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ミュージカル「キューティ・ブロンド」2019年(再演)

神田沙也加の全力投球ミュージカル「キューティ・ブロンド」(音楽/詞:ローレンス・オキーフ&ネル・ベンジャミン 脚本:ヘザー・ハック)が2年ぶりに日本に戻ってきた。カンパニーに「座長でなく、ざっちょ」と呼ばせる主役の神田沙也加から愛犬ロングコートチワワのブルーザーまで大半がお馴染みのキャストで、伸びやかに観客を楽しませてくれる。

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エル・ウッズ(神田沙也加)はカルフォルニアの大学社交寮(ソロリティ)「デルタ・ヌウ」の会長。ピンクのファッションが大好きで、友達とお洒落を楽しみながらボーイフレンドのワーナー・ハンチントン三世(植原卓也)からのプロポーズを待っている。

ところが彼はケネディ家にならい、上院議員になってホワイトハウスを目指す身なので、頭の弱い金髪娘は妻にできないと彼女を拒否。
(注:アメリカには金髪娘は頭が弱く、黒髪の娘は知的だというイメージがある)
「兄はエール大学のロー・スクールに入り、同級生と結婚した。自分はハーバードのロー・スクールに行く。別れよう」

ミュージカル「キューティ・ブロンド」2019年(再演)
マーチングバンドの行進がハーバード大学の小論文?!(写真提供:東宝演劇部)

悲劇にはコロスがつきもの、エルの悲劇には自分たちがとソロリティの姉妹たちがエルの心の声のコロスとして舞台に登場する。姉妹たちに支えられて懸命の勉強でワーナーを追って入ったハーバード大学で、エルは小論文提出の課題にはマーチングバンドのパフォーマンスで対応し、「弁護士はサメ他はサバ」と嘯くキャラハン教授(長谷川初範)のパワハラとセクハラにはクラスメートのヴィヴィアン(新田恵海)らとの共闘で制するなど、持ち前の明るいカルフォルニア娘として存在を示しだす。依頼人になったデルタ・ヌウの姉妹でフィットネスのカリスマ、ブルック(木村花代)の殺人容疑には、美容とファッションの知識を法律に生かし見事無罪を勝ち取った。

ミュージカル「キューティ・ブロンド」2019年(再演)
女性パワーの団結で勝ち取った勝訴(写真提供:東宝演劇部)

エルをサポートする美容師のポーレット(樹里咲穂)や、本公演で新しく加わった先輩弁護士エメット・フォレスト(平方元基)のユーモアと仲間意識が温かい。

2月11日にシアタークリエで開演したキューティ・ブロンドは、3月31日の富山オーバードホールまで九都市をめぐる。(2月12日シアタークリエ)


2019.2.20 掲載

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