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新国立劇場バレエ団「シェイクスピア・ダブルビル」

英語が公用語であるプレスクラブではシェイクスピアの人気は底堅い。2012年4月から始めた「土曜沙翁午餐会」も11年目になり、この2月にもBBC制作「マクベス」DVD鑑賞とオックスフォード大学出身のスチュアート・ヴァーナム-アトキン名物講師の解説が人気を集めたが、先日、新国立劇場がオリビア賞に輝くウイル・タケットを迎えた世界初の「バレエ・マクベス」を上演するとのニュースが飛び込んできた。2本立てバレエのもう1本は「真夏の夜の夢」から生まれた「ザ・ドリーム」。振付は名門ロイヤル・バレエの伝統を確立したフレデリック・アシュトン卿。いずれも午餐会での評判の演目だ。

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3月23日に新国立劇場で行われた公開リハーサルでは、ウイル・タケットによるマクベス夫人(米沢唯)のソロ、夫人とマクベス(福岡雄大)のパ・ド・ドゥ、王冠を捧げる預言者の魔女の精霊役(清水裕三郎)の一部が演じられた。

新国立劇場バレエ団「シェイクスピア・ダブルビル」マクベス(公開リハーサル)
[3/23マクベス公開リハーサル]

〔写真撮影:阿部章仁〕

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タケットはキャスティングを「深みのあるダンサーを選んだ」と説明。「『ロメオとジュリエット』での心情的な若者同士の愛と異なり、戦場から凱旋してきたマクベスの夫人への肉体を求める愛は大人のもの。軍人として優秀だったため兵士の家系から上流階級の夫人と結婚し、彼女に唆されて殺害を繰り返す大胆で繊細な役割を福岡雄大が表現している」と評した。

福岡も「自分にも大胆さと細心さがあると気付き、新しい役柄に挑戦中だ」と述べ、米沢は「ロマンチックにならないよう注意している」と補足した。〔新国立劇場での公演は4月29日(土)から5月6日(土)まで〕


2023.3.29 掲載

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