子議員が登場する予定です。

 ※登場する議員の顔ぶれは、変更する場合もあります。ご了承ください。

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〒171-0021 東京都豊島区西池袋5−27−9−101 株式会社ロゼッタストーン
発行人・編集人:弘中百合子
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