ロゼッタストーン コミュニケーションをテーマにした総合出版社 サイトマップ ロゼッタストーンとは
ロゼッタストーンWEB連載
出版物の案内
会社案内

びわこの狸の年金・保険相談

著者プロフィールバックナンバー

 
NEW
今年の1月から3月まで正社員として働いていたのですが、3月末で会社を退職し4月1日から主人の船員保険の扶養に入っています。
仕事はパートに切り替えたので交通費込みで月々約7、8万の収入があります。130万を超えると保険の扶養から外れなければいけない事は知っているのですが、協会けんぽの船員保険のホームページには年収130万未満との記載がありました。
この年収130万とは扶養認定されてからの1年間の収入なのか、今年の1月から12月までの収入の事なのかどちらの意味でしょうか?
よく分からなかったので電話で問い合わせしたのですが、初めは今年の1年間の収入ですと言われたので、扶養に入ってからはパートで月7、8万くらいですと伝えると、では多分大丈夫だと思いますとあやふやな返事が返ってきました。
今年出産予定なので扶養から外れる事になってしまうととても困ります。年収130万の年収の意味を教えて下さい。




日本年金機構のHPには、健康保険の扶養認定の基準について、
○被扶養者の認定
被扶養者に該当する条件は、被保険者により主として生計を維持されていること、及び次のいずれにも該当した場合です。

(1)収入要件
年間収入130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は、年間収入※180万円未満)かつ

同居の場合 収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満(*)
別居の場合 収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満

※年間収入とは、過去における収入のことではなく、被扶養者に該当する時点及び認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます。(給与所得等の収入がある場合、月額108,333円以下。雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下であること。)
また、被扶養者の収入には、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれますので、ご注意願います。

(*)収入が扶養者(被保険者)の収入の半分以上の場合であっても、扶養者(被保険者)の年間収入を上回らないときで、日本年金機構がその世帯の生計の状況を総合的に勘案して、扶養者(被保険者)がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認めるときは被扶養者となることがあります。

(2)同一世帯の条件
配偶者、直系尊属、子、孫、弟妹以外の3親等内の親族は同一世帯でなければなりません。
と記載されています。


ご質問の「この年収130万とは扶養認定されてからの1年間の収入なのか、今年の1月から12月までの収入の事なのかどちらの意味でしょうか?」ですが、中程の※の説明によると、
「※年間収入とは、過去における収入のことではなく、被扶養者に該当する時点及び認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます」
となっています。ですから、今後1年間の見込み収入です。従って、現在の収入ですと、出産後も引き続き被扶養者のままでいれますので安心してください。


(2013年10月5日回答)



60歳で今の会社は正社員から嘱託社員へと切替えになります。
但し、仕事、責任内容は正社員時と変わらず、労働時間も変わりません。名刺、肩書きも変わりません。変わるのは給料が1/3くらいに下がることです。
今まで正社員で働いていた者を1/3の給料で再雇用するのは労働条件として認められるのでしょうか?




高年齢者等の雇用の安定等に関する法律で

第8条
「事業主がその雇用する労働者の定年(以下単に「定年」という。)の定めをする場合には、当該定年は、六十歳を下回ることができない。・・・・略・・・」 と規定されています。つまり、就業規則等で定年年齢を決める場合は60歳以上にしないといけないという規定です。

ご質問では、
「60歳で今の会社は正社員から嘱託社員へと切替えになります」

ということですから、60歳で、一旦定年となり、その後嘱託社員として再雇用と言うことですので、60歳定年の部分は合法です。


次に、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律では

第9条第1項第2号
定年(六十五歳未満のものに限る。以下この条において同じ。)の定めをしている事業主は、その雇用する高年齢者の六十五歳までの安定した雇用を確保するため、次の各号に掲げる措置(以下「高年齢者雇用確保措置」という。)のいずれかを講じなければならない。
二  継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。以下同じ。)の導入

と規定しています。これにより、会社は60歳以降の継続雇用をする制度を設ける義務が発生します。
従って、60歳定年の後、再雇用で嘱託社員になると言うことです。

ところで、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律では、60歳以降の継続雇用に関する規定はありますが、継続における労働条件については規定がありません。

従って、定年前と継続雇用後で、同じ労働条件で継続雇用する義務はありません。

そこで、「但し、仕事、責任内容は正社員時と変わらず、労働時間も変わりません。名刺、肩書きも変わりません。変わるのは給料が1/3くらいに下がることです」という部分について。
労働条件の給料の部分が変更になったということですが、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律には「労働条件を変更してはいけない」という規定はありませんので、違法ではありません。

他の法律を考察すると、まず、最低賃金法違反の問題がありますが、具体的な賃金の記載がありませんので説明は割愛します。

ところで、「但し、仕事、責任内容は正社員時と変わらず、労働時間も変わりません。名刺、肩書きも変わりません」ということですが、社内的に全く同じでしょうか? 責任や権限等が変更になっていませんか?

自己管理シートや自己啓発シート等、作成の義務が無くなっていませんか?
転居を伴う転勤が無くなりませんか?

一般的には、正社員と嘱託社員で、責任や権限を区別しています。

正社員と嘱託社員で、業務内容、責任、権限等が全く同じ場合は、会社の権利乱用の問題が発生しますが、正社員と嘱託社員で、業務内容、責任、権限等が全く同じというのは一般的には少ないので、権利乱用の問題も多分発生しないでしょう。従って、会社の再雇用制度は合法と言えます。


(2013年6月24日回答)



私は共済組合員の妻で第3号被保険者でしたが、22年の4月に就職し厚生年金に加入しています。 ところが、第3号から抜けるのを忘れそのままにしていました。
22年の4月から自分の健康保険証を使用しているため共済組合員証は使用していません。 医療費の返還は無いと思いますが、噂で「共済組合が負担した第3号の保険料の返還を求められる」と聞きました。本当でしょうか。もし支払ってしまえば厚生年金に加入しているため保険料の二重払いになってしまいます。




国民年金の被保険者は、

第1号被保険者
第2号被保険者
第3号被保険者

の3種類に分かれます。このほかに、海外居住者や60歳以上の方等の任意加入被保険者があります。

第1号被保険者はご自分で保険料を直接支払います。自営業者や無職の方や学生等が該当します。第1号被保険者については収入が少ない方等もいますので、保険料免除や保険料納付猶予の制度があります。

第2号被保険者は、65歳未満の厚生年金加入者や共済組合の組合員です。
第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者です。いわゆるサラリーマンの妻です。

第2号被保険者と第3号被保険者の国民年金保険料は、厚生年金の保険料から基礎年金拠出金という形で国民年金に支払われます。厚生年金の保険料からと言うのは、一人ずつ厚生年金の保険料から個別に国民年金に支払うのではありません。厚生年金の保険料の全員分を一旦厚生年金特別会計にいれて、厚生年金特別会計から、第2号被保険者と第3号被保険者の全員分をまとめて国民年金特別会計に支払います。

共済組合も同じです。共済組合の掛け金を一旦共済組合特別会計に入れて、そこから、共済組合に関係する第2号被保険者と第3号被保険者の全員分をまとめて国民年金特別会計に支払います。

つまり、各々が自分の分を負担しているという考え方ではなく、みんなで全員分を負担するという考え方です。これによって、独身の方が結婚して奥さんを扶養するようになっても、お給料が変わらない限り、保険料は変わりません。独身と妻帯者で同じ保険料と言うことです。不公平ですよね。

同じように不幸な制度で健康保険があります。独身と家族がいる方で保険料は同じです。
また、お給料10万円(98千円等級)の人と、お給料100万円(980千円等級)の人で、保険料が10倍も違うのに、お医者さんに行けば、同じ3割負担です。保険料が10倍だから、負担は10分の1にしないと不公平ですよね。

しかし、もし、不公平を無くして、完全に平等な扱いをすると、給付が同じなら、お給料の安い人はもっと高額の保険料を支払う必要が有り、お給料の高い人は保険料が下がります。

つまり、社会保険の制度というのは不公平な状態で成り立っています。そして、不公平な状態で成り立つことにより、お給料が高くない人でも、充分な給付が受けられるようにできているわけです。

自己責任の制度を推し進めて、格差社会を目指すのか、不公平を容認し、全員が安定した暮らしが得られる社会を目指すのかという国家の選択の問題です。日本国は、後者を選択し、国民皆保険、国民皆年金を実現しています。


ご質問の件ですが、

共済組合から、基礎年金金拠出金として、全員分を国民年金に支払いました。この分については、共済組合と国民年金の間で精算されます。つまり、共済組合は一人分多めに国民年金に支払ったことになりますので、一人分国民年金から国民年金に返金されます。
現実には、返金ではなく次回の支払いで相殺されます。

同様に、厚生年金と国民年金の間でも精算が行われます。こちらは、厚生年金が一人分不足していたわけですから、追加で支払うことになります。

そこで、

「共済組合が負担した第3号の保険料の返還を求められる」

ということですが、共済組合は国民年金の保険料を精算し返金して貰いますので、「共済組合が負担した」部分は有りません。

また、前述の様に、独身の方と妻帯者の方で同じ保険料しか徴収していません。つまり第3号被保険者の分として特別に保険料を徴収しているわけではありません。従って、返金を求められる心配は全くありません。次回からは手続き漏れの無いように気をつけてくださいね。


(2013年1月12日回答)



私は共済組合員の妻で第3号被保険者でしたが、昨年の9/1から今年の6/8まで就職し厚生年金に加入していました。その際、第3号を抜けなくてはならなかったのですがそのままにしてしまい、今回遡ってぬけて新たに第3号に入る手続きをお願いしました。すると、9/1から6/8までとその前に就職していた会社の離職票の提出を求められ、夫の給料は処分されるということです。
また、昨年の1/1から8/31までに使った医療費も返済しなければならないとのことで領収書も提出しました。届けを忘れたのはそんなに重大な過失だったのでしょうか?




時系列で整理すると

平成23年8月31日まで 国民年金第3号被保険者 健康保険(共済組合)はご主人の扶養家族
平成23年9月1日から 厚生年金加入 健康保険はご自分で加入
平成24年6月8日 退職
平成24年6月9日から 国民年金第3号被保険者 健康保険(共済組合)はご主人の扶養家族

となるところを、うっかり手続きを忘れて、平成23年9月1日から平成24年6月8日までの間、ずっと、健康保険(共済組合)はご主人の扶養家族のままだったんですね。

すると、誤って、ご主人の扶養であった期間について、扶養から抜ける必要があります。


そこで、手続きとしては

(1)平成23年9月1日 健康保険(共済組合)の扶養家族から抜ける手続き
(2)平成24年6月9日 国民年金第3号被保険者になる手続き、健康保険(共済組合)の扶養家族に入る手続き

が必要になります。

平成23年9月1日付けで国民年金第3号被保険者でなくなる手続きは、厚生年金に加入することで自動的にできるので必要ありません。すると、うっかり忘れた(1)と(2)の手続きが必要になります。

(1)の手続きをすると、平成23年9月1日以降、ご主人の健康保険(共済組合)の扶養家族としての保険証は使えなくなります。従って、平成23年9月1日以降、ご主人の健康保険(共済組合)の扶養家族としての保険証を使っていたら、当然、その分の保険給付は返金する必要があります。

例えば、風邪をひいてお医者さんで、3,000円支払った場合、自己負担は3割ですから、支払額が3,000円ということは、医者代は10,000円かかったということです。そして、

10,000円-3,000円=7,000円

が保険給付となります。この7,000円は当然、ご主人の健康保険(共済組合)に返金する必要があります。7,000円を共済組合に返金し、返金した領収書を添えて、ご自分が加入していた健康保険に請求すると、同じ金額が、健康保険から支給されます。

「夫の給料は処分されるということです」とのことですが、ご主人のお給料に家族手当が支給されていたのですね。この家族手当の支給要件が「共済組合の被扶養者(健康保険の扶養家族)」となっている場合は、健康保険(共済組合)の扶養家族から抜けた期間についての家族手当は、貰いすぎのお給料となりますので、返金する必要があります。

「昨年の1/1から8/31までに使った医療費も返済しなければならない」という件ですが、前述の様に、平成23年9月1日から平成24年6月9日の間に使った分は返金する必要がありますが、その前の分は返金する必要はありません。

ところで、9/1から6/8までとその前に就職していた会社の離職票の提出を求められたということですが、平成23年9月1日以前もどこかの会社にお勤めだったのでしょうか?

平成23年9月1日以前もどこかの会社にお勤めだった場合で、そこの会社で年収130万円以上でしたら、もっと前からご主人の健康保険(共済組合)の扶養家族から抜ける必要があります。つまり、平成23年1月1日から平成24年8月31日までの分も返金する必要があります。そこで、「その前に就職していた会社」の離職票で、その前の会社で年収130万円以上となっていないかを確認したということです。

次に、平成24年6月9日から、国民年金第3号被保険者及びご主人の健康保険(共済組合)の扶養家族に入るためには、見込み年収が130万円未満が条件となります。しかし、平成23年9月1日から平成24年6月8日まで働いていた会社を退職したことによる、雇用保険の基本手当(失業保険)を受給すると、見込み年収が130万円以上となりますので、「9/1から6/8までとその前に就職していた会社の離職票の提出を求められ」たということです。離職票を提出することにより、雇用保険の基本手当(失業保険)を受給しない意思表示をしたとみなすことができます。従って、共済組合の指示はいたって普通です。

次回からは届け出忘れをしないように気をつけましょう。


(2012年9月1日回答)



配偶者手当について質問です。
来年6月頃結婚予定です(仮)。私は現在正社員として働いていますが、引っ越しもあるため、寿退社する予定です。その後は扶養内パートで働くつもりです。

いろいろと計算したところ、社会保険加入のフルパートだと、扶養内パートで働いた場合と、手取りが同じになってしまい、働き損になることがわかりました。
彼の会社は、年収130万以内だと、配偶者手当というものがでるそうで、私はてっきり入籍して、配偶者になってから計算はスタートだと思っていました。だから、6月からの計算で130万こえないようにしたらいいと思っていましたが、独身時代の年収も含まれてしまうのでしょうか?

それならば、前年度(今でいう2012年今年1月〜12月)は、社員なので当然130万はこえているし、来年2013年1〜6月までは社員なので、120万は越えてしまいます。配偶者手当の130万というのは、どういう計算なのでしょうか? 住民税のように、前年度の年収から計算されてしまうのですか?

ということは、退職して、6月〜12月はほぼ、無職(専業主婦)の状態でいないといけないのでしょうか?独身時代がはいってしまうと、1〜6月時点で120万こえてますし。
生活苦なので、働かないわけにはいきません。2013年は、2012年が130万こえだから、手当がもらえないということですか?

また、再来年の2014年度はもらおうと思うと、ほぼ無職の状態で130万以内にしとかなきゃいけないんでしょうか? 6月から月10万ほど稼いでしまったら、もう2014年はもらえないんですか? 2013年度も、もらえないときついのでひらきなおって、6月からフルパート(手取りにすると11万くらい)で働いても、もうもらえないんですよね? それなら、フルで働いた方が得ですか?
来年6月までは独身時代の年収もあるので、旦那の扶養対象になるかも不安です。医療保険等の保険はどうなるのでしょう? 頭がこんがらがっています。

結局、扶養に入るとなると、一年間手当なしに、月10万程度しか働かない期間がないともらえないということですか? 生活が厳しいので、2013年は働いて独身の時も加算ならば130万はどうしてもこえてしまうし、そうなると2014年ももらえそうにないので、2015年以降になってしまうのでしょうか?2014年度の社会保険は?旦那の扶養には入れない?(15年にもらうために月10万で働いても前年度が130万こえてますよね?)ちなみに彼は地方公務員です。




年金・保険相談と言うより、配偶者手当の相談ですね。
そもそも、お給料というのは、労働の対価として支払われます。従って、労働した分には支払われますが、労働していない分には支払われません。
そこで、家族手当が労働の対価であるかどうかを考えると、明らかに労働の対価ではありません。労働していないにもかかわらず、配偶者がいると言うことで支払われるお給料です。

このように、法律的に必ず支払わなければならないお給料ではないお給料(任意のお給料)が、何故支払われるのかというと、就業規則や労働契約書に記載されているから支払われるのです。地方公務員では、条例で規定されているからです。

任意のお給料ですから、労使で自由に支給条件や支給額を決めることができます。
任意のお給料は、支払う側から見れば、支払う必要が無い部分に対して支払うのですから、恩恵的に支給するお給料とも言えます。従って、恩恵的お給料の支給条件がおかしいとか、金額が少ない等々いって、不平不満を言っても、仕方がありません。

条件に当てはまるか、当てはまらないかで、支給されるかされないか、支給される場合は支給額が決まります。支給条件に当てはまるのに、支給されない場合や、支給されているが支給額がおかしい場合等に法律問題となります。
ご質問の件では、支給条件に当てはまらないから支給されないわけですから、法律的には問題ないでしょう。

ところで、配偶者手当は、前述したように、恩恵的に支給するお給料に該当します。公務員の場合は恩恵的に支給するお給料も、税金から支給されるのですから、あまり声高に不平を言うのは控えましょう。


(2012年8月24日回答)



平成19年11月から、障害年金を遡及手当受給できる事になったんですけど、母子扶養手当を、平成19年11月から今年4月まで受給した分、返済しないといけないのですか。教えて下さい。




「お詫びと訂正」

ロゼッタストーンHPで、年金保健相談を担当しています、びわこの狸 こと
特定社会保険労務士 多賀 貴志です。


先日、私の勉強不足のため全く誤った回答を掲載してしまいました。
回答をお読みになった方々には大変ご迷惑をかけ申し訳ありませんでした。


以前掲載させて頂いた回答を、以下のように訂正させて頂きます。

---------------------------------------------------------------------

児童手当は児童手当法第4条第3項で

第1項の規定にかかわらず、手当は、母に対する手当にあつては当該母が、養育者に対する手当にあつては当該養育者が、次の各号のいずれかに該当するときは、支給しない。

  1. 日本国内に住所を有しないとき。
  2. 国民年金法等の一部を改正する法律(昭和60年法律第34号)附則第32条第1項の規定によりなお従前の例によるものとされた同法第1条による改正前の国民年金法に基づく老齢福祉年金以外の公的年金給付を受けることができるとき。ただし、その全額につきその支給が停止されているときを除く。
とあります。


つまり、

「母」が第2号「老齢福祉年金以外の公的年金給付を受けることができるとき」は「支給しない」


となります。


ご質問の件では、


「障害年金と遡及手当て受給できる」


ということですので、公的年金を受給できることになったということですね。従って、児童手当法第4条第3項第2号に該当しますので、その間は児童手当は支給停止になります。つまり、障害年金と児童手当の両方を受給された分については返金する必要があります。


今後は、児童手当が支給停止となりますので、障害年金だけの給付となります。障害年金の等級が記載されていませんが、もっとも軽い障害厚生年金3級でも、児童手当よりも高額の支給となると見込まれます。従って、障害年金を受給し始めたからといって全体として受給額が減ることはないので安心してください。

---------------------------------------------------------------------

今回の回答では、全く逆の回答を誤って掲載してしまい、大変ご迷惑をおかけしました。
申し訳ございませんでした。



(2009年9月11日回答訂正)


びわこの狸・特別寄稿
「運用3号」の適用についての疑問

平成23年1月1日(平成23年1月4日)より、運用3号の適用が始まりました。
例えば、ご主人が会社員で、会社を退職し、半年ぐらいして再び会社員になったような場合の専業主婦の奥さんは、ご主人の転職に合わせて、

国民年金第3号被保険者→国民年金第1号被保険者→国民年金第3号被保険者

と種別変更されるのですが、うっかり種別変更届の提出を失念し、最初から国民年金第3号被保険者のままでいる方がいます。

従来ですと、このような方は、裁定請求の際に、正しい形に修正します。
  修正したことにより、国民年金第1号被保険者期間の保険料納付が発生します。

ところが、国民年金第1号被保険者となった期間が2年以上前の期間だと保険料の納付ができなくなり、その期間の分国民年金の給付額が下がることになります。
  給付額が下がるだけならまだしも、その結果25年の納付期間を満たさなくなり、受給権が発生しない人もいました。

例えば、

平成1年4月 平成1年5月 平成16年10月 平成16年11月
ご主人 厚生年金 国民年金
第1号被保険者
国民年金
第1号被保険者
厚生年金
奥さん 国民年金
第3号被保険者
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→ 国民年金
第3号被保険者

となっていた奥さんの記録が修正されると

平成1年4月 平成1年5月 平成16年10月 平成16年11月
ご主人 厚生年金 国民年金
第1号被保険者
国民年金
第1号被保険者
厚生年金
奥さん 国民年金
第3号被保険者
国民年金
第1号被保険者
国民年金
第1号被保険者
国民年金
第3号被保険者

となるのですが、平成1年5月から平成16年10月までは保険料を支払っていませんし、今から支払うにしても2年の時効が過ぎているため、遡って支払うこともできません。すると、この期間15年6カ月間は保険料未納期間となります。40年から引きますと、24年6カ月になりますので20歳前に厚生年金に加入していた期間がない場合は、60歳以降に厚生年金に加入するか、国民年金に任意加入しないと受給権が発生しません。年齢や他の納付期間の関係で受給権が発生しない方もいます。

このような期間は、本人の届け出忘れが原因で発生するので、それにより、給付額が下がったり、受給権が発生しないとしても、元々本人に責任があり仕方がないことなのですが、オンラインシステムが発達していない頃は、対象者への告知が十分でなかった等の理由により、救済策が講じられるようになりました。

具体的には、国民年金第3号被保険者の期間を取り消して国民年金第1号被保険者とせずに、最初から最後まで国民年金第3号被保険者期間として認めようという制度です。この制度により認められた国民年金第3号被保険者の期間を運用3号といいます。

もちろん、運用3号が認められるのは2年以上前の期間、つまり、時効で保険料納付ができない期間に限られます。従って、今後法律が改正され、10年間遡り保険料が納付できるようになると、10年以上前の期間に限定されるかもしれません。

ここでは受給権がなくなる仕組みがわかりやすいように、運用3号の期間を15年と6カ月間とする極端な例を用いましたが、実際には、ご主人が転職する間の3カ月とか1年程度が運用3号になると見込まれます。しかし、運用3号の期間が3カ月とか1年程度であっても、それ以外の未納期間が長い方だと受給権がなくなる場合があります。

こうした人々を救済する運用3号の適用は一見すばらしい制度に思えますが、この制度は非常に不公平です。法律に基づき種別変更届を出して保険料を納付した人と、うっかり届けを出さずに放置し保険料を払わなかった人が同じ年金額を受給できることになります。同じ年金額ならまだしも、種別変更届を出して第1号被保険者になり、保険料の支払いができなかった人は、保険料免除期間や保険料未納期間が発生しています。つまり、まじめに手続きをした人の方が、手続きをしなかった人より年金額が少なくなるというばかげた事態になります。

また、運用3号の期間は、国民年金第3号被保険者と違い保険料の納付が全くありません。国民年金第3号被保険者の期間は被用者年金各法(厚生年金保険、共済年金等)より基礎年金拠出金として国民年金第2号被保険者にあわせて国民年金第3号被保険者の分の保険料が支払われますが、運用3号の期間は保険料が全く支払われない期間となります。

すると、年金の受給権という権利の発生のために必要な義務の履行である保険料の納付が全体の2分の1未満となり、権利性が薄くなります。

年金の受給権は憲法で保障する生存権から直接発生する権利であるというのが通説です。憲法が保障する権利ですから法律で制限を加えることができません。物価の上下により些少の調整はできても、国家財政が赤字だからと言って、国民年金特別会計から埋蔵金と称する資金を出して、特別会計が減った分、年金の給付額を半額にするというような乱暴なことができないわけです。

ところが、権利性が薄くなると言うことは、法律で制限ができると言うことになります。保険料の納付とか各自が請求する必要があるとか年金は面倒くさいと思われがちですが、全てを自動にして快適にし、そのかわり、その時代の政情や政権により自由に減額されるという不安定さを選ぶのか、やるべきことはしっかりとやって自分の権利は自分で守るのかの選択だと思います。

解決策としては、運用3号の期間に対して保険料納付の特例を認めると良いと考えます。つまり、修正すると国民年金第1号被保険者になる期間を第3号被保険者期間として認めるのではなく、国民年金第1号被保険者だったはずの時期に未納だった年金を追加で納められるようにするのです。例えば、運用3号の期間が見つかった場合は、運用3号の期間を合算対象期間とし、年金の受給権を確保しておき、当該期間がみつかった日の翌日から、当該期間×2の期間(老齢基礎年金を受給している期間を含む)まで保険料の納付できる期間を延長するという制度です。先の例でいえば、当該期間(平成1年5月から平成16年10月までの15年と6カ月間)が見つかったら、その間未納だった国民年金保険料を、見つかった日から31年かけて支払ってもらうのです。

当該期間×2としたのは、60歳未満の第1号被保険者に運用3号がみつかった場合は、現在の国民年金保険料と同時に運用3号の保険料を支払うことになりますので、負担が大きくなることを考慮して、2カ月で3カ月分(現在の国民年金保険料2カ月+追納1カ月分)支払えば良いという考え方をしました。

(老齢基礎年金を受給している期間を含む)としたのは、運用3号の期間に追納を認めるとなると、納付する期間が長期になることがあります。老齢基礎年金を受給している期間を除くとなると、実質的に納付できなくなることがあるので、未納期間の納付に準じて、老齢基礎年金を受給している期間を含むとしました。

未納期間については、通常2年以上前の期間は認められませんが、運用3号の期間は2年以上前の期間が原則ですので、2年以上前の保険料免除の期間の追納に準じて、保険料にかかる利息も加算するべきだと思います。

また、前納ではなく過去の分の支払いですから、当然一括納付も認めるべきでしょう。

これで、手続き忘れの人については、受給権発生前に納付が完了したら、その時点で当該期間分の年金が受給できますし、老齢基礎年金受給後も払い続ける場合は、支払いの都度年金額が増額し、支払い完了で当該期間分の年金が受給できるようになります。

運用3号の期間について保険料の納付という義務の履行が行われますし、義務の履行が遅れると受給額が減るという当然の不利益も発生します。受給権発生前に完納した人についても保険料に利息の加算という不利益が発生します。この不利益の発生により、きちんと手続きをして保険料をきちんと支払った人との公平性を保つことができると思います。

平成23年1月1日から始まった運用3号の制度は現状ではあまりにも不公平で理不尽です。世界一、年金制度が発達し、安全で自由な国、日本の国民の一人として、世界に恥じるような政策はやめて欲しいと思います。

2011年1月11日
びわこの狸。。。○


びわこの狸からの大切なお知らせ
「健康保険組合の被扶養者の扶養認定」について

健康保険組合の皆さんへ

一般的に、健康保険組合の被扶養者の扶養認定は遡及しません。

たとえば、9月20日に会社を退職して、ご主人の扶養に入る手続きをするために、書類をそろえて、健康保険組合に10月5日に健康保険被扶養者異動届を提出したような場合は、政管健保(協会健保)の場合は、認定日は提出日ではなく事実関係発生日まで遡及し、9月21日の認定となりますが、健康保険組合の場合は書類提出日の10月5日となる事が一般的です。

すると、健康保険組合の場合は9月21日から10月4日までの間は国民健康保険に加入する事になるのですが、病気や怪我をしなければ、この間無保険で過ごされる事も多いようです。

医療保険の観点で見ると、この間を国民健康保険でつなぐか、無保険となるかという問題ですので、その間が経過すれば問題はなくなります。

平たく言えば、病気にならなければ問題にならないという事です。

しかし、年金の問題となると少しややこしくなります。

本来9月21日から第3号被保険者となるところを、提出日認定としてしまったために10月5日から第3号被保険者となってしまった方が沢山います。

すると、9月分は第1号被保険者となるので、9月分の保険料を支払う必要が発生します。

まれなケースのように思えますが、殆どの健康保険組合の被保険者(ご主人)の被扶養者(奥さん)になる場合に当てはまります。

つまり、ご主人が大企業にお勤めの奥さんは、1カ月分保険料を払いすぎている可能性が高いのです。

具体的には、平成14年4月以降にご主人の扶養に入られた奥さんが該当します。

この方々に丁度、ねんきん特別便が届く頃ですので、思い当たる方は国民年金の記録が連続しているだけでなく、国民年金の経歴も必ずチェックしてください。

もし、上記のような誤りがある場合は、最寄りの社会保険事務所で、遡って国民年金の第3号被保険者になる手続きをしてください。

また、昭和61年4月から平成14年3月までの間に、健康保険組合のご主人の扶養になられた方で、市役所に新しい健康保険被保険者証を提示して、国民年金の第3号被保険者の手続きをされた方は、同じような誤りがあります。

見つけ方は、最初の例で、

         資格取得日         資格喪失日
○○会社    ○○年△△月□□日     ○○年 9月21日
国民年金    ○○年 9月21日     ○○年10月 5日
国民年金    ○○年10月 5日

という具合に、国民年金が細切れで2段書きになっている場合は要注意です。

社会保険事務所で手続きをすると、保険料が1カ月分戻ってきますよ。

2008年10月16日
びわこの狸。。。○


びわこの狸・特別寄稿
「不明年金5000万件の正体」

不明年金 5,000万件……。

ものすごい数字ですね。

日本の年金制度は20歳以上が強制加入ですので、20歳以上の約3人に2人の割合で年金が不明になっている・・・・そんなわけ有りませんね。

皆さんの年金は、基礎年金番号でしっかり管理されています。

では、5,000万件もの不明年金はどうして発生したのでしょう?

平成9年1月1日に、公的年金に基礎年金番号が導入されるまでは、国民年金と厚生年金で別々の番号を使っていました。また、転職したときなどに「年金手帳を紛失した」と言えば、新しい番号で新しい年金手帳が発行されることがありました。この時の新しい年金手帳に記載されている新しい番号が平成9年1月1日から基礎年金番号になったわけです。

すると、古い番号はどうなったのでしょうね? そうです。そのまま残っています。つまり不明年金となったわけです。

国民年金の第3号被保険者の制度ができたのは昭和61年4月1日からです。それ以前は、夫が会社員の専業主婦(又は妻が会社員の専業主夫ヘ(^o^)/)は、国民年金任意加入でした。

例えば、今年(平成19年)60歳になられる方(昭和22年6月1日生まれ)が高校卒業してから4年間会社員をして、厚生年金に加入にて、その後結婚退職したような場合は不明年金になりがちです。昭和61年4月までは専業主婦は国民年金任意加入でしたので、結婚後暫く国民年金に加入していなくて、30歳(昭和52年6月1日)から国民年金に加入した場合は、国民年金は、結婚後のお名前で加入することになります。この時に、旧姓で加入していた厚生年金の氏名変更の手続きをうっかり忘れると、厚生年金は不明年金となります。

公務員の方も気をつけてください。臨時職員で採用され、その後、本採用された方は、臨時職員の当時は厚生年金です。本採用されれば共済組合です。臨時職員の期間の厚生年金は不明年金となりがちです。

不明年金の原因は殆ど私達のうっかり忘れです。その時々にきちんと氏名変更の手続き等をしていれば発生しないはずなのですが、手続きをせずに放置した結果が大量の不明年金になっています。

不明年金があるということは、私達がうっかり手続きを忘れた年金についても、社会保険庁はしっかりと管理しているということです。つまり、問題は不明年金の数の多さではなく、私達のうっかり忘れの多さなんです。

そこで、平成9年に基礎年金番号を導入し、うっかり忘れがあっても不明年金にならないようにしました。ですから、平成9年以降は原則として不明年金はなくなりました。しかし、平成9年以前の分はまだまだ残っています。

平成9年以前の不明年金については、裁定請求の時にしっかり確認します。

裁定請求をするときに、学校を卒業してから60歳になるまでの職歴を確認させていただきます。この時に不明年金があれば分かるわけです。

例えば、先程の専業主婦の例で、厚生年金期間が不明年金となっている場合は、年金手帳の国民年金の資格取得日の欄に結婚後初めて国民年金に加入した日(昭和52年4月1日)が入ります。社会保険庁の記録も当然同じ日が入っています。

裁定請求の時に年金手帳を確認すると、この方は30歳からの年金記録しかないわけです。明らかにおかしいですよね。そこで、不明年金となっている30歳以前の記録を探します。この場合は旧姓で調べるとすぐに分かります。

転職を繰り返した人で、年金手帳を何冊もお持ちの人も沢山います。また、年金手帳を紛失した人もいます。マスコミ等で報道されているように、生年月日が間違っていたり、お名前の読み方が間違っている方も沢山います。しかし、この様な方々も、落ち着いて学校を卒業されてから60歳になるまでの職歴を確認していくと、殆ど不明年金はでてきます。安心して下さい。

余談ですが、お名前の読み方や生年月日の間違いは、殆どが事業所さんや私達社会保険労務士の記載ミスです。何度も確認して書類を作成するのですがどうしてもミスは発生します。最近ではお子さんのお名前の読み方が難しくなりました。また、お名前だけでは性別が分かりにくくなりましたので、性別の間違いも発生します。もし、間違いに気付かれましたらすぐに会社に連絡してください。

では、不明年金は調査すればなくなるのでしょうか? 答は「ノー」です。

ご本人や遺族の方からの申告がない限り不明年金は削除しません。すると、不明年金であって申告がなされない分はいつまでも不明年金として残るわけです。

今後増加すると見込まれる不明年金は、日本に来られた外国人の方の分です。日本に滞在中は公的年金強制加入ですので、被保険者となります。しかし、海外に帰られると、公的年金の資格は喪失されます。日本から出国後、公的年金の払い戻しの請求をされるといいのですが、何も手続きをされないと不明年金となります。

最近日本に研修や就労目的で来られる外国人の方が沢山います。この方々の年金記録を出国したからと言って削除してしまうわけには行きません。従って、不明年金は増え続けるわけです。

厚生労働省は外国人の方の不明年金を防止するためにも、諸外国と年金協定を結ぶように交渉しています。世界中と年金協定が結ばれると、外国人の方の不明年金は一気に減るでしょうね。

年金について少しでも「不安」を感じられたら、1人で悩まずに担当社会保険労務士に相談してください。

2007年6月1日
びわこの狸。。。○


著者プロフィール
びわこの狸(びわこのたぬき) : 本名、多賀貴志。社会保険労務士。専門分野は公的保険。
ホームページ◆狸の巣 http://www.biwa.ne.jp/~t-taga/Home.html
メルマガ◆「狸通信」(やさしい年金シリーズ) http://www.biwa.ne.jp/~t-taga/nenkin.html
びわこの狸の年金・保険相談の感想はこちらへ
※相談の受付は終了しました。
上に戻る▲
Copyright(c) ROSETTASTONE.All Rights Reserved.