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第106回 【番外編】日本記者クラブからの報告
キャロライン・ケネディー駐日米国大使 記者会見

着任2年が経過したキャロライン・ケネディー駐日米国大使が12月15日、日本記者クラブで初会見。201人の記者を前に日米関係の現状や展望について話した。

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キャロライン・ケネディー駐日米大使(撮影:栗田格)

ブルーの縁取りしたグリーンとゴールドの社団法人日本記者クラブのバナー前の演壇に立ったケネディー大使は、スリムな長身であくまでもエレガント。個人的感傷だが父親であるジョン・F・ケネディー大統領の暗殺、葬儀の場面を米国留学生としてライブ映像で体験した筆者としては「あの時のキャロラインお嬢ちゃんが立派になられて」、という感慨を抑えきれなかった。

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エスコートされて入場するキャロライン・ケネディー駐日米大使(撮影:栗田格)

会見時間が30分と限られていた中で、ケネディー大使は日米問題、TPP、イスラム、日米留学生の現状などについて、講演と代表質問に答える形で発言した。

米国と日本の関係はこれまでになく良好で、民主主義の価値観を共有しているもの同志として連帯してテロ、地球の温暖化に立ち向かえる。バラク・オバマ大統領は安倍総理の近隣国に対する関係構築への努力に非常に印象を深めている。

沖縄の米軍基地問題は現在転換点に来ており、地元沖縄での強い反対があるが、人口緻密な普天間から辺野古に移転するのが現在まで考えられてきた最善策。

TPPの米国議会承認に対しては楽観的で、日本の農民は安価な食肉や乳製品の大量の輸入を懸念しているが、桃やイチジクのような最高品質を生み出す彼らが勝ち組と述べた。

取材に集まったテレビ・カメラ陣(撮影:栗田格)
 

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オバマ大統領は、共和党大統領候補ドナルド・トランプ氏のイスラム教徒入国禁止など差別的政策には厳しく反対。来年5月の伊勢志摩サミットへの来日時に広島、長崎訪問の有無は厳しい日程なので予定が立たないが、ケネディー大使自身は広島・長崎を訪れて強い印象を受けていると語った。

日本女性の社会進出の突破点を質問されると、米国でも同じ、家庭生活と職業生活を両立するためには努力しなければなりません。「私はワーキング・マザー」と記者たちを笑わせた。

日本からの米国留学生が近年減少している点については「外国で学ぶことは視野を広げ将来のチャンスを増やす。子どもたちや両親にとって冒険であり、大きな経験。クレジットの学校間の移転やインターンシップの機会を増やしたい」と力説した。

因みに12月15日は224年前に米国議会が、連邦政府が報道の自由など人民の権利を保障する憲法修正10か条(権利章典)を採択した日。キャロライン・ケネディー在日米国大使は誇らしげに贈呈された記念品のペンを記者たちに示した。

一昔前まで帝国ホテル内で会見を行っていた日本記者クラブが1976年にプレスセンタービルに会見場を常設して以来、外交儀礼として国賓級の日本での初記者会見はこちらで行われている。外国特派員協会(略称プレスクラブ)の記者会見担当者は「次はウチの番だ」といきこんでいる。


2015.12.26 掲載


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