ホラホラ、これが僕の骨 中原中也ベスト詩集

昏 睡こんすい

亡びてしまったのは
僕の心であったろうか
亡びてしまったのは
僕の夢であったろうか

記憶というものが
もうまるでない
往来おうらいを歩きながら
めまいがするよう

何ももう要求がないということは
もう生きていては悪いということのような気もする
それかとって生きていたくはある
それかと云ってに死にたくなんぞはない

ああそれにしても、
諸君は何とか云ってたものだ
僕はボンヤリ思い出す
諸君は実に何かかか云っていたっけ

(一九三四・四・二二)
未発表詩篇より
※「却に」については、誤植の可能性がありますが、原稿が残っていないので正確にはわかりません。「早却さっきゃくに」という意味で用いているとすれば、「すぐに」と読むことも可能なので、朗読では「すぐに」と読んでいます。

朗読

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