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第90回 塩村文夏(あやか)さん「セクハラ」野次問題
緊急記者会見

6月24日の東京都議会議員 (みんなの党)塩村文夏さん(35歳)の記者会見には通知が出されるやいなや満席の申し込みがあり、緊急記者会見にかかわらず、100人以上の内外の記者と14台のテレビカメラが押しかけた。

【緊急記者会見の写真】
 

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塩村さんは都議会議員として1周年目。初めての代表質問で東京という都会での妊娠、出産、育児に対する都の支援体制について発言する最中に「早く結婚した方がいいんじゃないか」「自分が産んでから」「がんばれよ」などのセクハラ野次が飛びかい、議会内に追従するような笑い声が広がった。

都議会の会派からの性差別発言への調査の求めは議会閉会と共に時間切れとなったが、自民党石破幹事長の意見もあってか自民党の鈴木章浩都議(51歳)が名乗り出て謝罪した。しかし、鈴木都議は自民党会派を離脱しただけで議員辞職は否定、鈴木都議に続いて野次の追い打ちをかけた議員についてはおかまいなし。


議場での涙の理由

塩村さんは「自分が未婚なので『結婚した方がいい』などの古典的野次が議会内で飛ばされた。他の議員も諌めるのでなくそれを面白がっているような雰囲気だった。女性全体とその家族に対する蔑視が残念で、自席に戻ってから涙が出た」と説明。

筆者はこれは単なる野次ではなく「家庭内暴力と匹敵する議会内暴力ではないか? 他の地方議会との連携は?」と質問したが、塩村さんはあくまで都議会内で冷静に穏やかに処置しようとしていた。安倍総理が国会閉会後に各党をあいさつ回りした際にみんなの党浅野幹事長に「ご迷惑をかけた」、と一言添えたことには「多忙な総理の気持ちは伝わっている」と答え、フランス人記者の「女性保護の法律作成のため国政を目指さないか?」との質問には「東京都議会議員なので都議会で頑張る」とさらりと返事した。

【緊急記者会見の写真】

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ただし、「安倍首相の第三の矢『男女共同参画で女性が輝く社会』への提言は中身が伴っていない。女性議員の声もそれ以外の女性の声もしっかり聞いてほしい。今の状態ではダメだ」と切り捨てた。

塩村さんは「鈴木議員以外の野次を飛ばした数人は自ら名乗り出てほしい。このような人格無視の野次の再発防止を図りたいので、名誉棄損で訴えるなどは最後の手段」と語った。都議会では閉会と共にこの問題の幕引きを図ったが、超党派の女性議員団は今後とも追及していく方針だ。

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ブルーとゴールドの特派員協会の旗の下で

外国記者に群がる日本メディア

さて、取材の日本メディアの記者に尋ねると、日本記者クラブでの塩村さんの記者会見予定など聞いていないという。近々の女性の会見は著者と語る「歩いて行く二人 岸恵子 吉永小百合」(7月7日)のみだ。

全国の新聞、テレビ、ラジオ各社が加盟している日本記者クラブでの会見であれば、日本全体の地方議会に女性差別問題への警告を発することができると思うのだが、日本のマスコミはブルーとゴールドの外国特派員協会の旗の下で最初の記者会見が行われない限り興味を示さないようだ。

古くは田中角栄金脈問題、最近ではオリンパスの外国人社長解任問題。ジャーナリストなら自分で問題点を指摘したいはずなのに、どうしていつも会見が終わった後にも外国記者のコメントを聞こうと群がるのだろうか。


2014.7.4 掲載


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