ホラホラ、これが僕の骨 中原中也ベスト詩集

四行詩よんぎょうし

おまえはもう静かな部屋に帰るがよい。
煥発かんぱつする都会の夜々の燈火とうかを後に、
おまえはもう、郊外の道を辿たどるがよい。
そして心のつぶやきを、ゆっくりと聴くがよい。

生前最後の詩。未発表詩篇より

朗 読

解 説

四行詩

「四行詩」は未刊詩篇で1937年9月30日頃の制作と言われている。

10月6日、中也は鎌倉養生院(現清川病院)に入院した。診断は脳腫瘍であった。

22日に中也はベッドで「おかあさん」と呼び、母フクの指をタバコを吸うときのように自分の指にはさんで二度吸い、「「僕は本当は孝行者だったんですよ」といい、「今に分るときが来ますよ」とつけ加え、数秒おいて「本当は孝行者だったんですよ」といった。最後の声は正気の声であった。」(中原思郎「死」より)

 「おまえはもう静かな部屋に帰るがよい。
  煥発する都会の夜々の燈火を後に、
  おまえはもう、郊外の道を辿るがよい。
  そして心の呟きを、ゆっくりと聴くがよい。」

中也は10月23日午前0時10分永眠。最終的な病名は結核性脳膜炎であった。24日、寿福寺にて告別式。戒名は放光院賢空文心居士。遺骨は「骨」や「一つのメルヘン」で歌った吉敷川川畔の経塚墓地に葬られた。

ご感想

ひるださん 2017/12/26 9:40:41

中也さんの詩と出逢って、もう42年になります。つかず離れずを繰り返し、その時々に好きな詩も変わってきています。町の小さな書店で電車を待つ時間つぶしの本を捜していた時、何気に手に取った文庫が中原中也詩集でした。トタンがセンベイ食べて/春の日の夕暮れは穏かです これはもう衝撃でした。一気に中也さんに魅せられました。当時ならこの詩を選んだでしょうが、そろそろ五十代とサヨナラしなければいけない今は、(好きな詩に)四行詩を選びました。本当は何ひとつ捨て去る事など出来ません。おまえは何をしてきたのだと/吹き来る風が私に云う……どの詩も今もって涙流せずには読めません。

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