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エニシング・ゴーズ

エニシング・ゴーズ

塩田明弘の軽快な指揮によるウキウキするオーケストラに誘われて乗船するのは、ニューヨークとロンドンを結ぶ豪華客船SSアメリカン号。船上で繰り広げられるナイト・クラブの歌手からギャング、イギリス貴族と婚約者の社交界令嬢、ウォール街の投資家から令嬢に憧れるその部下の青年まで「なんでもアリ」の人々の歌と踊りのハチャメチャの大騒動。

「エニシング・ゴーズ」(コール・ポーター作詞・作曲)は1934年ブロードウェイでのロング・ラン以来なんども上演され、1988年には新脚本版がトニー賞三冠。さらに2011年にもトニー賞三冠。ミュージカル・ファンに愛され、日本でも1989年以来、主要劇場で五度に渡って上演。今回の新バージョンは上演台本・演出:山田和也による。


見どころ

元宝塚トップスター瀬奈じゅんはクラブ歌手リノ役で伸び伸び舞台を楽しんでいる。テーマ・ソングの“エニシング・ゴーズ”で盛り上げ、ソロのタップダンスも見事だが、指名手配中のギャング、ムーンフェイス、鹿賀丈史とのデュエット、“フレンドシップ”に性別を超えた仲間同士の味がある。

ムーンフェイス
リノ
ムーンフェイス
二人(デュエット)



リノ
ムーンフェイス
リノ
二人(デュエット)
♪面倒が起きたら呼べよ
相棒がほしけりゃ呼んでよ
脱獄するときゃ 力になるぜ
そう フレンドシップ フレンドシップ
まさにパートナーシップ
素晴らしき友情
名コンビ・・・・
殴られりゃ 仇 討つわ
儲けたきゃ博打打つぜ
あんたが撃たれりゃ大砲ブッぱなす
そうフレンドシップ フレンドシップ
常にスポーツマンシップ
素晴らしき友情
名コンビ・・・・♪
<ミュージカルナンバー「フレンドシップ」より>

ウォール街に働く若者ビリー・クロッカー(田代万里生)は社交界令嬢(すみれ)と “ユー・アー・ザ・トップ”や、“朝までの恋”など、お馴染のコール・ポーターの名曲を若々しく歌いあげる。

果たしてビリーを愛していたリノは新しく婚約者をゲット出来るのか? 娘を玉の輿に乗せた上、自分も金持ちとの再婚を目指して子犬を抱いて船上を散歩するホープの母親(保坂知寿)の思惑も実現アリ?

「あなたとならば」“I Get A Kick Out of You”の総勢40名によるタップダンスのフィナーレが圧巻だ。

エイズや精神疾患がミュージカルになる時代だが、たまにはこういう古き良き時代の舞台でくつろげるのも有り難いものだ。(帝国劇場10月28日まで/大阪シアターBRAVA!11月1日〜4日)

ミュージカル「エニシング・ゴーズ」

2013.10.29 掲載

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