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第75回 外国メディア小沢一郎氏を厚遇

「ダーティーだ!」「市民の敵だ!」政界の壊し屋として日本の大手メディアから常にバッシングされている前衆議院議員、「国民の生活が第一」の創立者で代表だった小沢一郎氏が今回は日本未来の党の一党員としてプレスクラブで12月12日記者会見を行った。

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日本未来の党 候補者
前衆議院議員 小沢一郎氏(A. シーゲル撮影)

「皆様と意見を交換できることを嬉しく思います」
  小沢一郎氏は神妙に口を開いた。
  「一点だけ誤解のないように申し上げたいことがある。基本的な政治哲学は日本を作り替えたいという民主党が政権を取った時と同じ。民主党は政権を取った後、次第に旧体制の中に自分自身を埋没させる形となった。私たちは真直ぐに進んでいるが民主党は曲がってしまった。その曲がった民主党を変える人数を持たなかったのでやむなく決別して外に出た。民主党に対する国民の期待が大きかったので、その後の変質に失望してしまっている現状であろう。私どもの政治姿勢と政治主張は三年前(民主党政権獲得時)と同じ、素直に受け入れてもらえないが一生懸命努力したい。以上申し上げて後は質問に答えたい」


質疑応答

最初に質問に立ったのはシンガポール・プレスのフー・チューウエイさん「日本のメディアで小沢さんを見ると悪口ばかり。今、見ると普通の人。(会場笑い)海外メディアは憲法改正など日本の右傾化に関心がある」。

小沢:日本のメディアの小沢攻撃はずっと続いているしこれからも続くが事実を自分自身の目でしっかり見てほしい。(会場笑い)憲法改正を自民党、民主党が言ってメディアもこれが争点のように報道しているが、何を意図しているのか分からない。憲法改正と軍隊、核武装は別の話。
憲法改正は米国もやっている。国民のための最高のルールですから時代が変われば国民のために良かれと思えば変えたらよい。隠された意図があるなら、国民にはっきり言うべき。

二番手は筆者だった。「“暴走老人”やら“ちゃぶ台返しの奥さま”などカラフルな候補者が居られる中で、京阪神の水がめである琵琶湖の守護神、嘉田由紀子知事と小沢さんのチームは「美女と野獣」のコンビとして絶妙のものがあります。(会場笑い)そこでナイーブな質問ですが、小沢さんが最初に嘉田由紀子知事に会われた時「これだけは実行する。これだけは絶対にしない」と約束されたことがあれば教えて頂けますか?」

小沢:嘉田知事とは形式的な陳情以外に全く面識がなかった。彼女が全政党が推薦する強力な前職に挑んだ政治的センス。川上から挑戦するという姿、「もったいない」という日本では今や死語になっている言葉や当選後の行政手腕が見事だったのを遠くから感心していた。特別の話はしていない。「「思う存分やって下さい。私は私の出来ることをサポートします」、と言った。

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「京阪神の水がめ琵琶湖の守護神、嘉田由紀子知事とのチームは
美女と野獣の絶妙のコンビでは?」
筆者(右)の質問に笑顔で答える小沢一郎氏(A.シーゲル撮影)

サム・ジェームソン(米国記者):116人の代議士を率いて中国を訪問し、習金平副主席訪日時には天皇陛下にも謁見させた。中国問題をどうするか?
小沢:中国問題については今は選挙中。次の政権が自民党になっても難しい。

フリーランス(日本記者):大手メディアは自民党圧勝というがプレスクラブ制度に入っていないメディアでは未来の党が強いというが。
小沢:民主党も最初はそうだったが、私たちは官僚支配の体制を変えようとしている。メディアも旧体制にあり、根本的には日本を変えようとする仕組みには反発がある。メディア中心の報道でムードを作り、民主党失敗の報道で国民がモヤモヤして選択がしづらくなっているのが現状。私は国民が新しいタイプの勢力に期待していると思うが、後4−5日経たないと分からない。

新華社通信記者:自民党は教育改革で教科書問題を検討すると言っているが、これは選挙中のパフォーマンスか? 近隣諸国との関係が悪化すると思うが。
小沢:それはお国の自民党政権に対する評価にかかっている。過去に対する謝罪があるとしても中国が反日教育をいつまでもやっているのは問題。将来に向かって友好親善を目指すべき。

アンソニー・ロウリー(ビジネス・タイムズ):小沢さんに対する(日本)メディアの人格攻撃は驚きだった。右傾化は危険と思うか?
小沢:現時点では極端に右寄りになるとは思わない。EU政策に見られるように経済的危機、世界的不況が襲ってくる場合、中国問題、朝鮮半島・韓国との関係で、深刻な事態が生じた場合の右傾化が心配。

スイス記者:未来の党について今まで何も述べていないが、もうやめたのか?(会場笑い)貴方の役割は?
小沢:未来の党名を言わなかったのは皆さんが知っていると思ったから。結党後すぐ選挙なので、嘉田代表が中心となって政策、国民へのアピールを作った。内容については理解し賛同できるので、私どもも彼女の下で戦うと決めた。私の役割は経験を生かして相談に乗ったり、激励する事でそうしている。

ジョエル・リジェンドル・コイズミ(フランス・テレビ記者):破壊者からコーチになったのか。コーチとして日本の政治家はどうあるべきと思うか?
小沢:お国でも日本でも政治家に求められるものは同じ。国民の平和と生命を守ること。日本は時代の変遷と共にOECD内でも1−2を争う平等な国であった。内外情勢の変化、特に小泉政権になってから所得、雇用、産業間の格差が広がり、OECD内でも格差がひどくなった。これを是正するには統治の機構を中央集権から地方分権に変えなければならない。これまでの旧体制の中で既得権を持った人々がいるので、アンシャン・レジームの既得権を打破する勇気を持った人が必要。

会見を終えるにあたりジョージ・バウムガートナー会長の挨拶:「小沢さんは(日本)メディアの友人ではないが、我々プレスクラブは貴方の友人。この一年間有効の名誉会員証を使って是非またお出で下さい」

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「(日本のメディアは小沢バッシングをしているが、)
特派員クラブは小沢さんの友人。
名誉会員証を差し上げますので是非またおいでください」
G. バウムガートナー会長(A. シーゲル撮影)

2012.12.16 掲載


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