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第84回   セッション

世界的ジャズドラマーを目指して、アメリカ最高の名門音楽校に入学した19歳のアンドリュー・ニーマン(ポール・ライザー)。内気な彼は、片想いの恋も抱えながら、黙々と練習に励んでいた。ある日、伝説の教師と呼ばれるフレッチャー(J・K・シモンズ)の目に留まり、直接指導を受けることに。学校最高峰のスタジオ・バンドに大抜擢される事になったが…。


アカデミー賞で助演男優賞ほか3部門を受賞した話題作。

アメリカの指導というと、コーチングに代表されるように
指導者が生徒や選手を褒めて、いいところを引き出し、
伸ばすことで有名です。

しかし、本作は正反対!
日本でいうところの“スポ根”そのものみたいな内容です。

厳しさを通り越して、モラハラと言われても
おかしくないレベルの罵詈雑言が飛び交います。
汚い言葉を聞くのが嫌いな人は
見ない方がいいです。確実に気分が悪くなります。

しかし、そうした激しい言葉以上に、
魂の熱さ、激しさが心に響いてきます。

音と音のぶつかり合い、
そして、魂と魂のぶつかり合い。

まさしく、セッション!!

正直、ここまで厳しくやる必要があるのか?
と思いたくなる場面もありました。

なんとも前近代的な、
時代遅れの指導法だ、と呆れる人もいるでしょう。

しかし、それは、
後で出てくるフレッチャーの言葉で全て納得しました。
高いレベルで何かを成し遂げるには、何が必要なのか、
よくわかります。

そして、その常軌を逸した指導を受けた生徒が
どうなっていくのかが、最大の見ものです。

特に、指導者は必見の作品ですね。

今の時代に、このやり方をマネると、
確実に大変なことになりますが(笑)。


いかにして生徒の本気を引き出すか。
潜在能力を引き出すかについて、
いいヒントになると思います。

音楽が好きな人はもちろん、
能力を伸ばすことに興味がある人、
魂ほとばしる熱い映画を見たい人にも、
ぜひオススメします!


『セッション』
2015年4月17日より公開中
■公式サイト: http://session.gaga.ne.jp/

2015.4.21 掲載

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