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第43回   エル・トポ

エル・トポ
幼い息子を連れ、馬に乗って砂漠を行く謎の黒装束の男、その名も"エル・トポ=モグラ"。 最強のガンマンとなるため、砂漠に暮らす4人の銃の達人たちと対決することを決意。最強への道を歩み始めるが…。



一言、予想を裏切られっぱなしです(笑)


まず、冒頭から10分くらいを見る限りは、
悪に立ち向かう、あるいは復讐に燃える父と小さな息子の物語。

ひょっとして"子連れ狼"のような設定なのかな、
と思いきや、全く違いました。

最強を求めて、派手に銃を撃ち合うその背景には、
宗教的世界観が貫かれ、
主人公が、ときにキリストやブッダに見えてきます。

ゆえに、物語が進むにつれ、
野心や邪心に満ちた無法者の主人公が、
いずれ心穏やかに悟りを開く。

苦難の果てに、暴力的強さではない、
真の強さに辿りつく。

そういうオチが待ってるのかな、と。


しかし、残念ながら、そんな単純な話ではなかったです(笑)


細かいことを言い出したら、キリがありません。

たとえば、冒頭に
親子2人でで馬に乗って砂漠を行くシーンがありますが、
なぜ、幼い息子は素っ裸なのか。
一糸まとわぬことで、無垢な状態の象徴としているのか。
しかし、それなら、なぜ帽子と靴だけ着用しているのか(笑)

どのシーンをとっても、考えさせられる材料にあふれています。
あの●●は一体どういう意図なんだろう?と。

ツッコミの入れどころだらけですね(笑)


と、あれこれ述べてしまいましたが、
正直に本音を申し上げると、

「まぁいいから、とにかく見てご覧なさいよ」

とだけ言っておくのが、ベストの気がします。
それが、この映画に対する一番の賛辞ですね。


『エル・トポ』
ヒューマントラストシネマ渋谷にて公開中
■公式サイト: http://www.el-topo.jp/

2010.10.29 掲載

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