ホラホラ、これが僕の骨 中原中也ベスト詩集

宿酔ふつかよい

朝、鈍い日が照ってて
   風がある。
千の天使が
   バスケットボールする。

私は目をつむる、
  かなしい酔いだ。
もう不用になったストーヴが
   白っぽくびている。

朝、鈍い日が照ってて
   風がある。
千の天使が
   バスケットボールする。

『山羊の歌』より

朗 読

解 説

宿酔

「宿酔」は未刊詩篇で制作の時期ははっきりしない。

「朝、鈍い日が照ってて
     風がある。
 千の天使が
    バスケットボールする。」

この詩は3連から成る短い詩だが、1連目と3連目の4行は同じである。「千の天使が/バスケットボールする。」という2行がこの詩の中心であろう。

詩人は二日酔いの朝目をつむる。そこで「千の天使」が現われる。耳鳴りがして、それがバスケットボールの音と重なる。
二日酔いの朝の感想だ。

中也の球技を扱った詩は、野球を扱った「夏の夜に覚めてみた夢」がある。

 「その日晝みた野球のナインの
  ユニホームばかりほのかに白くーー」

※解説中の詩の引用の表記は、書籍『ホラホラ、これが僕の骨』の表記に沿って、旧漢字、歴史的仮名遣いを用いています。読みやすさを重視して新漢字、現代仮名遣いに変えているこのサイトの詩の表記とは異なります。ただし、WEBで表記できない書体もあるので、原文に忠実に表記した書籍と完全には一致しておりません。ご了承ください。

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