WEB連載

出版物の案内

会社案内

劇団四季「アナと雪の女王」

シアター通よりシアター好き

渡辺晴子
著者プロフィールバックナンバー

劇団四季は新型コロナ禍で予定より9カ月遅れて、ついにディズニー・ミュージカル「アナと雪の女王」を開幕させた。

アニメーション映画よりミュージカルは深みがあり、細やかだ。手に触れるものすべてを凍らせる魔力を持ち、「愛しているから妹を自分から離したい」姉エルサ(岡本瑞恵)。事情をしらず姉を慕って「愛しているから寄り添いたい」妹アナ(三平果歩)。新型コロナ禍で家族も友人もお互いに想いあいながらも距離を置かなければならない現在、雪の女王エルサと妹アナの姉妹愛に共感できる。

隠していた自分の魔力を肯定して一人きりで生きることを決意して氷の宮殿で歌う「ありのままで」の岡本瑞枝の歌唱力が圧巻で、エルサを求めて山男のクリストフ(神永東吾)と雪山に向かう中、壊れた橋の上で曲芸的ダンスをみせるなど三平果歩の体力が見事。自立した女性に「偽り」の白馬のプリンス、ハンス(杉浦洸)など不要なようだ。

劇団四季「アナと雪の女王」


©Disney
(ボタンをクリックすると写真が切り替わります)

エルサと妹のアナが子ども時代に作った雪だるまのオラフは、等身大の1人操作のパペット(小林英恵)として登場し、愛嬌を振りまく。トナカイのスヴェン(中野高志)など俳優より人間的な演技だ。

アニメ映画と異なり、LEDパネルの背景、吊り幕、衣装の引き抜き、一瞬にして氷の王国が出現するなど、これはテクノロジー満載の新しい舞台芸術だ。劇団四季の最長期公演の始まりではなかろうか。(JR東日本四季劇場[春])


2021.7.8 掲載

著者プロフィール
渡辺 晴子(わたなべ はるこ) : HKW、シカゴ・サン・タイムズ、アジア新聞財団(東京支局長)を経て、現在HKW代表メディア・リポート特派員。30年来の(公益社団法人)日本外国特派員協会会員で、副会長、理事、監事、選挙管理委員長を歴任し、現在は永世会員。特別企画委員長としての同協会の取材活動、文化事業を主宰している。また上智大学講師、ユネスコ「女性とメディア」開発コンサルタントとして内外のジャーナリストを育成。
上に戻る